中祇園(Nakagion)

大学院で宗教学を学んでいます。折口信夫の「道徳」論に関心があります。

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最近の記事

【雑筆】「ある種/主の背理」

対話風の言葉遊びを思いついたので、久しぶりに投稿します。 【主】「客よ、そんなことでわかった気になるのは良くないぞ」 【客】「主よ、「私がわかった気になった」とわかった気になるのも良くないぞ」

    • 題詠:「ああ」

      大都会を旅立ち海峡を望みて詠める歌、 果てしない 日本のどこかに 冬景色                               栗山 百石  一ヶ月前に思いついた狂歌です、たまたまその時のメモを見つけたので。

      • 【書録切書】 2022/01/30 「思想と国家」

         その日に読んだり読み返した内容をまとめています。 ■ 中島岳志『親鸞と日本主義』(新潮選書、2017年) ■ ここまで親鸞を信奉する宗教家・文学者・思想家などが、昭和前期に急速に日本主義へと傾斜した過程をみてきた。彼らは親鸞の思想を捨てて、日本主義へと「転向」したのではない。親鸞の教えを追求するが故に、日本主義へと接続していったのである。                                (275頁)  親鸞の研ぎ澄まされた思想と問いは、魅力的であるが故に

        • 【書録切書】 2022/01/29 「Who are you?」

           本の内容を読み返したり、読み替えしたりしてます。 ■ 斎藤英喜「Ⅱ 祟りと託宣」(『アマテラスの深みへ』新曜社、1996年) ■ 〔崇神天皇は〕問ひまをさく、「亦有すや」とまをしたまふ。(『日本書紀』) 注意したいのは、「願はくは其の名を知らむ」と審神者が祈りを発してから、最初に神が声をあげるまで「七日七夜」もかかっていること、また神への問いが「亦有すや」と執拗に繰り返されるところだ。(中略)「神」は、そうたやすくは交流しえないような、絶対的な「他者」なのだ。だからこ

        【雑筆】「ある種/主の背理」

        マガジン

        • 書録切書
          8本

        記事

          乞辞苑(その3)

          「乞辞苑」とは?  あるはずなんだけどない言葉を思いつく限りまとめていきます。 偉さ馬鹿さも彼岸まで【えらさばかさもひがんまで】 「馬鹿は死ななきゃ治らない」というが、死んで治らないことも多々ある(前世からの因縁として引き継いでしまう場合など)。しかしながら、嬉しいことにこれには対処法がある。それは実は、「暑さ寒さも彼岸まで」という諺に示されている。なんと、現世で熱エネルギーを頭の良さに変換することによって、来世における馬鹿さを低減することが可能になるらしいのだ。 C幻語

          乞辞苑(その3)

          【書録切書】 2022/01/09 「大地」

           その日に読んだ本の中で気になった箇所を切り抜いています。 ■ 保苅実『ラディカル・オーラル・ヒストリー                オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践』 ■ 「正しい道」すなわち法は、倫理的である。同様に、大地は倫理的である。そしてドリーミングも倫理的だ。何のための倫理? 生ける世界を維持するための倫理である。そして、人間存在もまた、こうした生ける世界の一部なのである。                               (73-74頁

          【書録切書】 2022/01/09 「大地」

          【書録切書】 2022/01/08 「必然化」

           その日に読んだ文章の中で印象に残ったものを書き留めています。 ■ 平川克美『小商いのすすめ 「経済成長」から「縮小均衡」の時代へ』 ■  それでも、わたしは責任のない「いま・ここ」に責任を持ちたいと思っています。  そうすることでしか、わたしの偶然を必然にすることができないからです。  わたしがひとつの時代に生きていたという確かな証は、わたしが自分の偶然を必然に変えたのだというところに生まれるものだとわたしは思っています。                        

          【書録切書】 2022/01/08 「必然化」

          【書録切書】 2022/01/05

           その日に読んだ文章の中で印象に残ったものを書き留めていきます。  今日はあまり本を読まなかったので、昔読んだ本でご勘弁。 ■ 谷川健一「解説 有情の極みとしての鬼」            (馬場あき子『鬼の研究』ちくま文庫、1988年より) ■ 婆娑羅もかぶく者も大盗までもが、鬼と同様に人間的なエネルギイの汪溢のために、世間から指弾され、追放された人びとである。こういえば馬場さんの鬼論が人間の力の承認であり、肯定であり、讃美であることは明らかである。人間性に乏しいために

          【書録切書】 2022/01/05

          【書録切書】 2021/01/04

           その日に読んだ文章の中で印象に残ったものを載せていきます。 ■ 江戸川乱歩「鏡地獄」 ■ その物体というのは、玉乗りの玉をもう一とまわり大きくしたようなもので、外部には一面に布が張りつめられ、それが広々と取り片づけられた実験室の中を、生あるもののように、右に左にころがり廻っているのです。そして、もっと気味わるいのは、多分その内部からでしょう、動物のとも人間のともつかぬ笑い声のような唸うなりが、シューシューと響いているのでした。                      

