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歩んできた道と成長で未来が描かれる

先日、友人と喫茶店で3時間以上話し込んだ。アルコールなしでコーヒーとデザート(コメダでミニシロノワール)。お話の内容はキャリアのこと、働き方のこと。あっという間に時間は過ぎました。今日も記事はそのお話した内容から自分なりに振り返ってみたことです。

友人は民間企業勤務で私は公務員。業種の違いもありますが、そこで話になったのは異動の違いです。その方の企業は異動は同じセクションの中で、例えば本社から支社とか、同じ部署内で違うセクションに異動することはありますが、全く違う部署への異動はあまりないとのことで、でもこれからは事業の見直しから、あるセクションにリスキリングを行い、新しい仕事へつなげていくことが必要になってくるとのことでした。

一方で公務員。私は市役所勤務ですが、担当で3~5年、係長以上だと1~3年で異動します。しかも、異動先は全く未経験の分野。税を担当していたら、次は教育、その次は土木、ということもあり得ます。よく転職するようなものということも言われます。民間企業の方から見られたとき、公務員はどのようにしてキャリアを描くのかと不思議に思われるようです。

ふと、考えてみました。誰もが仕事の中で未来の自分を想像するとき、同じ会社や組織にいるときは、身近な人がロールモデルになる。これは、単純に自分が見えている上司の仕事が将来の自分の仕事をしているイメージとなるわけです。組織として、課長昇進前に「課長とはどういう仕事か」をOFF-JT、OJTで学ぶ場もあります。どのように仕事をすればいいかに他者の行動を観察し、模倣することで学習しています。自然とモデリングがされているわけです。

民間企業で同じセクション(例えば人事系ならずっと人事関係の部署にいる)ことで、どのように専門性を深めて、上司のような仕事をしていくのかを目の前のモデルを参考に学習することで、キャリアを描いていると思われます。
異動の多い公務員ではどうか。違う分野の仕事に異動するということで、専門性が深められないという印象を持たれるかもしれませんが、幅広い経験で視野が広がることと、公務員の業務は異分野が繋がる仕事でもあるので、どこかで活かすことができること、そしてそれこそが公務員としての専門性なのかもしれませんがポータブルスキルとしてどの部署でも生きるスキルがあることがあり、それを経験してきている諸先輩の姿を見てきているからこそ、その姿がモデルになっていて、将来像を描いているわけです。
話は少し逸れてしまうかもしれませんが、このような経験をしている公務員は、ある意味変化に柔軟に対応している業種でもあると思います。社会課題に対して部署・体制を作ります。おそらく10年前と組織全体が変わっていない自治体はないと思います。

一人ひとりの視点は、将来自分はどうなるのかと考えます。10年後の自分も考えれば、次の4月の人事で誰と仕事するのか、自分はどこに配属されるのか、昇進するのかしないのか、などなど。そして、何かを学ぶ、例えば、それがリスキリングだとした場合、それが生かせて、自分がどのように仕事ができるのかという姿が思い描けるようになりたいと誰しもが思うことだと思います。それが思い描けないとき、人は不安になり、モチベーションも上がらないことが多いのだと思います。

ただ、今まで描いた将来像を実現できている人はどれだけいるのでしょうか。メジャーリーガーの大谷翔平の話は有名で有言実行している姿に多くの人が感銘を受けていて、自分もすごいと思いますが、それでも、例えば日本のプロ野球で日本ハムでなかったら、そこに栗山監督との出会いがなかったら、という偶発的な出来事を自らの行動で活かしていったからこそのことで、全てが描けている未来ではないでしょう。家族も含めて、他者との関わりもある中で、経験してきたことがキャリアとなっていきます。

自分はどうなのか。就職後からイメージしてみて、漠然と仕事していた1年目のままだったら、今の自分はなくて、2年目からがむしゃらに仕事をし、来るものも拒まないでやっていたら、新しい仕事がやってきました。下水道の仕事をしていましたが、駅前の再開発と合わせた大規模な浸水対策事業と市全体の下水道計画を担当しました。ふと、振り返ると公務員試験の面接でどのような仕事をしたいのかと面接官に聞かれ、「都市計画の仕事をしたい。駅前の再整備などに関わりたい」と答えた自分がいました。下水道の分野で再整備に関わり、また市全体の下水道計画は都市計画と関わりが深い仕事に関わり、少し形は違っても、面接のときにやりたいと答えたことが実現していました。
他にも子どもの頃から城郭が好きでしたが、ふいなことからお城の復元の仕事に携わることになったり、コミュニティ工学に関心が高まっていたら公共交通の分野に携わって関わるようになったりしています。これは決して単に恵まれていたというわけではなく、偶発性を生かしながら、自分の価値観や可能性を広げるようにしてきたからかなと思います。

何が自分の中で価値となるのか、年齢を重ねるだけでは広がらず、どれだけのことを経験してくるかで変わります。そう、自分の中の価値は自分の成長とともに変化していくわけです。だからこそ、成長からの価値観の変化、スキルの変化を踏まえ、WiLL-Can-Mustも変化させて考えていくことが大事になりますし、働き始めだけでなく、中堅以降も常に起こる変化(起こしていく変化)になると思います。

大学生の就職活動が始まりました。公務員でもインターンシップでくる学生も増えています。一方で若い人の転職も増えています。公務員から民間企業への流れも増えています。
今日、ここで書いたこと、伝えたいこととして書いている面もありますが、根本的は自己理解を深めて意思決定できるようにならなければなりません。言葉だけでは伝えきれないことはどうすればいいのか。
今回の振り返りで、改めて記事の内容を整理するとともに、自分自身がそのモデルともなれるように、これからも研鑽していかなければと内省する機会となりました。

こういう話を語り合う場はノンアルコールがいい。
愛知の喫茶店文化にも感謝です(笑)

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