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俳句、短詩

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自分の俳句作品や、鑑賞、思いなど気ままにまとめています。また、短歌などの短詩形作品などについても触れています。
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2023年10月の記事一覧

やりきれない存在と今であっても:福本啓介句集『保健室登校』

やりきれない存在と今であっても:福本啓介句集『保健室登校』

いろいろと句集をお贈りいただいているのに、全然触れることができず申し訳ない思いばかり。大変遅くなりましたが、少しずつnoteで感想を書かせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

まず、感銘句より。

桜しべ降る中夕方登校す
十代といふ闇にゐて涼しさよ
目見開き内なる冬を見つめをり
小春日の昨日に我を置いて来し
さくら咲き記憶喪失終はりけり
親ガチャにハズれたと君汗拭ふ
四月来る長欠

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秋、カルチャースクール俳句講座に思うこと

秋、カルチャースクール俳句講座に思うこと

俳句と書いておきつつ、のっけから通っているフラメンコ教室の話題で恐縮だが、来月からクラスに新しい生徒さんが来ることになった。
長い間、個人レッスン状態だったので、どんな感じになるかちょっと予想がつかない。だかが、こちらも少しドキドキしている。
先生が体験レッスンを見た感じでは「経験が浅い」とのことで、その生徒さんにどうアプローチしつつ、これまでのレッスン内容を維持するかを考えておられるよう。

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「今」を真空パックする:俳句甲子園2023のある俳句を読んで

「今」を真空パックする:俳句甲子園2023のある俳句を読んで

少し前の話になるが、NHKによるドキュメンタリー番組を観た。
内容は俳句甲子園2023。
そこで紹介された茨城県立下館第一高校の下記の句に目を奪われた(以下、作者名は敬称略)。

不登校やめられそうなほど朝焼 武井佳奈

後で俳句甲子園の公式サイトで今年の結果を見たところ、入選作だった。

結果はPDFになっており他の入賞作も掲載されている。
全部読んだが、私にとってはこの作品が最優秀作品だった。

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