          【書録切書】 2021/01/04

          【書録切書】 2021/01/03

           新年明けましておめでとうございます、中祇園です。  継続は力なりってことで、できるだけ何か毎日投稿しようと思います。  さて...  「書録切書」では、その日に読んだ文章で印象に残ったものを載せていきます。   (...多く書こうとすると、すぐにヘタるのでとりあえず一日一箇所目標で) ■西村佳哲『自分をいかして生きる』ちくま文庫、2011年■  でもその「いい仕事」とは、いったいどんなことを指すのか。これはなかなか言葉に出来ずにいた。今はこう思う。僕が魅力を感じ、満足

          【書録切書】 2021/01/03

          【雑記】 『偽史倭神伝』

          申和気尊(もうしわけのみこと) 神代の神々の一柱。『乞辞苑』(こうじえん)「上つ巻 申和気尊」によれば、次のようにある。申和気尊は生まれてから三年経っても足が立たなかったため、神々の国から遠くの島へ流された。のちに朝廷の勢力拡大のために必要とされたが、すでに遠くへ追いやられていたため、国に留まっていた申和気尊の従者はお詫びの気持ちを込めつつ「申和気ございません」と述べた。謝罪の意を表す「申し訳ない」という言葉はこの事件が語源となっているという。  この逸話は、「申し訳ござい

          【雑記】 『偽史倭神伝』

          【読書記録】 青木真兵『手づくりのアジール 「土着の知」が生まれるところ』

           久しぶりの投稿になります、中祇園です。  少し前に読んだ、青木真兵『手づくりのアジール 「土着の知」が生まれるところ』(晶文社、2021年)がかなり面白かったので、いくつか焦点を絞って感想・要約をまとめておこうと思います。 概要 本書は、古代地中海史を専門としつつも、大学には所属せず奈良県東吉野村で私設の人文学系図書館「ルチャ・リブロ」を運営している青木真兵氏によるエッセイ&対談集だ。青木氏本人もさることながら、対談者の面々は皆研究者の方なので大学制度をはじめ人文学系の

          【読書記録】 青木真兵『手づくりのアジール 「土着の知」が生まれるところ』

          乞辞苑(その2)

          「乞辞苑」とは?  あるはずなんだけどない言葉を思いつく限りまとめていきます。 代行出でずんば 【だいこういでずんば】 自分からは声を上げる勇気が起きず、他人任せにしようとすることしかできない心理状態。 代々理 【だいだいり】 代理人の代理人。 人理戈 【だりい】 代理人が面倒くさがって職務放棄すること。理屈で人を動かそうとすると、やる気を奪ってしまうことがしばしばある。 禁代 【きんだい】 歴史の外側にある、古代以前の時代。世界の起源。近代ナショナリズムの発展に伴っ

          乞辞苑(その2)

          【書録切書】 十月三日条 「歩く」

          中祇園です。 久しぶりにいろんな本からスクラップしてみました。 今回はアンソロジーで「歩く」に関する記述を集めています。 (解釈は皆さまにお任せします) ①福山雅治 『それがすべてさ』 さぁ始めよう もう止まらない もっとドキドキ生きてゆこう 歩き出さなきゃ それが大事さ もっと自由に Let's Dance Dance Dance! ②さユり 『月と花束』 深い森の中で私たちは たった一人きりで生まれ 大切なものに出会う為歩き出す (最近流行ってるFateシリ

          【書録切書】 十月三日条 「歩く」

          中秋の名月

          こんばんは、中祇園です。 今宵(9/22)は中秋の名月とのことなので、深夜の街を徘徊して満月の写真を撮ってきました。 23:30頃 家を出る 結構曇っているようで、なかなか顔を現さない...出直そう 1:00頃 アパート近くの近代建築と一緒に う〜ん、まだちょっと曇ってるかな 10分くらい待っていると、雲が晴れてきました ラッキー♪ いや〜、晴れるまで待った甲斐があった 東京は雲が多くて、なかなか満月が見えにくかったです。 みなさんの住んでいる街では月がきれ

          乞辞苑(その1)

          「乞辞苑」とは?  あるはずなんだけどない言葉を思いつく限りまとめていきます。 ポ(笑) 【ぽ かっこわらい】 ポエムと呼ぶにはあまりにも痛々しいナニか。 綺言前 【きげんぜん】 コトバが誕生する前の世界。無分別人(むふんべちゅ)たちが暮らしていた。 嘲国家主義 【ちょうこっかしゅぎ】 四谷偽女(よつやのにせおんな)による造語。権力を軽蔑して遁世生活を志そうとする考え方。日本だと中世によく見られる。 遁活 【とんかつ】 隠遁生活の略語。就活はしたくないけど終活はまだ早

          乞辞苑(その1)