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小説「NTRと云ふもの」
【あらすじ】
男性が絶滅した世界。中高一貫の私立学院で寮生活を送る櫻井アユミ、美樹本好美、畑毛宏海の三人は、深夜に第二図書室に忍び込む。そこで貴重になった紙の本を見つけたが、NTRという謎の暗号があり、それが何なのかと考え始める。
これは一旦消えてしまった言葉の意味を、見つける物語でもあり、その真の意味を知る物語でもある。
【備考】
・本作はエブリスタ超・妄想コンテスト「泥棒」応募作品です。
・コンテスト期間終了後、非公開になる場合があります。
【データ】
文字数:約8千字
バージョン:v1.0.0
公開日:2022.10.16
更新日:2022.10.16
【作品冒頭】
深夜の学校に忍び込むのは生徒会の放課後のお茶会に呼ばれることよりもずっと、私たちにとっては胸がぞくぞくとする行為だった。
「ねえミキティ。本当に見つからないよね? 監視カメラ、クラックしておいたのよね?」
私は眼鏡を僅かに持ち上げてニヤリをしただけの彼女に「本当?」と念を押す。「アユ殿は心配性ですなあ。この美樹本好美、いつもぬかりはありませぬ」
ほっほ、と笑う癖だけは受け付けないが、頼りになる戦友だ。
非常灯だけの廊下を足音に気をつけて歩いていくと、突き当りに一枚のドアがある。今時珍しい木製のドアノブがあるタイプだ。合鍵は前回来た時に型を取り、作っておいた。今日こそはこの第二図書室に忍び込めるはずだ。
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