道化詩
道化が全て良いものだとは思わぬが
道化で誤魔化す真実もあり
そこに人がいようがいまいが
放たれた道化は踊り狂って世を渡る
嘘か本当かはたまた今か
道化は狂ったまま世を伝う
伝って伝って着いた先に
叩かれる未来があるのかそれとも
道化師のような機転はきかぬが
道化師のような心持ちでありたい
さすれば幾分身も穏やかに
けれどどこか残酷であり
人の世を生き
生き抜く術に道化を選んだ者は
強くまっすぐ芯を持つ
1年に1度の道化の日
人々は踊るように悪戯をして
狂ったように徘徊する
願うことといえば
人としての心を失わぬこと
道化に飲まれた者は幸せになれぬと
道化を操る者こそ真の道化師と
どこぞの誰かがそう呟いて
夜は更けていく
夜は明けていく
置き去りにされた道化の残骸が
悲しく嘆き呻く朝がくる
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?