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「田舎でもできるというロールモデルになりたい」福島県田村市でテレワーク【2日目】

どうも、旅するライターの五月女菜穂です。
  
今回、福島県と、地方創生に力を入れているLIFULL様にお声がけいただきまして、福島県田村市で2泊3日のテレワークをしにやってきました。2日目(初日のレポートはこちらです)は仕事の合間をぬって、テレワーク施設のテラス石森で、田村市で活躍されている方、2人にインタビューをしました。

ママライフコーディネーター・添田麻美さん(34)

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ーー現在のお仕事/活動を教えてください。

 添田さん:ママたちが集まるコミュニティづくりをしています。次の春で6年目を迎えます。最初はベビーマッサージの教室から始まったのですが、たくさんのママたちと話すなかで、「こんなことに興味がある」といった声を聞いて。ベビーマッサージも続けつつ、ハーバリウムを作る講座やアロマを学ぶ講座、ママフィットネスや栄養学講座などを開講して徐々に幅を広げてきました。

ーーなぜママたちを支援しようと思われたのですか?

 添田さん:結婚をして、子どもが生まれた時に、私自身ものすごく孤独感を感じたんです。私は震災の翌年に出産したのですが、外に遊びに行こうにも行く場所が限られて。こんなに社会から切り離されるのかと衝撃でした。そんな時、子どもを連れて出かけられる場所が、ベビーマッサージ教室でした。子どもも楽しそうだったけれど、何よりも私もリフレッシュできたことをよく覚えています。
 
きっとこういう場を必要としている人がたくさんいるんじゃないかなと思って。子どもが10ヶ月の時に資格を取得して、子どもが1歳の時に開業しました。

ーーいやはや、ものすごいスピード感ですね!(笑)

 添田さん:はい(笑)。こうと決めたら突き進むタイプなんです。家族の協力や夫の理解があったからこそです。

 最初はベビーマッサージインストラスターを名乗っていましたが、今は「ママライフコーディネーター」を名乗っています。色々とコーディネートして、ママたちがママライフを楽しめるように頑張っています。

ーー添田さんはずっと田村市に住んでいるのですか?

 添田さん:生まれと育ちが田村市です。高校卒業後、東京で7年ほどバスガイドの仕事をして、25歳の時にUターンで福島に戻ってきました。郡山市でウェディングプランナーの仕事をして、主人と出会って結婚し、今は玉川村に住んでいます。田村市には1時間かけて通っています。

ーーなぜ田村市を選ばれたのですか?

 添田さん:もともと郡山でサロンをしていたのですが、法人化して事業を広げていきたいと考えていました。そんな時にSwitch(※テラス石森を企画運営する一般社団法人)の立ち上げに参画することになって、田村市に通うようになったんです。

 みんな業種が違うので、他の業種の話を色々と聞くことができて。しかも、みんながお互いのために動くので、とても気持ちの良い関係性を構築できました。やはり、楽しそうな仲間に人は寄ってくるじゃないですか。その輪が広がるのを感じられたんですよ。

 みんなも協力してくれたし、法人化するにあたって、もう事務所はここに置くしかないな、と(笑)。昨年10月に一般社団法人Ovalを立ち上げました。ママたちと地域社会をつなぐために日々奮闘しています。

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ーー添田さんが思う、田村市の魅力を教えてください。

 添田さん:東京でバスガイドの仕事をしている時、仕事は楽しかったのですが、何か燃え尽きたんです。これ以上やったら、辛くなるというところで、バッと辞めて、帰ってきた。東京に残るという選択肢もあったけど、私はやっぱり福島が好きで、福島で子育てしたいと思っていたので。まぁ当時は結婚も出産の予定もないままでしたが(笑)、戻ってきました。そして郡山市でウェディングプランナーの仕事をして、主人と出会って結婚しました。

東京の便利さや楽しいところは身にして分かります。だから、帰ってきてから物足りなさは確かにありました。でも、田村は人との繋がりが東京とは全然違う。とにかく濃いんです。人のために助け合う文化があるんです。そこが魅力かな。

原発事故の影響で避難している人もいるし、転勤族の人もいる。嫁いできた人もいる。いろんなん人がいるけれど、縁があって、せっかく福島で出会えた。若い頃はお節介だと感じたかもしれないけれど、仕事したり、子育てをしたりする中で、田村の人との繋がりは本当にありがたいですよ。

