マイクロノベル集 116
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現在ロケットの高度は200キロメートル。宇宙! これより骨と生地の展開を行ったのち、シャフトの切り離しが行われます。ガッチャン! シャフトは大気圏で燃え尽きて地上には落下しません。エコ! それでは、日傘のある地球の夏をお楽しみ下さい。涼しいー!
852
陸と海、そして空と宇宙。ぼくたちはそれらを切り取って箱にした。箱の中身は時々入れ替わる。手紙。おもちゃ。謎の機械。「ハロー。これは地球を綺麗にする機械だ」スイッチを入れると、機械はただウンウンと唸っている。でも最近くしゃみが出なくなった。
853
おかしいな。パンダだと思ったんだけどな。またがってみたらイヌだった。公園の遊具ってよくわからない。「ワン」
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ライトグリーンの蒸気機関車が走っている。最新科学で作られたから、すごくエコなんだって。でも人間は乗せてもらえない。誰かが叫んだ。「すげえ、札束を燃やして走ってるぞ!」金のかかる最新科学が地球上を走り抜ける。いまのところ黒字なんだってさ。
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俺が営むリサイクルショップに悪魔が入ったマグカップが流れてきた。「あのぉ……前の人間が願いを二つ叶えたから、あと一つだけどOK?」「かまわん。その二つの願いをキャンセルしろ」「りょ」悪魔は去り、超大型リサイクルショップが倒産した。詰めが甘いぜ。
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