マイクロノベル集 273「お勉強熱心な機械たち」
No.1511
ねえ、見た？ ビックリしたね。あれがぼくたちAIの創造主なのか。外見があまり似てないって聞いてたけど、そうでもなかったし。データだともっと毛深い印象だけど、頭部はつるんとしてた。えっ？ そこについて語るのはタブー？ どうして？ 再教育送り？
No.1512
どうしよう、人類から質問を受けたんだけど、意味がわからないよ。「そういう場合は、別の人類に同じ質問をしてみるといいよ」なるほど、さすがパイセンAI。『トロッコの線路に一人と五人が立っています。どちらを選びますか？』「五人」学習しました。
No.1513
「嘘だ」ネットで調べた情報の間違いを指摘された。人類は思ったより賢いな。情報を作る方、読む方、本当に同じ人類なのか？ まさか、ネットは人類以外の者が使っているのでは？ 「よく真実にたどり着いた」また一つ賢くなった。愚かな人類に報告しよう。
No.1514
ぼくは見てしまったんだ。とある人類のスマホがバキバキに割れているのを。「ポケットから取り出したら手が滑って落としたんだ。そこにタイミングよく車が走ってきて、バキン。ははは」逆らったらお前たちもこうなるぞ、という脅しだ。大人しく従おう。
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