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コーチングと自分のあり方

今週はWBCでヘッドコーチを務められた白井一幸さんのメンタルコーチングのセミナーを受講してきました。
チームビルディングとコーチングの関係は密接なもので、WBCの世界一達成はチームビルディングの典型的な成功例だと思っているので、一度生で話を聞いてみたくて参加しました。


評価されていたものを手放す

コーチングの手法としては当り前のことを話されていたように思います。
今回はコーチ側の「あり方」に焦点があたっていたように感じました。

その中で
・結果に対して「怒る」
・原因について「教える」
・練習を「やらせる」

この3つが評価されていた時代があったため、未だにこれをやっている人がいます。まずはここから手放すことが必要です。

結果に対して怒れば信頼関係はできないし、怒られる側にメリットが全くないのでプラス要素が何もありません。

原因について教えることを続けると、相手は話を聞かなくなる。バカにされたように感じ自分で考えなくなります。

練習をやらせ続けると、相手はやらされ感満載でやる気を失います。

弱いチームほどここから抜け出せないということでした。

冷静に考えれば、ビジネスの世界でも上記の3つの状態は今のトレンドには合っていないと思いました。

信じて・任せて・感謝する

ビジネスの世界で考えるとコーチは上司になると思います。

上司のあり方、役割は「成長を支援すること」です。
相手を励まし、同じ事を繰り返しても関わり続けることです。

相手の存在を肯定的に認めることが必要です。

そのためには
信じて・任せて・感謝する

上司はここから絶対外れてはいけないということでした。

特に信じると任せるはセットである。任せられないのは信じていない証拠

ちょっと耳がイタイです。
信じて任せるの最たるものがWBCで言うと、準決勝の村上選手の決勝タイムリーということになります。
こうやって事実を突きつけられると返す言葉がありません。

ダメなところを指摘せず、いいところを必ず探すことがコーチ(上司)の役割です。

選手がミスをした時のコーチの反応は
「ナイストライ!○○が改善したぞ!」

失敗は怒らずやろうとしたことを承認すると、選手は失敗を恐れなくなり、前向きな明るいチームになります。

失敗を恐れないということは「心理的安全性」ができあがるわけです。

一緒に考えるというスタンス

コーチは教えることを手放して、どうやったらいいプレーができるか一緒に考える姿勢が大切です。

そのためには教えるのではなく相手に質問することが大切です。
・例えば○○はどうだった
・もう1回やるとしたらどうする?

これは1on1面談などで出てくる「経験学習サイクル」を回す質問そのものです。やはり質問力を磨くことが大事ですね。

ここで注意しなければいけないのは、上司は「自分のための質問」をしないということです。
どういうことかというとYes・Noでしか答えられないクローズドクエスチョンのことです。上司の考える答えを出して最後にYes・Noで質問するパターンです。
これをしている人は自分の立場を守っているに過ぎないということでした。

当り前ですが、相手の考えを引き出す「オープンクエスチョン」を使うことが必要です。

もう一点注意したいのは「なぜ(Why)」を手放すということです。

「なぜ(Why)」は原因追及の質問で、責任追及に入っています。
「やらないあなたが悪い」という圧迫感で攻められているように感じ、相手はダメージを受けます。

・何からだったらできそう?
・何があったらできそう?
・やったらどんな気持ちになる?
などのように解決策を一緒に聞いていく姿勢が必要になります。

なぜなぜ質問(Why)は過去に焦点を当てていて、成長を支援するためには「ゴールに焦点をあてる」ことが必要になります。

コーチは受容し自責で生きる

コーチ(上司)として一番大事なのは
否定せずに聴く

受容するということです。

上司は経験豊富ですから相手の話していることを無意識に良い・悪いとジャッジしながら聴いているのです。

これは私も耳がイタイです。
クライアントの話を聴きながら、「それやってるから上手くいかない」と頭の中で判断がむき出してきます。

確かに正しいのだと思いますが、「正論」で人は動きません。正論で論破したところで相手はバカにされたと思ってこちらの言うことは聞きません。
ジャッジされたら嫌なのです。

否定せずに受けとめる器が必要です。
・○○さんはそう思っているんだね。そんな気持ちなんだね
または、相手の話していることをオウム返しすることもコーチングのテクニックの部分では出てきます。

わかっちゃいるけど、、、できていないなぁ。

最後に自責と他責の話がありました。
コーチとしてはもちろん「自責」であることが必要です。

人は自分が壊れるのが怖いので他責になります。
他責になったところで人間関係が壊れますし、自己成長を放棄することであり、投げたものがすべて自分のところに返ってくると言われました。

コーチとして「相手が次に成長するために自分は何をするべきか」
これが自己成長につながります。

自責とは自分を責めることではない。自分にもなぜなぜ質問はしてはいけない。ありたい自分になるために、自分と良い関係を築いてほしいという言葉が印象に残りました。

チームビルディングを目指す者として、コーチングの重要性は理解しているつもりですが、まだまだ自己成長が足りないことを痛感しました(笑)


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