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ここで改めて、経験価値について。

最近、CXに関する自分の知識を改めて体系化しておきたいなと感じるようになり、CXに関する本を一気読みしています。

本を読むことで具体的な施策を知りたいというよりも、これまで私自身がNAGOMI VISITでホームビジット事業を運営するにあたり実践してきたCX施策やCXのそもそもの考え方について「これでよかったんだっけ?」と答え合わせをしたい、という目的です。

改めて体系的に読み進めることで、すごく勉強になっています。

ちなみに、最初に挙げた「The Experience Maker」は英語ということもあって最初はKindleで読み進めたもののなかなか捗らず、途中からAudibleも追加し二刀流で。

最後に挙げた「CX(カスタマー・エクスペリエンス)戦略―顧客の心とつながる経験価値経営」では「CXとは何か」に対して「心理的・感情的な価値」を提供することと定義していて、その考えがバーンド・H・シュミットの定義を元にしていたことから、自分自身の知識とかぶる部分が多く、改めて知識の振り返りにもなりました。

そこで、備忘録的に自分自身の経験価値マーケティングとの出会いや、なぜNAGOMI VISITでCXに注力したのか、という点を残しておこうと思います。

経験価値マーケティングとの出会い

今から20年ほど前の学生時代、観光学部に所属していた私が入っていたゼミでフィリップコトラーの「マーケティング・マネジメント」や「ホスピタリティと観光のマーケティング」などを通じて、マーケティングの基礎やホスピタリティ領域特有の取組事例を学びました。

そんな中で、特に自分の中で「これめちゃくちゃ面白い!!」と感じたのが経験経済の概念です。

商品やサービスはいずれコモディティ化してしまう。これからの時代、経験こそが差別化要因になるよ、という話。今となっては「モノ消費からコト消費へ」という文脈で語られて久しいですが、時期的にはそのコト消費が注目され始めた頃のことです。(もはや20年も前ですからね・・・

当時、大学2年生か3年生だったと思います。ホスピタリティマーケティングを扱う授業の中で知ったのですが、夕方近くで出席者も少なめのその日、教授の説明を聞いた時に感じたワクワクする興奮は今でも忘れられません。

正直に言って、私の大学生活4年間で得た【知識としての学び】はこの日この時に得た経験経済の概念が一番大きいと思っているほど。その後の自分に大きく影響しています。

当時の教授が説明していた元ソースは「経験経済」という本。でも、自分でも読みたいと思った時には日本語版が絶版になっていたので読むことができませんでした(泣)

ちなみに、「読みたいのに買えない、欲しい!」と思い続けていたので、社会人になってから復刊したことを知り、思わずポチってしまいました。

学生時代に経験経済を読めなかったこともあり、じゃあその周辺を漁ろうと思って知ったのがバーンド・H・シュミットの「経験価値マーケティング」でした。

ここでは、消費者が感じる「+α」とは何か?が言語化されています。

元々、観光やホスピタリティを学ぶ授業の中で「サービスとホスピタリティの違いは何か」という話があって、そもそもこの2つが違うということは理解していたのだけれど、ホスピタリティやおもてなしについては事例を聞いてもどうも「気が利くという性質を兼ね備えている一部のスタッフだけが発揮できるものなんじゃないの?かなり属人化しているものなんじゃないの?」という感覚があったんです。

でも、経験価値マーケティングの考え方は「ホスピタリティ」「おもてなし」を再現できる、具体的なアプローチなんだねと理解することができて、とても腹落ちしたのを覚えています。

そこからさらに、「じゃあ、この理論を実際の現場に落とし込んだらどうなる?」と考え始めるようになり、最終的には学生時代にインターンとして関わっていたバリ島のダイビングショップが経験価値マーケティングを取り入れるとしたらどんな施策ができるか?を卒論のテーマにしてまとめたりしました。

・・・というような経緯で、私の中にはこの経験価値マーケティングの考え方はかなり早い段階からインストールされていたように思います。

NAGOMI VISITでなぜCXが必要だったのか

学生時代の学びから約10年経ったころにNAGOMI VISITでホームビジット事業に取り組み始めたわけですが、一貫してCX施策に取り組んだ背景には2つの理由があります。

【コト消費ビジネスとしての差別化】
ホームビジットが観光客にとってのアクティビティなので、ホスピタリティが存在していることは必須。かつ、訪日外国人旅行者(インバウンド)マーケットで経験(=コト消費)を提供するのであればやはり経験価値(=CX)を意識しないわけにはいかない。
【日本側ユーザーのリテンション目的】
非営利組織なので、必然的にソーシャルインパクトを追い求める事になる。ホームビジット事業でのソーシャルインパクトは「1人でも多くの日本側ユーザーが、いかに継続してホームビジットの受け入れをし、国際交流経験を積むか」という点にある。いわゆるリテンションが重要。なので、団体への信頼や愛着を深めてもらい個々人が活動を継続したくなる仕組みづくりは丁寧なCX施策があってはじめて成り立つ。

と、諸々まとめていたらあっという間に2,000字を超えている・・・!

お付き合いくださりありがとうございました。
頭の中の整理、もう少し続けてみようと思います :) 


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