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句を読む(鑑賞)

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現代俳句から気に入った句の鑑賞文をぽつぽつ書いています。しっかりした感想文というより、ひとりごとや連想ゲームのような感じ。
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記事一覧

句を読む―燻すが良けれ

ワニ、、、。食べたことがない。 「きつとさう」というのだから、作者の村越さんも食べたこと…

和代
7か月前
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句を読む―春らんまん、

天王寺・王子・斑鳩。そして「春」。 なんて雅な文字列の並びだろう。 「一切」という強いワ…

和代
7か月前
11

句を読む―春をよろこぶ

テーブルの上のピザ皿から、光があふれる春の野へ。 急なワープが楽しいなぁと思う。目の前30…

和代
7か月前
11

句を読む―おいなりさんを囲む

油揚げ。 どんな料理を想像しますか? 私がこの句を読んで連想したのは、おいなりさんでした…

和代
8か月前
4

句を読む―気になる存在、に躍り出る

なんてチャーミングな句…! 例えば、連休明けのオフィス。少し空いた時間に、同僚たちと連休…

和代
8か月前
9

句を読む―よそのお家は

秋はじめ、うちにはあるだろうか。 オーソドックスに夕飯にサンマが並ぶと「秋が来たなぁ」と…

和代
1年前
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句を読む―誇り高くあれ

ロシアの民芸品、マトリョーシカ。 入れ子構造になった可愛らしい人形は、箱根細工の七福神人形がもとになった説もあるそうだ。 大きさこそ違えどフォルムは同じ人形は、それだけで一体感がある。 まさに「我々はマトリョーシカぞ」。1列に並んだ状態かもしれないけど、1つにまとめられた状態で士気を高めていると考えるのも面白い。 いや、士気ではなくて「秋気」なのだけども。 ひんやりとした秋の空気の中、マトリョーシカは誇り高い。 *** 現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読

句を読む―夏が終わる

「秋立つ」、つまり立秋はもちろん秋の季語。 けれど実際には8月8日くらいだから、まだまだ暑…

和代
1年前
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句を読む―もうすぐ春ですし

「曖昧に踊り始める」が好き。 梅も美しいし春も来るし、あらら身体が動いてしまうわ楽しいわ…

和代
1年前
15

句を読む―敵わなかったあなた

「つちふる」。何だか分かりますか? 私は今、初めて知りました。 漢字では「霾」。黄砂のこ…

和代
1年前
11

句を読む―あふれて止まらなかった

大胆な句だなぁ、と思う。 私は短歌をつくるのですが、31文字の中では表現したいことを詰め込…

和代
1年前
9

句を読む―確かにあった瞬間

家族なのか、恋人同士なのか…とにかく関係性が好きな句だ。だじゃれを互いに言い合って、じゃ…

和代
1年前
7

句を読む―決意を乗せて

夏の朝、霧が立ち込めるなかを馬車がことことと進む。 馬車だし、「とっとことっとこ」くらい…

和代
1年前
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句を読む―春の夜のふたり

この記事を書くときにいつも見ている季語のサイトによると、歳時記の表記では「春灯」は「しゅんとう」と読むらしい。春の夜にともす灯りのこと。 けれどこの句では、リズム的に「はるあかり」と読ませる気がする。 ちょっと、艶っぽい雰囲気をまとった語なのだそうだ。例に挙げられている句も少しセクシー。 でも、この句はセクシー? 女友達と夜を過ごしている、という読みもできるけど、どちらかといえば「音楽友達におすすめの曲を勧め合っていたら夜が更け、気づいたら友達が寝ていた」という感じ。私の