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アフリカビジネスモデル図解vol.06「Lakheni/まとめ買いサービスで低所得者層に格安で商品提供」

アフリカで会社とNPO経営中、ナイケルこと内藤獅友(Naikel0311)です。

アフリカビジネスモデル図解とは、アフリカ歴6年目で会社とNPOを経営している僕が、アフリカの主にスタートアップを中心にビジネスモデルを図解化し、そのユニークかつビジョナリーなイケてるアフリカ起業家をご紹介するシリーズです。

第六回は「Lakheni」という南アフリカ発のスタートアップ企業です。

ここに全てまとめたマガジンがございます。現在、最新号のみ定期購読者様あるいはマガジン購読者様限定公開となっております。それ以前のは無料公開中です。


どうもどうも!アフリカ系男子のナイケルです!今回もとっても魅力的なアフリカスタートアップをご紹介しちゃいますよ〜!

よっ!!真のアフリカ系男子のケビンのことも忘れちゃいけないぞ!今日はどんな会社が出てくるんだ〜?

今回は南アフリカ発のスタートアップ企業なんだけれど、ケビンはさ、何か物を買う時ってどうしてる?

ん?物を買う時?そりゃー近所のお店で買うよ。あ、でもあんまり手に入りにくい物とか、高い物とかは車で30分くらい走った市場まで行って買ってくるね。

うんうん。今回のスタートアップは、「購入価格が高い商品」と「近くに売っていないもの」を両方解決することを可能にしたサービスを提供する会社だよ!


Lakheniのサービス

まず社名はLakheniというのだけれど、この会社が提供するサービスが、主に低所得者層からまとめて必要な商品をメーカーにオーダーすることによって、大量購入による値引き価格で、消費者に提供することができるようにしたんだ。

へぇ〜!それは素晴らしいね!でも具体的に、どうやってまとめて注文を集めているの?

もともと彼らが集まりやすい場所、例えば教会とか、デイケア施設とか、保育園とかでLakheniサービスの説明をして、7名以上のコミュニティが出来たら、Lakheniの取引先の商品リストを見て、欲しいものを集めてもらっているんだ。

現在も100件ほどの施設から、コミュニティオーダーを取ってもらっているんだ。

凄いね!でもさ、その100件からのオーダーをいちいちLakheni社がもらいにいったりしたら結構コストかかりそうだよね。

そこはLakheniが独自アプリを作っていて、施設のコミュニティリーダーが、携帯からLakheniにオーダーをすることができるようになっているからわざわざ行く必要がないんだ。

さらに消費者からの入金も、Lakheniの口座に振り込んでもらうようにしているから、お金を徴収する為のコストも削減が出来ているんだよ。

ここでテクノロジーを上手く導入して費用としても人的コストも下げているんだね。

そうなんだよ。Lakheniがまとめて注文した商品は、その施設に運ばれるようになっていて、またその施設のコミュニティリーダーが責任を持って消費者たちに供給するという形になっているよ。

コミュニティリーダーは基本その施設の人がやることが多くて、彼らへの見返りは、③売上からのコミッションを支払うことで、施設の売上向上にも貢献できているんだ。

そっか!しっかり協力する施設側にもメリットがあるんだな!素晴らしい!


Lakheniのビジネスモデルと儲けの仕組み

さて、一見ボランティアにも近くみえるくらい社会的意義のあるビジネスをやっているLakheni社だけれども、どうやって儲かっているのかを説明するね。

そうか。これはちゃんとした会社なんだよな。どこで儲かっているんだろう。

儲かるポイントは2つ。1つ目が①ユーザーからの商品への支払われた金額と、②オーダーした時に支払う金額の差額が利益になっている。

これは、小売モデルというビジネスモデルが使われているよ。

小売モデルとは、商品を作らず、他社から仕入れて売り、販売額と仕入額の差額を利益とするパターン。主な例は、百貨店、コンビニエンスストアや多くのインターネット通販サイトなど。

ふむふむ。これで終わりっぽいけど、あともう1つあるの?

実はあるんだ。2つ目は、Lakheni社は注文リストというのを作ってるんだけれど、これは例えば洗剤だと10社ほど商品がある中から厳選して2社くらいだけリストに入れているんだよね。で、④リストに入っていない企業は、Lakheni社にお金を支払うことで、そのリストに入れてもらうことができるんだ。その提携費が第二の収入源となっていて、こちらがとても今好調みたいなんだ。

ビジネスモデルとしては、マッチングモデルというパターンが使われているんだ。

マッチングモデルとは、そのサービスを利用したり一員になったりすることで、恩恵を得ることができるようにする代わりに、登録費をもらうパターン。利用例は、恋人マッチングサイトなど。

なるほど!確かに今まで購入を見送っていたり、できなかった低所得者層を獲得できるのであれば、提携費を払ってでもそのリストに入りたくなるよね。


創業者とビジョンの紹介

Lakheniの創業者は2人でNokwethu Khojaneさん(左)とLauren Drakeさん(右)だね。2015年に設立されたんだ。

彼らは南アフリカのケープタウンでMBAを取得する同級生だったんだけど、研究論文の一環として、低所得地域の卒業生と一緒に時間を過ごす機会があったんだ。そこで、低所得者層は、子供たちに養うために生活必需品の購入ですら、何度も苦労していることに気が付いたんだ。

彼らは商品を近くの小売店で買っている、あるいは遠い町まで出向いて行ってない商品を買ったり、近くのお店より安い商品を買っているということが、彼女たちが調べた結果分かったんだって。

そこでKhojaneとDrakeは、その解決策として、資金をプールして一括して食料を購入することで安く商品を仕入れることができ、彼らに安いコストで商品を買ってもらえる方法を考えたんだ。

なるほど!まずは原体験からきて、そこからその原因を調べて、極限までコストを下げる為の方法を考え抜いたんだね。

Lakheni社は、これまでは食料品や日用品がメインだったんだけど、これからはテレビなどの有料課金サービス、金融サービスなども同じモデルを使ってコストダウンを図るサービスを考えているみたいだよ。

さらに、低所得者層の顧客データや購買データなどが蓄積できているので、それらのデータを販売したり、そこから生まれる新しいサービスなども検討しているみたいだね。

いやー、素晴らしいサービスだったなー。このビジネスモデルに学んで、おれが良くみているエロサイトの課金サービスも数名で申し込んで安く済ませることが出来そうだ!

いや、もっと他のことに活かしてくれないだろうか。


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