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句を読む―確かにあった瞬間

だじやれに次ぐだじやれのただなか花火

佐藤文香 編『天の川銀河発電所』より
「小川楓子」

家族なのか、恋人同士なのか…とにかく関係性が好きな句だ。だじゃれを互いに言い合って、じゃれあいながら花火をしているのが目に浮かぶ。

「花火」とあるから、打ち上げ花火っていう解釈もできる。けれど私は断然手持ち花火として読みたい。「だじやれにつぐだじやれ」だもの。
打ち上げ花火だとうまく想像できないし、大きな花火は静かに見たい。

だじゃれを言い合いながら花火をする。家族でも、恋人同士でも、サークルの仲間でも。大切な人たちと過ごした時間を、花火の輝きとともに記憶する。花火が消えても時間が流れても、確かにそこに私たちはいたのだ。

(小川さんの第一句集です。この句が入っているかは分からなかったんですけど、入ってるといいなぁと思う。すごく好きです)

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。


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