【 七つの世界は 世界の七つ 】 ~卒業制作と進化論~
小代焼中平窯の西川と申します。
今回は私の学生時代の卒業制作の話、そして私の思考回路に大きな影響を及ぼしている進化論の話を書いていきます。
端的に言いますと私は
「私自身の好き嫌いの主張はするが、他の人が自分の好みと違ってもあまり気にしない」
という考えを持っています。
砕けた言い方をするならば
「まぁ、考え方って人それぞれだよね~」
とかでしょうか?
あ、考え方は人それぞれと言えども、ワザワザ攻撃を仕掛けてくる相手には もちろん反論しますよ 笑
勝手ながら、『進化論の解説』の章で進化論の考え方を分かりやすくまとめてある動画を貼ってますので、よければ見てみてください(^^)
卒業制作の話
2016年に私の学年の卒業制作展が開催されました。
この時、私は7体の陶器のサルを制作し『七つの世界は 世界の七つ』というタイトルを付けて展示しました。
時間が経ったので言いますが、この時に来場者アンケートも行われまして
作品の人気投票で1位の得票をいただきました。
外見や生息域や習性がバラバラなサル達をモチーフにしましたが、全て『オナガザル科』という1つの科に属しています。
ちなみにニホンザルの尻尾は短いですが『オナガザル科』なんですよ 笑
「共通の科に属しているにもかかわらず、ここまで多様な進化をしている。
しかし、見た目の違いは大きいものの、ここいるサル達に上下関係や優劣は感じないでしょう?」
という事が大まかなテーマでした。
野生のサルではなく文化的なサル、
つまりは人間(裸のサル・毛皮を纏っていないサル)への比喩を表現するためにサル達の表面には、リアルな毛並みの表現ではなく人工的な模様を施しました。
毛皮ではなく文化を纏っているサル=人間ということです。
模様の種類は縄文土器・唐草模様・青銅器・サモア民族やバイキングの刺青・私オリジナルなどなど。
意味やルーツを意図的にバラバラにしました。
念のため書いておきますがコンセプトだけが先行したわけでは無く『焼き物としての質を確保している』というのが大前提です。
そしてこの制作にあたり進化論を勉強しまして、卒業から7年以上経った現在でもその考え方は私の思考回路に大きな影響を与えています。
進化論の解説
進化論では種と種の間には形態の違いがあるが、それは上下関係や優劣を示すものではないと考えます。
人間も動物も植物も微生物も、全ての種が進化の最前線にいるのです。
よくある勘違いは
サル→チンパンジー→人間
の順番に進化して、人間だけが進化の最前線にいるという考え方です。
これ、実はかなり危険な勘違いでして、人種間や民族間の優生思想に繋がる可能性すら秘めています…。
正しいのは
サル、チンパンジー、人間には共通のご先祖様が存在し、それぞれの種がそれぞれの種として進化の最前線にいる。
種の間に違いはあるものの、現在地球上にいる全ての種は横並びであり 上下関係や優劣は無いという考え方です。
勝手ながらYouTubeの動画貼ります。
進化論を7分で超絶分かりやすくまとめてありますので、寝る前にでも見ていただきたいです!
私が他人を見る目線
私の場合
「すべてのジャンルに上下関係は無いため、自分と相容れない考え方であっても無暗に攻撃はしない」
と基本的には考えているのですが
「積極的に攻撃はしないが、生きていく上で嫌いな物事はあるので そういった事柄には極力触れない」
という行動をとりますので博愛主義者ってわけじゃないんですよね~。
最近食べ物で例えると共感してもらいやすいと気づいたんで、食べ物で例えますね。
私はミョウガの味が苦手なので食べないのですが、だからと言って「この世からミョウガは無くなれ!」とは思いませんし ミョウガを好きな人がいても別に気になりません。
『ミョウガを嫌いな私』と『ミョウガを好きな人』を比較してどちらが上とも下とも思っておらず、どちらも同価値の感覚であると思っています。
「私はミョウガ嫌いです」とは言うけれども、
他人に対しては「私と同じようにミョウガを嫌いになるべき」とは思っておらず、
「まぁ人それぞれだよね~」と思っています。
…ただし
「私はミョウガの味が苦手だから食べません」と拒否しているにもかかわらず、
「ミョウガを嫌いな人など存在するべきではない」と考えて無理やりミョウガを食べさせるような人間は大っ嫌いです!
っていう感じです 笑
私自身、過去に似たようなことをやってしまったので恥ずかしく思っております。
今の私が完璧に出来ているわけではありませんが、そのようにあろう とは心掛けています。
ミョウガを様々な主義主張に置き換えて考えてみると、いかがでしょう?この考えは芸術、工芸のみならず、歴史認識、信教の自由、政治思想などなど全てに言えることだt……
おっと… この辺で止めましょう 笑
さいごに
長々と一人語りにお付き合いいただきありがとうございました(^^)
2016年の卒業制作展の際、7体のサル達と共に展示した文章を書いてお終いといたします。
【七つの世界は 世界の七つ】
ここではサル達の集会が開かれています。
ここに集まったサル達はお互いが違うことを知っています。
そして、お互いに同じくらい大切であることも知っています。
2023年7月1日(土) 西川智成
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