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バス旅行添乗員として得たレジリエンスと、多様なプロ達とのコラボ経験

日々仕事をする中で、「もっとこの部分学びたい」とか「私にOOO力があれば・・・!」と自分の力不足を痛感する場面は多々あるわけですが、一方で「これができてよかった」と自分なりに納得できることもあったりします。

そういうのって大体、過去の経験で身についたことが元になっていたりしますよね。

2001年に大学へ入学してからこれまでの20年間、その時々で良いご縁をいただきながら様々なことを経験してきました。

バス旅行の添乗員、海外向けウェブマーケティングを専門とするITベンチャーで広告営業、大手料理教室での料理講師、日本食品の海外輸出を振興する組織での職員、海外での料理レッスンイベント、NPO法人の経営、食品メーカーのマーケティングお手伝いなどなど。

こうして書き出すとなんだか色んな職を転々としたように見えますね(^^;

でも実際には時期的にかぶっていることが多々ありまして、いわゆる複業、パラレルキャリアの20年を歩んだともいえます。

パラレルキャリアとは、P・Fドラッカーが『明日を支配するもの』(ダイヤモンド社)で紹介した考えで、「本業を持ちながら、第二のキャリアを築くこと」と定義されています。ーHR NOTEから引用

それから、2011年以降後半の10年は完全にリモートワーク。海外移住をしたり母になったりというライフイベントもありつつの歩みでした。

ここで一度私の働き方をnoteで綴っておくことで、もしかしたらこれから多様な働き方を模索していく方にとって少しでもヒントになることがあれば、とも思い、少しずつ整理して綴ってみることにしました。

どうぞお付き合いくださいませ。

バス旅行添乗員として得たレジリエンスと、多様なプロ達とのコラボ経験

まずは18歳〜22歳までに経験したバス旅行添乗員時代の話から。

私は大学1年生の秋から卒業直前まで、学業の傍らアルバイトとしてバスツアーの添乗員をしていたのですが、この経験からはレジリエンスと協働(コラボ)経験が今でもめちゃくちゃ武器になっているなぁと感じています。

レジリエンス

レジリエンスとは「困難や脅威に直面している状況に対して、うまく適応しながら成長する能力」のこと。「折れないこころ」なんて言われたりもしています。

レジリエンス(resilience)とは、社会的ディスアドバンテージや、己に不利な状況において、そういった状況に自身のライフタスクを対応させる個人の能力と定義される 。 wikipediaより抜粋

平日は観光学部生として大学に通い、土日や連休にはバスツアーの添乗員をしていて、日帰り、宿泊含めて通算100回以上のツアーに添乗しました。

1台のバスは45人乗りで毎回ほぼ満席なので、3年半でのべ4,500人のお客様と対面したことになります。

お客様の大半は、大学生当時で自分の親と同じくらいかそれ以上、つまり50代以上のおじさまおばさま方でした。

早朝6時頃にお客様をバスにお迎えし、そこから観光地を転々として決められたツアー内容を完全に遂行し、最終的に最後のお客様をお見送りするのがだいたい夜の20時から21時ころ。(土日、行楽地から帰りは渋滞に巻き込まれるが常なのです。)

40人以上のお客様とそれだけの長時間一緒にいるので、それこそいろんなタイプのお客様と向き合うことになります。

もちろん普通に優しく接してくださる方も大勢いるのですが、中には「これぞクレーマー」みたいな、朝いちからなぜか機嫌が悪くていちいち文句を言ってくるおじさんや、高速の渋滞に巻き込まれているのに「子供がトイレ行きたい」的な無理難題を相談してくるお母さん、「ツアーの昼食に期待していたのに、他のツアー客達がうるさくて食事を楽しめなかった」と伝えてくるお客様。

私自身の対応に落ち度があるとか、なんとか私が解決してあげられるような内容ならばいざしらず、直面するクレームやトラブルの大半は私自身ではどうしようもないことばかり。基本的に、理不尽案件ばかりなのです。

それでも逃げ出すわけにもいかないし、他の人にも代わってもらえない。その場で私自身がなんとかするしかない。

正直、キツイお客様の一言で溢れる涙を隠すためにバスの最前列に座り天井を眺め続けたことも何度もあります(笑)

