見出し画像

お母さん食堂はダメでもレディースデーは許されるらしい

 ファミリーマート、ファミマで目にする『お母さん食堂』

 これが活動家的な高校生の中で不適切だとする声が挙がっているニュースが流れた。

 どうやらコンビニの惣菜なのに『お母さん』の文字があることがおかしいのではないか? という理由らしい。

 これについてどう反応したらいいのか?

 自分はこのネーミングを改める必要が無く、そして謝罪をする必要もないと考えている。

 これが「料理も出来ないお母さんに向けて」みたいに否定的なニュアンスを込めた名前をつけられているならもちろんそれはおかしいし変更する必要がある。

 でもこの『お母さん食堂』はどこかに迷惑をかけたのか?

 配慮に欠けるかもしれないけど『お母さん』の何割がこのパッケージや名前に対して傷ついたのか?

 もしそうならカントリー「マアム」もミルキーは「ママ」の味もシンデレラ「ガール」も自粛しなければいけないのか?

 一体何をもってこのお母さん食堂が不適切だという考えに至ったのかSNSで初めに言い出した団体の呟きを読んでみた。

 そのアカウントも一応載せておく。

Twitter: @shokudo_pr

 ざっくりまとめると、「料理をするのは『お母さん』だけではない。性別によって役割が決められない社会を作るため」にファミリーマートの『お母さん食堂』を変えたいそうだ。

 そして、このままだとお母さんは料理をするもの。みたいな偏見が固定されてしまう。という問題も挙げられていた。

 これもその説明が書かれていたリンクを貼っておこう。

 この意見を最大限尊重した上で自分の意見を書く。

 この記事では日本国内で「お母さんは料理をするもの」という偏見がある。それを変えたい。その一環としてファミリーマートの『お母さん食堂』の「お母さん」を変えて欲しいという「お願い」がされていた。

 まず、性別における平等不平等が存在することは分かる。これについては前にも色々な記事で触れている。もちろんこの時代においてフェミニズムを軽視することは看過されることではない。ネットの自称リベラルの自称フェミニストのしていることに対しては色々と思うところはあるけどそれは今書くべきことではない。

 だとしてもジェンダーロールを踏みにじっているわけでもないファミリーマートの商品名だけに焦点を絞る必要があったのか?というのが疑問。

 最初の方にも書いていたけどそれなら『おふくろの味』レシピとか、ママの味がするキャッチコピーのミルキーとかに対してなぜ声をあげないのか?これについては後で少し追記する。

 社会における『お母さん』、性別にに含まれるジェンダーロールやバイアスを払拭したいのなら社会全体にその疑問を投げかけることを目標にしなければいけないのではないか?

 何となく想像したけど、直接的に言葉を使っている、かつ大手企業のファミリーマートの商品名を変えた。みたいなゴールを設定していたのだろうか?

 この手のポリコレ的な指摘とか意見って個人的にはあまり好きなものではない。

 文化や環境に対して踏み込んでいいものと妥協すべきもの、折り合いをつけるもの、共存させるべきものなどがそれぞれあるはずなのにどうして一つにまとめて変えようとするのだろうか?

 旦那が奥さんのことをどう呼ぼうがそれがどう考えても犯罪でもないのならそこに介入する必要はないだろう。むしろその姿勢を正しいと肯定する団体ならそこが少しおかしいのではないかと思う。

 歴史的、言語学的な背景があるものに対してそれらを一度更地にして新しい価値観を強要することの方がおかしいのではないかと考える。

 話が本筋からずれた。

 アクション映画とかで「女性は弱く男性に守られるべき存在」みたいなものも今では改めるべきだろうし実際にスターウォーズではこれまで男の主人公だったものが女の主人公に変更された。あの追加された3部作を正統派のスターウォーズだと言うファンもいればあんなもの蛇足でしかなかった。と言い張るファンもいる。
 
 個人的にはまぁどっちでもいいかな。くらいの気持ち。あれもイフストーリーみたいなものだろうし。元々完結している物語、サーガを無理に拡張することはこれまでの映画でもよくあった。最近だと猿の惑星とか、古ければバックトゥザフューチャーとか。

 あくまでこれは自分の持論だけれど、最終的に面白ければそれでいいし、そのキャラクターがその性別である確固たる理由が存在するのであればそれが正解であると考えている。

 アイアンマンがアイアンウーマンであってもそこに理由があれば別に問題ない。

 一時話題にも問題にもなった実写版リトルマーメイドのアリエルを黒人女性が演じることや007の次のボンド、つまり主演が女性になるといったニュースについても、歴史や伝統や原作を踏まえた上でそうである確実であり誰もが、大多数が納得する理由であれば変更することについて何も言わない。それが作り手、監督の意思だから。

 それと今回の『お母さん食堂』は違う。全く違う。

 ファミリーマートがどう考えているかなどを調べもせずにただ「お母さん」という単語に反応してそれを変更しろというのは少しやり方がずるいのではないかと思っている。

 それ以前にあの商品のイメージキャラクターは割烹着を着た男性の俳優の香取慎吾さんだ。『男性』でも『お母さん』をすることが出来る。

 むしろ社会における性的バイアスを取っ払うものではないのか?

 あと少し気になったのは署名サイトやプロフィール画像にあったキャラクターは『お母さん』と『お父さん』と『子供たち』がいる『家族』だった。そのジェンダーロールに対して疑問を持ち反対する意思があるのにどうして「男女で子供を持つ家族」を使っているのだろうか?

 多分このキャンペーンを考えた高校生の中では父親と母親と子供がいるのが社会の普通なのだろう。

 配慮に欠けていないか?

 仮に自分の親が離婚をしている、または死別をしているなどをしていて、そのプロフィール画像を見て不快であり悲しい記憶が蘇るからやめて欲しいとお願いしたらそれは変えるのか?

 仮にこの『お母さん食堂』が問題だという高校生3人の限りなくゼロに近い少数派と確認した当時は7500人ほどの賛同者の声が通ったなら次はどの言葉にその矛先が向くのか今から恐ろしい。

 固有名詞に性を連想させる言葉を使うことについて違和感を持ったのならレディースデーを設けているお店に「あなたのお店はジェンダーロールに反していると思われますがどう考えますか? 改める気はありますか?」とでも聞いてみたらいい。

 だってメンズデーは無いのだから。これは不平等だろう。男性がデザートのような甘いものを食べるわけがないだろうと思っているからではないのか? 今のは適当に取ってつけた文句なのであまり説得力はない気がするけど。

 高校生が必死に考えたことについて大学生が偉そうに否定をするのはフェアではないとも思うけどそう思った。

 さて、次はどの言葉が槍玉に上がるのか、『男らしく』見届けようじゃないか。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?