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3ヶ月かけて読んだ小説

数ヶ月前のこととなると記憶が定かではないのだけど、おそらく9月頃だったと思う。


あさのあつこさんのNo.6という小説を読み始めた。全9巻のシリーズもの。それを先日読み終えた。毎晩寝る前のおともに読んでいた。続きが気になるので、この3ヶ月間はNo.6を読むのが1日の終わりの楽しみになっていた。それが3ヶ月も続いていたのだから、読み終えると少なからず寂しさを感じる。


社会人になってというか、ここ数年の間に読書好きになった。今では、夜寝る前に本を読むというのが習慣になっている。といっても、シリーズものの小説を3ヶ月という長い時間をかけて読んだのは、今回が初めて。


読み始める前は、9冊も全部読めるか疑っていたけど、1巻を読んだ時から物語に引き込まれた。こんなにも面白い小説は初めてかもしれない、と思うレベルに私にとってはすごく面白い物語だった。


全9巻を読み終えて、記憶が残っている間に、No.6を読んだ感想を書こうと思う。





ざっくりあらすじ

未来を描いたSF小説。地球環境が悪くなり過ぎて、人類は地球に住めなくなってしまった。地球環境に近い場所が見つかったので、「No.6」という都市を開発し、人類はそこに住むようになった。「No.6」は、誰もが不安や悩みを抱えることなく、幸せに生きられる理想都市だった。そのはずだった・・・。とある夜中に、主人公は一人の少年を助ける。その少年との出会いをきっかけに、主人公の人生は変わっていく。そして、理想都市とされていた「No.6」の真実が見えてくる。

ネットから引っ張ってきたあらすじではなく、私が勝手に書いたあらすじなので、詳しいあらすじが知りたい方は、検索してみてください😁




感想・学び・気づき

・想像力がMAX

まず、こんなにも想像力を掻き立てられた小説は初めてだった。SF小説ってこんな感じなのかな?これまで読んできた小説は、自分の生活に身近な物語を好んで読んでいたので、想像しやすかった。でも、No.6は、文章で説明してあるとはいえ、自分の頭の中でNo.6の世界を想像するしかない。普段の暮らしの中での想像力というと、相手の気持ちを想像するとか、自分の理想の未来を想像するとか、そういった現実的な想像がほとんど。今まで見たこともないことをゼロから想像するのは、これまでにはない感覚で、面白かった



・フィクションでは留まらない

「フィクションだし…」「未来の話だし…」ではおさまらない物語。2003年に第1巻が発売されていて、この小説が書かれたのは今から20年前になる。当時は、未来の話として描かれていたのかもしれないけど、それから20年が経った今、本の中で描かれていることは、現実に起こっている、もしくは現実になるのはそう遠くないだろうと感じることがたくさんあった。

貧困・格差社会・戦争・ウイルス・情報操作・思考停止・・。

20年前からこれほどに未来を想像して物語を描いたあさのあつこさんは、預言者なんじゃないかって思う。



・見える世界が広がる

No.6で描かれる物語を通して、貧困の中で生きる人々、格差社会の中で生きる人々の心情や思いが今までよりもリアルに感じられ、考えられるようになった気がする。

貧困や格差社会、戦争が今こうしている間にも起きているというのは、テレビや本などを通して知っている。そういった現実があることを知ってはいるものの、そこで生きてい人たちの心情や暮らしまではわからない。

物語の中に、幾度となく貧困の中で生きる人々の心情や暮らしが描かれていた。あさのあつこさんは、そういった環境の中で暮らしたことがあるのかなってほどに、ここまで入り込んで描くことができることもすごいなと思った。

テレビのニュースで戦争や貧困の中で生きる人々の映像を見るよりも、No.6を読む方はよっぽど心に響くものがあった。小説ってすごい。


毎日食料の心配なんてすることなく、美味しい食事ができること
蛇口をひねれば清潔な水が出ること、お湯が出ること
雨風をしのげる住居があること
寒くなれば湯船に浸かり、暖かいベッドで寝られること
怪我や病気をした時は、すぐに治療が受けられること


日本では当たり前のことが、場所が変われば当たり前でなくなる。読み終えたばかりだからかもしれないけど、お湯が出るありがたさ、美味しい食事が出るありがたさ、暖かい布団で寝れるありがたさを感じるようになった。同時に、毎日お風呂に入れない人がいること、今日の食料があるかどうかわからない、凍えるような寒さの中で毎晩過ごし、毎日生きるか死ぬかの状況にいる人たちが、世界にはいるということ。

この現実を知り、自分がどうこうできるというわけでないものの、そういう状況で生きる人々に、以前よりも思いを馳せることができるようになった気がする。



自分で考え自分で答えを出す

主人公が何度も自分自身に言っていた言葉。それは、今の時代に生きる私たちにも大いに言えることだと思う。今の時代、ネットで検索すれば簡単に答えに辿り着くことができる。でも、ネット社会に依存するようになった先には、あまりいい未来が想像できない気もしている。

情報・音楽・欲しいもの・観たい動画・映画。一度検索すると、AIによって、似たコンテンツが山ほどオススメされる。自分の思考を、好きなことを、自分自身で選び見つけることの方が難しくなりつつある。


そういう時代に生きる私たちに必要なこと、大事にしたいこと、見失ってはいけないもの。きっとあるはず。そういったことも考えさせられる物語だった。




紹介した本

No.6 #1/あさのあつこ


No.6 #1/あさのあつこ ※文庫本






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