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「前回どおり」のデザインを疑う

デザインは一度作成すると大きな変化がない限りそれを複製していくことができます。複製(前回どおり)は楽な作業なので、なにも考えずに実行することができます。

例えば名刺や封筒などのツール類。これはロゴを変えた時に作成し、なくなれば前回どおりにいつもの印刷所に発注する。何の変哲もない作業ですが、すこし立ち止まって考えてみると、何かを変えられるチャンスなのかもしれないと気付いたりします。明らかに紙のツール類の出番が減っている昨今で、前回どおりに印刷するより印刷する枚数を減らし紙質を少しよくしてみよう。ロゴを箔押しにしてみよう。など様々なことを試してみるチャンスかもしれないと考えると「前回どおり」はそのチャンスを見落としていることになります。

ブランドイメージを左右するディティール

些細なことですが、印刷物の紙質など「質感」はブランドのイメージを構成している一つの要素だと考えています。商品の質にこだわるのはもちろんですが、それを届ける方法、届けた後への配慮などまで考えられているとそこに「思い」が乗っているので、その「思い」がブランドを形成しているのではないでしょうか。人を介さずにオンラインで購入した商品も、開けてみると思いの詰まった商品と印刷物などが入っていると、ブランドの虜になるのは私だけでしょうか。初めは予算をかけられずにできる範囲で商品を届ける方法を考えますが、それを前回どおりに更新せずに少しづつ良くすることで、よりブランドイメージが向上していくのではないでしょうか。

自動は楽だが、怖さもある

現在のテクノロジーのおかげで自動化ができるようになり、私もその恩恵にどっぷりと浸かっています。しかしたまに疑うようにします。それはたまに疑うことをしないと自分の記憶に残らず、ずっと自動化されてそのまま一人歩きをしているようなことが怖いと感じるからです。企業のデザインや印刷物が良い例です。ロゴは刷新したが印刷物がどこか古い印象に感じることがあります。これは自社では「いつものこと」に誰も気づかないという怖さだと思います。

ブレーキを踏む

「いつものこと」は忙しくしていると気づきづらい特徴があります。それは忙しい時ほどショートカット(前回どおり)をしたいからです。ただその中でも一度ブレーキを踏んでみることで、いつもの道が良いのか、違う道が良いのか検討できます。もしかしたらいつもと違う道に新しい道が開ているかもしれません。

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