和代

宮崎県北部に暮らすWEBライター。現代俳句・短歌が好きでちょこちょこ鑑賞文(という名の…

和代

宮崎県北部に暮らすWEBライター。現代俳句・短歌が好きでちょこちょこ鑑賞文(という名の推しトーク)を投稿しています。ライターとしてのポートフォリオページURLはこちらです→ https://satokazuyo.edire.co/

マガジン

  • 句を読む(鑑賞)

    現代俳句から気に入った句の鑑賞文をぽつぽつ書いています。しっかりした感想文というより、ひとりごとや連想ゲームのような感じ。

最近の記事

  • 固定された記事

WEBメディア「閒(あわい)」に短歌を寄稿しました。「うす紅に包まる(短歌15首)」、今までに作った短歌を編み直した連作です。自分の書いてきたもの、これからも書いていくだろうものがふわりと表れているように感じて、面白い作業でした https://awai.jp.net/blog/tanka2-ks

    • edirecoでWEBライターとしてのポートフォリオを作成しました!もしご依頼いただける際は、こちらのページに貼っているGmailアドレスからご連絡いただけると助かります。このつぶやきへのコメントでも対応可能です✨ https://satokazuyo.edire.co/

      • Webメディア「閒」に短歌を投稿しました! 「ほのあかり(短歌5種」 https://awai.jp.net/blog/tanka1-ks

        • 句を読む―燻すが良けれ

          ワニ、、、。食べたことがない。 「きつとさう」というのだから、作者の村越さんも食べたことはないのだろう。食べたことはないけど「燻製したら美味しい」と、割と強い気持ちで思っている。「きつとさう」という言葉には、不思議な確信を感じる。 「きっと」と「たぶん」。近い意味の言葉だけれど、受ける印象は結構違う。この句だって「たぶんさう」だったら、だいぶ自信なさげになる。 「きっと」は、明るい言葉だ。音としてもか行・た行の響きと、はねる「っ」の音は軽やか。明るく肯定的な予想を感じる。

        • 固定された記事

        WEBメディア「閒(あわい)」に短歌を寄稿しました。「うす紅に包まる(短歌15首)」、今までに作った短歌を編み直した連作です。自分の書いてきたもの、これからも書いていくだろうものがふわりと表れているように感じて、面白い作業でした https://awai.jp.net/blog/tanka2-ks

        • edirecoでWEBライターとしてのポートフォリオを作成しました!もしご依頼いただける際は、こちらのページに貼っているGmailアドレスからご連絡いただけると助かります。このつぶやきへのコメントでも対応可能です✨ https://satokazuyo.edire.co/

        • Webメディア「閒」に短歌を投稿しました! 「ほのあかり(短歌5種」 https://awai.jp.net/blog/tanka1-ks

        • 句を読む―燻すが良けれ

        マガジン

        • 句を読む(鑑賞)
          49本

        記事

          句を読む―春らんまん、

          天王寺・王子・斑鳩。そして「春」。 なんて雅な文字列の並びだろう。 「一切」という強いワード、そしてすべて漢字表記であることが雅さを、というか「平安貴族感」を高めている。 「どこもすべて春であることよ」、異論は認めない。 宮崎の中学生は、だいたい修学旅行が関西方面だ。もしくが沖縄。 私の中学では、5月に奈良・京都・大阪を訪れた。 その頃にはもう体調を崩していたので、あまり記憶がないのだけど。 東大寺や興福寺をガイドさんに連れて行ってもらいながら、わざと列の後ろの方を歩い

          句を読む―春らんまん、

          句を読む―春をよろこぶ

          テーブルの上のピザ皿から、光があふれる春の野へ。 急なワープが楽しいなぁと思う。目の前30センチの視界から、野原を見渡す視点への移動に爽快感がある。 ピザ、ってなんとなく晴れやかな食べ物だ。どうしたって湿っぽくは食べられない。カラフルだし丸いし、だいたい複数人で囲んで食べるし。 ピザカッターの感触もいい。たららららっ、と転がっていく。 転がっていくピザカッターについていったら、春の祭りが始まるだろう。 (村越敦さんは、俳句会「澤」に所属する俳人です。1990年生まれ、私

          句を読む―春をよろこぶ

          句を読む―おいなりさんを囲む

          油揚げ。 どんな料理を想像しますか? 私がこの句を読んで連想したのは、おいなりさんでした。 春、と入っているからかな。お花見の席に合いそうなものを想像したのかもしれません。 おいなりさん、作るのが結構好きです。お揚げを甘辛く炊いて、椎茸とかにんじんを刻んだものも煮て、ご飯に混ぜ込んでお揚げに詰める。 うちのおいなりさんは三角です。 中身はお家によって結構違いますよね。うちは椎茸と人参を入れるけど、ご近所さんからもらったのは酢飯とごまだけだった。それも美味しい。 ふと

          句を読む―おいなりさんを囲む

          句を読む―気になる存在、に躍り出る

          なんてチャーミングな句…! 例えば、連休明けのオフィス。少し空いた時間に、同僚たちと連休の話をしたとき。 「連休何してましたー?」 「彼氏とディズニーランドに行ったんです~♡パレードでめっちゃ写真撮ったんですよぉ、見てくださいこれ~」 という、女性社員のマウント交じりのエピソードトークが始まる横で、中山さんは言うのです。 「わたし、スプーン曲げの練習してたら連休終わっちゃったんですよー」 コインは消せるようになったんですよ、ほら。と、手近にあった10円玉を消す中山さ