ーー添田さんのこれからの夢を教えてください。

 添田さん:ママたちのコミュニティを作ることが、今の私のミッション。自治体とママたちを繋げる存在に私はなりたいです。行政がいろいろ施作をやっても、ママたちにちゃんと届いていないことがあるし、逆にママたちのリアルな声を吸い取ってほしいと感じている場面が多々あります。あとは、民間企業ともタイアップしていきたいですね。社会から切り離されていると感じてしまっているママたちに「みんなの声が届くんだよ」ということを伝えたいと思っています。
 
私、首都圏では需要ないかもしれないけど、地方では需要ある存在かもと最近思っていて(笑)。福島は田舎ですが、田舎でもここまでできるというロールモデルになりたいです

林業家・桑原直人さん(36)

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ーー現在のお仕事/活動を教えてください。

桑原さん:20歳の時から林業をしています。

ーーなぜ林業を選ばれたのですか?
 
桑原さん:あはは、それよく聞かれるんですけど、これと言った理由はないんです。生まれも育ちも田村市で、もともと自然が好きなんですね。自然が豊かな場所に住んでいるのに、これを無視して生きていくのは変な話だなって思っていて。山の中で仕事できたらいいなぁと思って、結果、林業を選んだ感じです。両親が林業家だったというわけでもないです。単純に好きだったからですよ。

ーー桑原さんが思う林業の魅力とは何ですか?

桑原さん:林業は基本的に生き死にの世界なんですね。木を切るということはその木を殺すということだから。哲学というか、本質的に大事なことを考えることができるのが林業のいいところかな。あとね、山の上でお昼ご飯を食べられるのよ。いい景色です。

ーー無知で恐縮なのですが、林業のお仕事の1年間ってどんな感じなんですか?

桑原さん:地域性もあるからまとめきれない部分はあるけれど、季節で作業が違います。春から夏にかけて苗を植え付けをして、夏は生えてきた草の下刈り。秋は作業的には色々あるけど、除伐・間伐をして、冬に林産事業(育った木を伐採して出荷する)という流れです。

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ーー桑原さんは林業家の中でもだいぶ若手ですよね...?

桑原さん:そうですね。独立して3年目になりますが、それまでは森林組合に12年ぐらいいました。組合には毎年2、3人新人が入ってくるんですけど、独立するまでに辞めてしまう人がほとんどで。自分は林業が好きだからずっとやっているけど。

ーー桑原さんが思う田村市の魅力はどんなところですか?
 
桑原さん:インフラが整っていること!田村市は山の道が整っているんですよ。だから山の上の方までトラックが入れるので、運送コストが抑えられるんです。すごく林業がやりやすい環境です。

ーーさすが、林業家らしい答えです(笑) 

桑原さん:林業はこれまで補助金に依存してきました。言ってしまえば、産業として破綻している。そこを課題として捉えて、進んでいかなかくてはいけないんです。だからコストカットはいつも考えていますよ。
 
これからの林業家はちょっとした知恵と工夫が必要です。産業として進化してこなかったので、色々試せる分野だと思いますよ。ちょっと知恵をしぼるだけで、パイオニアになれます(笑) 

ーー桑原さんの夢を教えてください。

桑原さん:自分で切った木でマイホームを建てること。薪はタダみたいなもんなんで、薪ストーブも作って。木の温もりを感じて、木に囲まれた家に住みたいです。
あとは、林業にチャレンジしたいと思う若者が増えてほしい。自分も今は一人でやっているけれど、いずれはチームでやりたいと思っています。

2日目を終えて

今回のテレワークのコーディネーターで、一般社団法人Switchの代表理事を務める久保田健一さんのご紹介で、添田さんと桑原さんにお話を聞くことができました。お二人とも自分のお仕事や活動に誇りを持っていて、とにかくパワフルだったのが印象的でした。
 
地域が活気づくためには、まずは「人」だと改めて思うのです。いくら立派な施設をつくっても、いくら素敵な資源があっても、そこに「人」がいなければ始まりません。福島県田村市が、これからも魅力溢れる人たちが集まる場所であってほしいなと思いました。
 
添田さんと桑原さん、ありがとうございました!


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