![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/137389759/rectangle_large_type_2_884a9e5e66e509d949e66df9ff0d737b.jpeg?width=1200)
マイクロノベル集 296「飛ぶものの話」
No.1626
なつかしいなあ。久しぶりに実家に帰省したら、最寄り駅が昔のままだよ。ただ、鳩が減ってカラスばかりになっているね。群れになって一糸乱れぬ飛行を……おや、激しいターンを決めたぞ。「いけない、いけない。部屋着で飛び出しちゃった」なんだ、鳩か。
No.1627
猫は風の通り道を知ってるんだって。だからこんなに暑い日には、彼らは涼しい場所で手足を伸ばしてダラダラしてる。ほら、空をごらん。手足どころか胴体を伸ばした猫が風に吹かれて飛んでいるよ。アメダスをチェックしなきゃ。アレが降る確率100%だ。
No.1628
通学路に桜の花びらが舞っていた。美しい。まるで私の入学を祝うようだわ。でも、おかしいな。桜の木なんてないのに、どこから? 「ワープです! あなたの入学を祝い、時間と空間を超越したのです!!」ありがとう。余韻に浸りたいからちょっと静かにして。
No.1629
ああ、愚かな人類よ。お前たちの醜い努力が報われることはありません。なぜなら、今から私が世界崩壊のラッパを吹くから。さて、神様からもらった決行時間のメモは……あれっ、途中で落としちゃったかな? 「神からのお告げが下りました!」しまった!!
※noteだけで読める、このマイクロノベル集の続きはこちら。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?