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一人になる

先日、ご縁があって、
ハンセン病患者さんのご家族のお話会と
”一人になる”という映画の上映会を開催させていただきました。

私はハンセン病のことは、名前を知っているくらいでよく知りませんでした。
学校でも習った記憶がほとんどありません。

ハンセン病とは、
「らい菌」に感染することで発病します。
現代においては感染することも発病することもほぼありませんが、感染し発病すると、手足などの末梢神経が麻ひし、汗が出なくなったり、痛い、熱い、冷たいといった感覚がなくなることがあり、皮ふにさまざまな病的な変化が起こったりする病気です。

ハンセン病はかつて「らい病」と呼ばれ、
人々からとても恐れられていました。

1931年に政府によって「癩予防法」が制定されたことで国立の療養所が各地に建設され、全ての患者の強制隔離が進められました。それにより、その家族も強い偏見や差別を受け、ともに苦しめられ続けました。
各県では「無癩県運動」の名のもと、患者を見つけ出し療養所に送り込む施策が行われ、人々の心にハンセン病は恐ろしいというイメージを植え付け、偏見や差別を助長していきました。その後、有効な薬が発見され治療が行われているにもかかわらず、強制隔離は続きました。

政策やメディアによって
人々は恐怖を感じ、過度に恐れ
それが差別や偏見を生みました。

でも実際は、
極めて病原性が弱く、
たとえ菌が感染しても免疫力(特異的防御免疫)が弱い体質の人しか発病しないものでした。

それにも関わらず、
家族と一緒に暮らすことができなかったり。
子どもを産むことが許されなかったり、
一生療養所から出て生活することができなかったりと長年にわたり
とてもひどい仕打ちを受けました。

以前聞いた紙芝居の中で
ハンセン病患者さんの残した言葉があります。
とても胸が締め付けられ印象に残った言葉です。

それは、
”私は人間であって、人間ではなかった”と。

この一言だけでも、どれほどひどいことを
されてきたのか感じ取れます。

映画”一人になる”
政治家や法律家、宗教家やなんと医師までもが、この病気の本質に目を向けずその過ちを見抜けず、批判することなく、政府の言うとおりに「追従」する社会の中、

「ハンセン病は不治の病ではないし、遺伝でも、強烈な伝染病でもない、隔離は必要ない」
と言い続けてきた、小笠原登という一人の医師のお話です。

1人で立ち向かう大きな圧力と闘いながらも
目の前の患者、目の前の命を平等に守り続けた彼に勇気をもらいました。

差別と偏見の時代を終わらせられるのは、
私たちが学び自ら考える力をつけたときだと
感じました。

大勢に流されず、
ひとりになることを恐れない心を持ったとき。

これからを生きる子どもたちには
少しでも差別、偏見のない
時代を生きて欲しい。
心の底から、そう思います。

ただ、言葉だけ、
多様性のある社会へ!なんて分かった顔で、
言葉にしているだけでは何も変わりません。
人間は、絶対にまた同じことを繰り返します。

私たちは過去から学び、
自分で立ち止まって考える力をつけなければいけません。

ハンセン病問題に
関係のない人なんていないのです。

いつ誰が被害者になっても、加害者になっても
おかしくない。私たちは、そんな社会に生きています。

新型コロナウィルスのときだって、
まさにそうでしたよね。

マスクしていない人はお店に入れてくれない。
マスクをしなければ飛行機に乗せてくれない。
ワクチン打っていない人は、病院に入れない。
(例えば、出産の立ち合いなど)
ワクチンを打っていなければ、
旅行の割引が受けられない。
海外では、ワクチンを打っていないと
カフェやスーパーに入れないというのもありました。

ハンセン病問題のときは、
病気の方が差別の対象になりましたが、
このときは病気でもなく、
症状も出ていないの人が差別されたので、
政府が言うことであれば、
どんなに論理的ではない、
どんなおかしなことでも
ほとんどの人が従うということを
目の当たりにしました。

ここで立ち止まって学ばなければ、人間はまた同じことを繰り返します。


ハンセン病問題という政府の間違った政策と、
人々の無知が生んだひどい差別と人権侵害の歴史を誰も学ばず、誰も知ろうとしなければ、
それは”なかったこと"にされてしまいます。

なかったことにしていいはずがありません。

何の罪もない苦しむ必要がなかった人が
苦しみながら、
人間であることを感じられないまま亡くなっていった。

その事実は変えることはできませんが、
私たちは、知ることで未来で同じことを繰り返すのを止めることができます。


そのために過去にあったことから学び、
私たち自身がしてしまった過ちを認め、
同じ過ちを決して繰り返さないこと。

この記事を読んで
一人でも、少しでも
知ろう、学ぼう、考えよう
そう思ってくれたら嬉しいです。

励みになります♡♡ ありがとうございます♡これからも環境や健康についての 投稿をしていきます^^