          句を読む―気になる存在、に躍り出る

          まるっと暗唱できる歌

          中学生のころ、夏の文庫フェアで平積みされていた桝野浩一『ショートソング』を手にとりました。 そこから少しずつ短歌を好きになり、今も地元の文学賞に投稿したりしています。 さっき、ふとしたきっかけで「謝られ」の方を思い出しました。結構頻繁に頭をよぎる歌で、きっと私の価値観の一端を作っているのだと思います。 「だれからも」の方もそう。私を鼓舞する歌の1つになっています。 ずっと、枡野さんの作だと思っていたのですが改めて調べてみると宮田ふゆこさんという方の短歌なのだそうです。 2

          まるっと暗唱できる歌

          エッセイを寄稿しました。 「宝探しと、宝だった時間のこと」 https://awai.jp.net/blog/essayks

          エッセイを寄稿しました。 「宝探しと、宝だった時間のこと」 https://awai.jp.net/blog/essayks

          AとB、どちらの考えも理解できるというのはつまり、私自身のことは誰にも理解してもらえないことを示すのだと思う。私は誰の仲間にもならない、なれない。 いつでもどこでも誰といても、私は私の「月の裏」にいる。 https://note.com/nagomnagom/n/necf39e3d09ce

          AとB、どちらの考えも理解できるというのはつまり、私自身のことは誰にも理解してもらえないことを示すのだと思う。私は誰の仲間にもならない、なれない。 いつでもどこでも誰といても、私は私の「月の裏」にいる。 https://note.com/nagomnagom/n/necf39e3d09ce

          句を読む―よそのお家は

          秋はじめ、うちにはあるだろうか。 オーソドックスに夕飯にサンマが並ぶと「秋が来たなぁ」と思うけど、この句のように「わけわかんない」ではないなぁ。 ガーデニングが趣味の母には、きっと「秋はじめ」がたくさんあるのではないだろうか。この花が終わったら秋、葉っぱの水分が減ってきたら、この虫が減ったら。植物と関わるのは季節に敏感になることでもあり、俳句向きの趣味だなぁと思う(母は俳句に興味がないですが)。 よそのお家の慣習って、だいたいわけわかんない。友達であっても、なんなら叔母の

          句を読む―よそのお家は

          句を読む―誇り高くあれ

          ロシアの民芸品、マトリョーシカ。 入れ子構造になった可愛らしい人形は、箱根細工の七福神人形がもとになった説もあるそうだ。 大きさこそ違えどフォルムは同じ人形は、それだけで一体感がある。 まさに「我々はマトリョーシカぞ」。1列に並んだ状態かもしれないけど、1つにまとめられた状態で士気を高めていると考えるのも面白い。 いや、士気ではなくて「秋気」なのだけども。 ひんやりとした秋の空気の中、マトリョーシカは誇り高い。 *** 現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読

          句を読む―誇り高くあれ

          2023年3月に読んだもの

          こんにちは。かずよです。 4月も9日が過ぎましたね。 月末に30歳になります。びっくり。本当ですか?のお気持ちです。 29になったくらいから、「私は本当に30まで生きてるのかな」と疑問でした。これ、だいたいもっと若い頃に抱く疑問らしいのですが、30歳を目前に控えたくらいから思うようになった。あまりにも現実感がなくて… どうやら本当になるようです(1か月無事でいれば)。 3月に読んだ本を紹介します。 5冊読みました。1冊漫画を入れていますが、今回は特別。面白かったのでお

          2023年3月に読んだもの

          句を読む―夏が終わる

          「秋立つ」、つまり立秋はもちろん秋の季語。 けれど実際には8月8日くらいだから、まだまだ暑い盛りだ。 だからこの「透ける肘」も、半袖やノースリーブで腕が出ているのだろう。 ジンジャーエールの薄い琥珀色。 現代人の感覚では、真夏の句にしてもしっくりくると思う。 だけどこれが「秋立つや」であることで、ある種の切なさが香る。 私の解釈では、主体と向かい合う女性の肘が透けているのだと思っているのですが、どうでしょう。 ノースリーブワンピースとか着ている女性が、テーブルに肘をつい

          句を読む―夏が終わる

          句を読む―もうすぐ春ですし

          「曖昧に踊り始める」が好き。 梅も美しいし春も来るし、あらら身体が動いてしまうわ楽しいわ、という空気が感じられる。 こう書くと、お花見の宴会のどんちゃん騒ぎのようだけど作品からはもっと雅な感じがする。 ネクタイを巻いた酔っ払いも青いビニールシートも感じられない。 梅の妖精みたい。天女の舞のように、優雅で美しい。 もうすぐ春を迎える青空のもと、宴で天女は舞い始める。 父の実家のあった山にはたくさんの梅の木がある。 山奥でも天女の宴が開かれているかな。 *** 現代俳句

          句を読む―もうすぐ春ですし