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映画レビュー:23年12月の13本

アメリ
(2001年/フランス/ジャン=ピエール・ジュネ監督)

傑作!たまにカメラ目線になるメタさ、アングル変化、早送りやCGなど大好物。10代後半だった、この90年代終わり~2000年代初頭の雰囲気が自分の基盤を作っているのだな。すごくしっくり来るし、かっこいいと思うもの。当時のアメリフィーバーを白い目で見ていたけれど、今観れてよかったです。

陽炎座
(1981年/日本/鈴木清順監督)

創りたい、見せたい画、イメージがあって、それを再現する試みなので、ストーリーは二の次。清順美学とはよく言ったもんだ。映画がお金がかかるものだった時代、ケタ違いにお金をかけて脳内を表現する。こんなトーンで作れる人いないだろ現代。。すべてが(多分)上品に連動してる、絡み合ってて、わかりづらい伏線がいっぱいありそうな作品でした。□院○○△居士。

越後奥三面―山に生かされた日々
(1984年/日本/姫田忠義監督)

良さしかない。拝見できて感無量。4年間ほど住み込みで、よく撮って下さった。記録に残して下さった。そういう人がいて下さったから、残った。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
(2023年/アメリカ/マーティン・スコセッシ監督)

長いよ。。

黄色い繭の殻の中
(2023年/スペイン、フランス、シンガポール、ベトナム/ファム・ティエン・アン監督)

カンヌ監督週間 in Tokio」で鑑賞。詩的にしようとするそのセリフ回し、こだわり過ぎた構図があざとい。そして長い、、!問題をすべて先送りしていくのにそのどれもが1つも解決しないで、突拍子もないところで終わる。なに?輪廻思想なの?今生では終わらない的な??そういう信仰心が横たわっているような作品作りって、東南アジアの映画に多い気が。ゆったーーーりしてるの。しかし本編中ほぼ雨か曇り。気候・風土が映画作りに直接的に作用しているのが解る。美術館でインスタレーションとしてみれる作品。

マエストロ:その音楽と愛と
(2023年/アメリカ/ブラッドリー・クーパー監督)

世界は外ではなく内面的に広がっているのです。残された人生は創作に捧げなければなりません。

ゴーストワールド
(2001年/アメリカ/テリー・ツワイゴフ監督)

この世にリアリティー(居場所)を感じられない。うまくいかないゴーストワースド。ここを出よう。という「アメリ」同年のアメリカのトーン。

過去のない男
(2002年/フィンランド/アキ・カウリスマキ監督)

「アメリ」「ゴーストワールド」と同年代なのにこのトーンの違いよ。登場人物の年齢も総じて高くて地味。慈味。国民性?作家性?フィンランドだ。

アアルト
(2020年/フィンランド/ヴィルピ・スータリ監督)

作品としては単調。ずっと紹介してそれを解説する(解説者は声のみで登場しない)長尺の、ゆったりとしたプロモーションビデオみたい。寝た。

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
(2023年/日本/古賀豪監督)

国民的アニメをよくぞここまで齟齬なく成立させたもんだ、すごい。良作。

さきわう家
(2023年/日本/加藤優季監督)

東京ドキュメンタリー映画祭2023」で鑑賞。製作の参考になります。去年の映画祭2022からもう1年経ったのか、、自分たちも頑張んなきゃ。

あさがお灯籠
(2021年/日本/青原さとし監督)

ドキュメンタリーは画質は問わない、記録しておくこと、撮っておくことが肝心だよねと思い直させてくれる。編集がだらだら間延びしていて観ていてつらい&本題のみならず各地の習俗も本編に組み込んじゃったからとっ散らかってテーマがブレブレになってる、けれど、これでイケるなら、自分たちもイケるな!と勇気を貰える。

ナポレオン
(2023年/アメリカ=イギリス/リドリー・スコット監督)

冒頭で「あっ英語なのか(フランス語じゃないのか)」となって、これは歴史を題材にした創作(ファンタジー)だなと観ることができる、も、このご時勢に戦闘シーンはなんか生々しくて観ていられない陰鬱な気分になります。リドリー・スコットにはSF撮らせときゃいい。どこか遠い星の遠くの物語と思えば戦闘シーンも観ていられる。けれど実在の人物が、この地上で行った戦争を、犠牲者何人、とかテロップ出されるの、観ていてとっても辛かったです。その割には淡々としすぎで観ているの苦痛で肝心の大ラスのワーテルロー以降寝オチしました。(観ていられなくて脳が強制終了した)

<了>

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