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【料理エッセイ】夏だから、とうもろこしを堪能したよ! ご飯に、パスタに、なんでもござれ!

 とうもろこしが安い。スーパーで1本100円で買えたりする。まさに旬! 夏がやってきたって感じがする。

 お祭りの出店だったり、海の家だったり、BBQだったり、外で食べるときは炭火で焼いて、醤油を塗って、香ばしくかじりつくのが最高。家で食べる場合はとりあえず茹でちゃえば、それだけで贅沢なおやつになる。

 さらに、少しアレンジするだけで、美味しい一品も作れてしまうから、本当、とうもろこしって重宝する。

 定番はやっぱり、とうもろこしご飯だろうか。

 とうもろこしの皮を剥き、三等分ぐらいに切り分け、身を削ぐように包丁を入れる。丸を多角形に切り取っていくイメージだ。

 このとき、芯を捨てたら絶対にNG。というのも、ここからいい出汁が出るのである。また、面倒じゃなければヒゲの部分もカリカリに炒めれば食べられる。天ぷら屋さんなどでは素揚げにして出してくれる場合もあるよ。

 とりあえず、炊き込みご飯にするときは身と芯を炊飯器にドーンっと入れる。

 おかずに合わせて、白だしを薄めた水を規定量入れておく。このとき、調味料が加わると浸水に時間がかかるので注意が必要。炊飯器に炊き込みご飯モードがついていたら、それを押せば大丈夫。

 ちなみに通常の炊飯と炊き込みご飯モードの違いは時間と温度。長くて熱いので、調味料が混ざっていても問題ないし、おまけにおこげができる点が嬉しいところ。

 なお、早炊きモードの場合も時間と温度に違いがある。浸水時間が短く、高温でガッと炊き上げ、蒸らし時間を省略しているので、固い仕上がりになる。というのも、米のでんぷん質は浸水によってアルファー化、柔らかくなる特徴があるから。

 銘柄炊き分けについてはよくわからないけど、おそらく、ブランドによって含まれている水分量が異なるので、これまた浸水時間と加熱温度に違いがあるのだろう。とはいえ、正直、そこまで差が出るとは思えない。

 やはり、如実に差が出るのは通常の炊飯、炊き込みご飯、早炊きの三種類。少なくとも、これらはシーンに合わせて使い分けていきたい。

 さて、そんなこんなでとうもろこしご飯が出来上がった。油分がないのでバターを添えて完成。

 イワシも安かったので生姜で煮付け、野菜が少ないので味噌汁をつける。質素だけど、こういうんでいいんだよって感じの等身大の定食になる。なんとなく、健康に近づいた気がする。

 翌日のお昼にはとうもろこしのペペロンチーノを作った。和食もいいけど、洋食に使ってもおいしいのが旬の野菜のいいところ。 

 今度は身だけを使うんだけど、ソースを作るときの加熱だけでは火が通らないのでレンジを使う。

 皮があったら、そのままレンジの中へ。皮がなければラップで包む。600Wで4分。500Wだったら5分。

 一応、W数×時間の値が加熱量と言われているので、この計算式を基に考えればなんとかなる。ただ、パスタにする場合はフライパンで最終調整が可能だから、そこまで細かいことは気にしなくてOK!

 チンができたら、またしても身だけ使うので三等分にして、縦に包丁を入れて削いでいく。

 ソースはオリーブオイルにニンニクと唐辛子を入れるだけ。ニンニクはオイルが冷たい状態から徐々に加熱し、香りを引き出すイメージ。

 唐辛子は入れるタイミングで辛さが変わるので、好みに合わせた。赤い場合は火を入れれば入れるほど辛さが増す。逆に、青い場合は生の方が辛くなる。それぞれ成分が異なっているのだ。

 パスタはたっぷりの塩水で茹でる。この茹で汁は味付けになるので、けっこう強めに塩を効かせる。落合務シェフ曰く、お吸い物で出して怒られるぐらいのしょっぱさがよいとか。

 漫画『ミスター味っ子』の影響で、80年代後半からアルデンテ絶対主義が日本では広がっているけれど、個人的にはちゃんと茹でた麺の方が好きなので、袋に書いてある規程時間でタイマーをセットする。

 だいたい2〜3分するとオリーブオイルで熱したニンニクが香ばしくなってくる。やり過ぎると焦げてしまうので、茹で汁を加えて色を止める。おたま一杯ぐらいが目安。それ以降、蒸発してきたら水道水で調整する。

 パスタの茹で上がり1分前で、ソースを作っているフライパンにとうもろこしを投入する。今回は青唐辛子を使うので、これもこのタイミングでパラパラと。

 ピピピッ。ピピピッ。

 タイマーが鳴ったらパスタを鍋から直接、フライパンへ移動させる。わたしは菜箸でやってしまう。

 あとはフライパンの中で空気を含ませるように混ぜていく。最後にエキストラバージンオイルとパセリをぐるり垂らしたら、あまりガチャガチャさせず、お皿に盛る。風味を活かすためである。

 これが、まあ、美味しいのなんの! まさに夏!

 大人になると時候のイベントをこなさなくなるので、なかなか季節が自分の中に入ってこない。夏にしたって、「暑いなー」「セミ鳴いてるなー」「甲子園やってるなー」と他人事みたいに流れていく。

 そんな中、旬の食材を調理し、食べるときだけ、わたしは身体の内側で夏を味わう。それは日常の営みでありながら、非日常な経験となる。

 たぶん、こういうところに料理の楽しさはあるんだと思う。

 さて、この夏はあとどれくらい旬を食べられるかな。楽しみ、楽しみ。 




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