おしゃれは人の意識も、時代も変える
池袋を歩いていた時のこと。明るい色の服を着てにこやかに談笑している女性たちがいた。
綺麗な人たちだな、と横目で見ていたら、スクールバスが止まった。
特別支援学校のバス。これまた可愛いメガネの女の子がニコニコと車椅子でバスから降りてきた。
一人のお母さんが「また明日」とお辞儀して、女の子と一緒に帰って行った。
そんな様子を微笑ましく眺めながら、時代は変わったと思った。
私が子どもの頃、ウン十年前も、障害を持つお子さんのお母さんたちはいた。
当時の障害を持つお子さんのお母さんたちは、みんな控えめな服装をしていた。
我が子の身の回りの世話にすべての時間を注いでいて、子どもながらに大変そうだなぁと思っていた。
昔のお母さんが置かれていた状況は、今のお母さんよりも厳しかったのかもしれない。
とはいえ、今のお母さんも、苦労をされているだろうし、悩むことも多いだろうと思う。
それでも、おしゃれをして、お化粧をして、明るい表情でいるところに、
今のお母さんたちのとてつもない強さを感じる。
お母さんたちが綺麗にしていることで、私たちの意識も変わる。
女性である私たちには、障害のある子を持つことに対する不安が常につきまとう。
私のように、年齢が上がるとなおさらのこと。
でも、お母さんたちが輝いていることで、
障害のある子を持つその先にも、きっと幸せな人生が待っていると思わせてくれるのだ。
美しくいようとすること、明るい雰囲気でいようとすることで、
周りの人の意識が変わる。
周りの人の意識がどんどん変わっていけば、
時代が変わる。
今からの人生に何が起こっても、そのことを心に留めておきたいな。
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