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3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その0

北海道のブラスバンド

 北海道のブラスバンド*1 はヤマハが推奨していた編成の一つとしての小学生の活動が始まりです。1970年(昭和45)頃から多くの小学校への金管楽器の導入が行われ、それがトランペット鼓隊そして金管バンドへと発展していきました。
 北海道吹奏楽コンクールで小学校の部が開始されたのは1983年(昭和58)です。ブラスバンド(金管バンド)編成の千歳市立北栄小学校(53人)が演奏したのは、ヤマハが出版していた「ブラジル(A.バローゾ/岩井直溥)」です。北海道大会小学校の部でのブラスバンド演奏曲はヤマハ教販の楽譜を使用するのが主流でしたが、1987年の札幌市立北の沢小学校の「3つの讃美歌メドレー G.ラングフォード」がブリティッシュ・ブラスバンド譜を使用した最初の演奏ではないかと記憶します。それ以後北の沢小を含むいくつかの学校がブリティッシュブラスバント譜を使用して「吹奏楽のための第1組曲より G.ホルスト」「祝典のための前奏曲 E.グレッグソン」「ランド・オブ・マイ・ファーザー G.ラングフォード編」「コンサート・プレリュード  P.スパーク」「ジュビリー・オーバチュア P.スパーク」「イギリス民謡組曲より R.V.ウィリアムズ」「ザ・プライズ・ウィナーズ  P.スパーク」等を1991年の北海道大会までに演奏していました。
 筆者は1992年(平成4)からブラスバンド編成の網走小学校に勤務することになり、コンクールでブラスバンドが演奏する自由曲を選ぶことになりました。その当時ブラスバンド曲に関する情報はインターネットが普及する以前のことでもありとても限られていて、手がかりは 1.他校の演奏 2.ヤマハのカタログ 3.共同音楽出版のカタログ 4.アカデミアミュージックのカタログ 5.ミュージック8のカタログ のみだったと記憶します。1994年(平成6)頃になりデ・ハスケ社(オランダ)の日本語カタログ冊子(テーヌ商会)もブラスバンド曲に関する大きな情報となりました。

コンクールで演奏したブラスバンドの曲

 記憶も定かでないことばかりですが、1995年頃にはブラスバンドCDを大量に購入するようになっていて、その中からメンバーの技術力にあうと思われる曲を選ぶことも考えるようになりましたが、選曲のための情報はまだまだ限定的な状況が続いていました。インターネットから情報が得られるようになるのは、直接的なバンド指導から離れてしばらくしてからという印象です。

1992(平4) 喜歌劇「天国と地獄」よりメヌエットとギャロップ J.オッフェンバック
 アカデミアミュージックのカタログから手当たり次第に数曲購入して、その中からメンバーの技術力にあうと思われる曲を選びました。ソロコルネットのパート譜にコンダクターと記されている楽譜でしたので、パート譜からフルスコアを手書きで作成しました。

1993(平5) 三つの賛美歌メドレー G.ラングフォード
 当時北見にあった北海楽器を通して購入しました。指揮用の楽譜は、in B♭で書かれたコンデンススコアでした。ブラスバンドの指揮譜には他の曲でもin B♭コンデンスを見ました。もちろんパート譜からフルスコアを手書きで作成しました。

1994(平6) ウェールズの歌 A.O.ディヴィス
 後藤洋編曲のヤマハの楽譜を使用しました。1988年 (昭和63年)以後あちらこちらで演奏されていました。後藤洋氏手書きフルスコアでした。

1995(平7) ジュビレーション J.カーナウ 
 テーヌ商会から購入したカーナウ曲集CDの中から選びました。フルスコア付きです。

1996(平8) コンバージェンツ F.チェザリーニ
 テーヌ商会のハスケ社カタログから購入したと記憶します。フルスコア付きです。

1997(平9) ウエストサイド物語より L.バーンスタイン
 1992年にアカデミアミュージックのカタログから購入した楽譜の1つだと記憶します。パート譜からフルスコアをコンピュータ浄書しました。

1998(平10) イギリスの海の歌 G.ラングフォード 編曲
 共同音楽出版かアカデミアミュージックカタログか記憶は曖昧です。 パート譜からフルスコアをコンピュータ浄書しました。

インターネットの普及

 1997年にはマックを購入し、それまで手書きで作っていたコンクール自由曲フルスコアをコンピュータ浄書化しました。その後、電話回線を用いてニフティサーブ(パソコン通信サービス)からブラスバンドに関連する知識等が得られると知りインターネットとの関わりが始まりました。当初は、電話回線を使うダイヤルアップ接続という方法で、通信速度がとても遅い上、利用する時間に合わせて料金が発生するため、文字情報中心のやりとりが一般的でした。

 1999年(平12)に始まったNTT東日本が始めたISDNの定額料金制サービス、そして2000年(平13)3月からの料金を引き下げによって我が家のインターネット利用が本格化しました。

ブラスバンドの情報

 その後少しずつではありますが、インターネットから様々なブラスバンドや吹奏楽の情報が得られるようになり、近年になり楽譜の情報やブラスバンドの発達史、楽器の発達史、そしてイギリスの全英ブラスバンド選手権が5つのセクションに分かれて開催されていることやブリティッシュオープンという今年で169回目の開催を迎えるコンテストが開催されていることも身近に知ることができるようになりました。
 何かすごい時代になりました。

   
           


*1 「ブラスバンド」は金管楽器と打楽器で編成されたバンドのこと。木管楽器も加わるいわゆる吹奏楽のことはこの項目では含みません。




「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その0」
 ・筆者がコンクールで選んだ曲

「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その1」
 ・全英・オランダ・ドイツ・ノルウェーのブラスバンド選手権課題曲

「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その 2」
 ・スイス・フランス・ベルギー・オーストラリア・オーストリア・デンマーク・スウェーデン・北アイルランド・北アメリカ・ニュージーランド・イタリアのブラスバンド選手権課題曲

「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その3」
 ・各国コンテスト課題曲の3th4thセクションをそれぞれ過去に辿り、課題曲になったトータル回数を数えました。10大会〜5大会で課題曲となった曲

「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲その4」
 ・4大会で課題曲となった9曲

「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その5」
 ・3大会で課題曲となった20曲

「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その6」
 ・2大会で課題曲となった37曲

「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その7」
 ・1大会のみで課題曲となった146曲


     writer Hiraide Hisashi

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