現場は困っているのに社長は困っていない?
今週は新規のお客様のところで人事担当の方の悩みをいろいろと聞いたのですが、その会社の社長は困っている感じではなかったのです。
人が増えてきて悩みが出てきた
この会社は人数はまだ15名弱なのですが、業績は好調で人の採用を継続的に行っています。
そもそも人の採用が難しくなっているこのご時世に、頭数が必要ということで「誰でもいい」という採用になっているそうです。
これまではなんとかなってきたけれど、人数が増えてきてコミュニケーションエラーも出始めてきています。しかし今は繁忙期なのでヘタに指導して辞められたら困るので、放置状態なんだそうです。
今後は人も増えてくることを想定して、組織づくりを今から考えたいとのことでした。
来春から個人面談を行い、それぞれのキャリアの考えなどを聴く準備もされていました。
人が増えればコミュニケーションエラーは起こるもの
直近の課題として、コミュニケーションエラーはどうしたものか?という悩みがありました。
これは「人の違い」をまず理解する必要があります。個人が自分の当たり前を前提として(決めつけて)話をするので、当然ズレが出てきます。
この「人の違い」は思考の違い(ハーマンモデル・効き脳)で説明しました。
また人が増えれば問題が起こるのは当然で、これはコミュニケーションラインという考え方で示されます。
例えば社員が3人であれば
L(ライン)=3(3-1)÷2 =3本となりますが
15人になれば
L=(ライン)=15(15-1)÷2 = 105本となります。
50人になったとすると、ラインは1225本になるので、もうこうなると一人では管理しきれなくなるので、グループをつくってマネジメントすることが必要になります。
これが「組織」と呼ばれるものです。
組織の意味を調べると
「一定の共通目標を達成するために、個々の力が統合されるように作り上げられた集合体。構成メンバーが一つの目標を持って、それぞれ与えられた業務、作業を行っているということ」と出てきました。
組織づくりに必要なことは
組織づくりと言われていたので、チームビルディングでいつもお伝えしている通り、
人材力(人の違い・強み)×組織力(目標・仕組みなど)×関係力(コミュニケーション)
が必要だということをお話しました。面談等を準備されているようなので、関係力であることを伝えましたが、そうなると「組織力は?」となりました。
この組織が目指すのはどこなのか?これを社長に少しお聞きしてみました。
人は自然と集まってくるわけではない!
社長から返ってきた言葉は
「別に無理しようとは思っていない。今の仕事を続けていけば大丈夫。今まで利益が落ちたことないから。
いい人材が採用できて、メンバーが育てば自然と会社は大きくなるから」
え?担当の方は採用に困っていると言っていたのに、採用できればそれで大丈夫って?
なんか他人事にように言われたのでびっくりしました。
会社の規模は大きくしたいのか?と聞いたら、引退するまでに50人くらいの規模になっていたいとのことでした。
それならば、今のままの仕事のやり方で50人雇用が継続できるのか?
いい人材ってどういう意味?
メンバーはどういう能力を身につければいい?
等々、矢継ぎ早に質問しました。
社長としては今まで利益が落ちたことがないので、危機感がなかったのかもしれません。
担当の方が「いい人って、採れてないでしょ。誰でもいいってなっているじゃないですか。だから今、問題が起こっているでしょ」と言われて、あ~そういうことね・・・という感じでした。
社長はご自身のビジネスに自信を持っておられるようでしたが、いい人材は勝手に湧いて出てくるわけではないし、社員を育成するために何を学ばせるか、どうやって学ばせるかを考えるためにも、この先の目標や大事にすることなどを社員にきちんと伝えられるように考えましょうとお伝えしました。
これまで上手くいっていたので考えてこなかったのは仕方ないのですが、
「いい人材」の採用と育成のために、まずは経営層で共有することが必要ですね。
さて、どうやって進めていきましょうか・・・。
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