それでも何とか対応をすることで、最終的にはお客様が「(色々あったけど)楽しかった、総合的には満足だな」というポジティブな感想を持ち帰ってもらうことをゴールにするにはどうすればいいかしらね、というコミュニケーションをずっと続けていたんだと思います。

最初の頃は本当に毎度泣きそうでしたが、とにもかくにも世の中にはいろんなタイプの人がいるんだよねということに徐々に慣れ、何があっても笑顔で対応できる図太さを持ち合わせて仕事をする能力が身についたのは間違いなく、これがレジリエンスというものかと思っています。

添乗員時代から10年以上経ったNagomi Visitのお仕事場面でも、クレーマーはほとんどいませんが、やはり考え方の異なる方や言葉のキツイ方に対応する場面、誤解が生じてしまった相手に対応しなくてもいけない場面もゼロではありません。

そんな時、自分の根本的なところにレジリエンスがあると信じられるからこそ様々なステークホルダーに対して、誠意を持って冷静に接することができるのかなぁと感じます。

それから、人に対してだけでなくピンチな状況に対しても。

今回のコロナという困難な状況に対しても、レジリエンスは我ながら発揮できている気がしています。

多様なプロフェッショナルとのコラボ経験、100連続

それからもう1つ。この添乗員時代に得たことがあります。

バスツアーって、添乗員の他にバスのドライバーさんとバスガイドさんが乗っているのがデフォルトです。

添乗員:旅行会社が企画し販売するパッケージツアーまたは団体旅行に同行し、旅行計画に従ってツアーが安全かつ円滑に運行されるように交通機関や各種施設との調整や対応を行い、旅程を管理する。
バスガイド:観光地にまつわる情報を提供したり、車窓から見える景色を案内しながら、お客さまを楽しませる。バスのバック誘導、車内点検など運転手をサポートする役割も。
ドライバー:観光バスを運転し、旅行会社などが設定したコースにお客様を連れていく。単に目的地へとお客様を運ぶだけでなく、窓から見える景色を楽しんでもらうことも意識。

ガイドさんとドライバーさんは同じバス会社の同僚同士ですが、組み合わせが決まっているわけではなくて、毎日誰と組むのかは変わります。そして添乗員は旅行会社の所属なので、仕事の度に「今日はどの会社のどんな人達(ドライバー&ガイド)と仕事をするのか」も毎回変わります。

そんな3人が協働して、その日のツアーを進めていきます。

基本的には当然各々が上記のような役割で仕事をするわけです。が、割と頻繁にピンチな事態も起こります。

例えばですが、「今日はゴールデンウィークの初日だから、高速道路に入る前から早速大渋滞。もともとの工程通りに進むとしたら、昼食場所に到着するのは夕方の16時近くになりそうですよね、、そして帰りの高速も確実に渋滞。さてどうしましょうね・・・?」という感じ。

そんな時は、添乗員がドライバーさんにアドバイスをもらいながらトイレ休憩をどこにするか決め直したり、渋滞を迂回できる可能性を話し合ったり旅程の順番を組み替えることを3人で相談したり、同じツアーを回っている他のバスや添乗員と連絡を取り合ったりするなどしてベストエフォートを探ります。

行き先や順番を変えるごとにお客様への説明も必要なので、ガイドさんと一緒に説明をしたり、バスの雰囲気を盛り上げたりというのも仕事の一部。

毎回ここまでエキセントリックなことが起こるわけではないけれど、基本的にはこんな感じで3人がそれぞれプロとして協働していく仕事でした。

そして、ドライバーさんもガイドさんもやっぱり色んな人がいるわけで。若くて優しいドライバーさん、気の強いベテランさん、強面の方、無口な方。ガイドさんも、若くて経験が浅い方、お客様の前では笑顔だけどその他の場面ではめちゃくちゃクールな方、百戦錬磨のベテランさんまで。本当に様々な方がいました。

年齢も性別も経験も様々な人たちと、自分自身も1つの役割を担いながら100回以上こういうコラボレーションを経験したことは、その後に大きく役立っているなぁと感じます。


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