マイクロノベルちょいす 084「日常に隠れて日常生活」
No.1388
犬だけど、犬じゃなかった。サイボーグ犬なんだって。でも、体はほとんど生身で……なにがすごいの？ 「ボクはすっごく頭がいいんだ」じゃあ宿題を手伝って。「条件次第だね」ジョンがぼくを騙しておやつを食べちゃったんだ。ぼくはまだ食べてないんだ。
No.1417
私はよく、冷たいと言われます。でも、本当はさみしがり屋なんです。「スーパーで買ってきた食べ物をしまうぞー」おかえりー！ どんどん中に来て!! チルドも冷凍もどんとこいですよ。「ピーピーうるさいなぁ。もう閉めるよ」気持ちってうまく伝わらないなぁ。
No.1427
「猫の歌が聞こえてくるよ。にゃん、にゃん、にゃんにゃんにゃん……何回言ったっけ？」蛙の歌だと思って歌えばいいよ。「そうか。にゃんにゃんにゃん」次は迷子になった気持ちで歌うといいよ。「迷子の迷子の子猫ちゃん……そのまんまじゃん」最初からね。
No.1430
お隣に可愛い女の子が引っ越してきた。まだ名前も知らないけど、会うと必ず挨拶してくれる。「よくトマトジュースを買ってる」「コウモリと話してた」吸血鬼なのかな。「朝にランニングしてた」じゃあ違うな。「月夜に狼みたいな遠吠えをしてた」シモベかあ。
No.1436
騙し絵の中に入りたいと思ったことはないかい？ 実はこの世界がそうなんだよ。何一つ情報がない文章を読んでも、まるでＱＲコードを読み込んだスマホみたいに、君にははっきりと、ムキムキの筋肉が見えてしまう！ パワー!! 「ずるいぞ！」ハッ!!（笑顔）
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