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句を読む―春をよろこぶ

ピザカッター皿をはみ出し春の野へ

佐藤文香 編『天の川銀河発電所』より
「村越敦」

テーブルの上のピザ皿から、光があふれる春の野へ。
急なワープが楽しいなぁと思う。目の前30センチの視界から、野原を見渡す視点への移動に爽快感がある。

ピザ、ってなんとなく晴れやかな食べ物だ。どうしたって湿っぽくは食べられない。カラフルだし丸いし、だいたい複数人で囲んで食べるし。
ピザカッターの感触もいい。たららららっ、と転がっていく。

転がっていくピザカッターについていったら、春の祭りが始まるだろう。

(村越敦さんは、俳句会「澤」に所属する俳人です。1990年生まれ、私の3つ上)

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
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私が読んでいるのはこちらのアンソロジーです。


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