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鍛錬の渋谷時代

歌舞伎町、木場の次は渋谷店へ異動した。

このお店の歴代店長はエリアマネージャーに昇進している人が多く、事業部のスター店舗だった。ちなみに、スター店舗は横浜・渋谷・池袋だった。年商が2億超える店舗のことを言っていたと思う。

前年の店長は圧倒的な成果を残し、エリアマネージャーへ昇進。その前年売上との闘いが始まった。

外的環境だと、ちょうど金の蔵270円均一がバズり始めた時代。

渋谷は特に単価が安く、値動きには敏感な街だった。

配属時には前年比70%と、木場店同様、どん底からのスタートとなった。

やったこと。とにかく集客。キャッチ。店内は回転数を意識。

夕方17時~明け方3時くらいまで毎日キャッチ。どの店舗より早く外にでて、どの店舗よりも遅くまでやる。雨でも雪でも台風でも出続けた。(もはや店長じゃないと思ったが、自分が集客することで売り上げあがり、アルバイトのシフトも確保できるならと奮闘)

営業前は、「法人営業」。渋谷のいろんな企業、お店にチラシなどを配って回った。何度かいくうちに顔見知りになり、深夜の予約がよく取れるようになった。

アルバイトの構成はほとんどがフリーターで生活が懸かっている子が多く、シフトはがっつり希望をだしてくる。そのためコントロールが大変。人件費に見合った売上を出すしかなかった。その中で、こちらが望むスキル、働きぶりをしてくれなかった子は何人かやめてもらったが。

とにかく毎日売上をどん欲に追い続けた。ここでもかなり精神が鍛えられた。

しかしこの店は、お客様の満足度が低かった。

2時間で退店させる。接客に笑顔はない。飲み放題に1人2品を必ずつけさせる。これらは繁華街の居酒屋に当時多くみられたローカルルールだった。

この当たり前をひっくり返せば、渋谷でもリピーターは作れるのではないかと試行錯誤した。

混んでないときの2時間退店廃止。これにより常に満席、待ちをつくって、席を空けてもらいやすくなり、店内が活況な空間になった。

笑顔がないスタッフはホールに出さない。ワンモアフード、デザートのおすすめのうまいスタッフを配置した。単価アップに成功。

飲み放題のしばりをやめて、2000円で飲み放題プラス料理〇〇品など単価で交渉に変更。あと何品頼まないととか無駄な計算、無駄な交渉がいらなくなった。

リピーターづくりで名刺配布(木場でやった方式)、渋谷で働いてる人中心に配ったので、その人が喜ぶサービスをいつでも受けられる券にした。それにより、深夜は常連様がコンスタントに来店し、深夜売上UP。

簡単に書いたが、この4つが根付くまで6ヵ月かかった・・・ローカルルールを覆すのは、アルバイトとはいえ、一人一人キーマンを説得していかないとうまく進まず、苦労した。が、結局みんなの理解を得て、最終的には、粗削りだが、まあまあの店にはなれた。。。

渋谷の一等地に店があったことで、芸能人、有名人もたまに来店し、ちらちら、みてしまっていたw 深夜セクシー女優様方にお座敷貸切っていただいたときは天国だった。

外でキャッチをしていると毎日誰かしら発見できた。そのあたりの視野の広さ、深さのスキルは間違いなくキャッチをすることで研ぎ澄まされた。

またうれしいことに、渋谷を歩いていると声をかけられることもあり、頑張ってよかった。と承認欲求が満たされた。

いい思いもこのようにしたが、成功するまでは、上司からの厳しすぎる指導を受け、プレッシャーとの闘いだった。毎日恐怖とやってやるぞという気持ちのぶつかり合いだった(これはマジ)。

「絶対に負けたくない」というマインドは何か月負けても消えなかった。月に何百時間働いたかわからない。労働時間なんぞ、みてもなかった。とにかく最初から最後まで店にいた。明日こそは勝つ。明日も勝つ。と朝もやの渋谷を毎日帰るとき思った。

配属から半年後、ついに、前年比を超えた時、上司に認められた時は半端なくうれしかったのを覚えている。一度超えると、木場の時もそうだが、車輪が回りだしたかのように、そこから半年勝ちが続いた。この頃、事業部のトップ店長の一人とささやかれ始めた。入社2年半だった。

「自分が負けを認めなければ負けではない。いつか勝てば、勝ちだ。やりつづけ、いつか1勝することに価値が生まれる」(誰かが言ってそうだけど自作です)

こんなことを考えた時には、店長としての自信もついて、上司にある提案をする。「新店をやらせてもらえないか?」

1年前にオープンした、秋葉原店をターゲットにした。新規出店がなかったので、一番新しかったお店が秋葉原店だったからだ。また、秋葉原の店長がエリアマネージャーへ昇進する話がでていたので、「やらせてください」と直訴して異動が決まった。

歌舞伎、木場、渋谷で培ったスキル、マインドの集大成。

「史上最強の居酒屋 かまどか秋葉原店を創り上げる挑戦」

次回こうご期待。


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