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小説「家族と呼ぶ日」

【あらすじ】
小学五年生になる愛海(まなみ)は学校で「家族」についての作文課題が出て、頭を悩ませていた。というのも彼女の家庭は事実婚で、今の父親ガブリエルは四人目の父だったからだ。
これはまだ大人の世界に足を踏み入れていない小学生が、それでも必死に家族というものについて調べ、考え、自分なりの答えを見つけるヒューマンドラマである。

【備考】
・本作は超・妄想コンテスト「○○になりたい」応募作品です。
・本作はコンテスト期間終了後に非公開になる場合があります。

【データ】
総文字数:8000字
バージョン:v1.0.1
公開日:2023.01.29
更新日:2023.01.29

【リンク】
エブリスタ
小説家になろう
カクヨム
アルファポリス
魔法のiらんど

【作品冒頭】

 小さい頃は全然気にならなかったものが、いつの間にかどうしようもなく目に付いたり、鼻に付いたり、違和感になったりすることがある。この春から小学五年生になった岩城愛海(いわきまなみ)も、そういう違和感を覚える年齢に差し掛かっていた。
「どうしたんデス、マナミ?」
 食卓に並ぶのはご飯ではなくフランスパンのスライスで、それに母手製のラズベリージャムを塗り、愛海は口に運ぶ。その眉根がきゅっと寄っているのは味が苦手だからとか、そういった理由ではなく、笑みを浮かべる母と父の二人が、娘を前にしても平気でチュッチュと音をさせながら口づけを交わしているからだ。

小説「家族と呼ぶ日」1より

#小説 #短編 #ヒューマンドラマ #家族 #小学生 #事実婚

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