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【読書コラム】まとめ

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読書コラムまとめ
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#コラム

【読書コラム】武勇伝が作れない時代に、何者かになりたい若者は空回りするしかないん…

 大学時代の友だちとやっている月一のzoom読書会で小泉綾子さんの『無敵の犬の夜』を読んだ。…

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【読書コラム】君は世界初のタイムループものを知っているか? - 『愚者の渡しの守り…

 映画もアニメも漫画も、ループものはたいてい面白い。大きな失敗をするも、過去に戻って繰り…

綾野つづみ
2週間前
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【読書コラム】「逃げてもいい」のその先へ - 『非・バランス』魚住直子(著)

 子ども向けの読書会で扱う本を探していると、いい内容なんだけど、ちょっと難しかったり、長…

綾野つづみ
2週間前
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【読書コラム】論破の時代を生き抜くための聞く力 - 『まずは「聞く」からはじめよう:…

 YouTubeを見ていたら、PIVOTの動画がおすすめで流れてきた。ディベートのチャンピオンが論破…

綾野つづみ
3週間前
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【読書コラム】紙の本じゃないといけない理由ってなんだろう - 『世界でいちばん透き…

 紙の本と電子書籍、どっちがいいかという話はたびたびされてきた。なんとなく、読書家はこれ…

綾野つづみ
4週間前
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【読書コラム】自分より本や映画に詳しい人を見ると自信をなくしてしまうけど - 『さ…

 うっかり本を借りてしまった。積読が何百冊もあるというのにやってしまった。  案の定、 …

綾野つづみ
1か月前
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【読書コラム】「友だちのノリ」と「闇バイト」が共存している青春のリアリティは100%現代。でも、それはわたしの知らない現代だから、この本が読めてめっちゃ幸せ - 『みどりいせき』大田ステファニー歓人(著)

 昨夜、月一のzoom読書会があった。大学時代の友だちとやっているもので、かれこれ、一年以上は続いている。  毎回、新人賞受賞作や芥川賞候補になった作品を課題本に設定し、各々、読んできて感想を言い合っている。これが想像以上に盛り上がる。  一人で読んだときには曖昧だった印象が、みんなで語り合っているうち、徐々に輪郭がくっきりしてきて、そうか、「わたしはこういうところに面白さを感じていたのか!」と最終的には膝を打つのだ。  なんだか謎解きをしたような快感がある。でも、口頭

【読書コラム】お医者さんが薬だけでなく、地域のサークル活動を紹介することで治る病…

 高齢者に関する研究をしている後輩から、面白い考え方があると『社会的処方: 孤立という病を…

綾野つづみ
1か月前
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【読書コラム】子ども向けの本だけど、仕事ってなんなのか、自己啓発本レベルの発見が…

 小学生向けの読書会をやっている。以前、記したものと同じ活動で、ゆるーく続いている。  …

綾野つづみ
1か月前
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【読書コラム】とどのつまり、文体ってなんなのだ?! プロとアマチュア、男と女、人…

 高校生の頃、幸運にも、大江健三郎さんとお話しする機会を得た。最初、有名な小説家というこ…

綾野つづみ
1か月前
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【読書コラム】ピントが合わなかったのは、カメラを持つ手が震えていたから - 『ちょ…

 先日、マシュマロでロバート・キャパの『ちょっとピンぼけ』を代わりに読んでほしいというメ…

綾野つづみ
1か月前
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【読書コラム】コメントで教えてもらったミステリーを読んでみたら、とんでもなく哲学…

 先日、アップした『変な家』の記事に、BRILLIANT_Sさんからこんなコメントを頂いた。  寡…

綾野つづみ
2か月前
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【読書コラム】ゴキブリにまつわるエトセトラ - 『いつかみんなGを殺す』成田名璃子(…

 タイトルに一目惚れして、本を買うことがある。『いつかみんなGを殺す』もそんな一冊だった…

綾野つづみ
2か月前
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【読書コラム】わたしたちが苦しいのはゴールのない競争をさせられているから - 『じゅうぶん豊かで、貧しい社会 理念なき資本主義の末路』ロバート・スキデルスキー,エドワード・スキデルスキー(著), 村井章子(訳)

 先日、マシュマロでスキデルスキーの『じゅうぶん豊かで、貧しい社会 理念なき資本主義の末路』が面白いらしく、読んでみたいと思っているけれど、読む時間がないので、代わりに読んでほしいというメッセージを頂いた。  この本について、わたしは全然知らなかったのだけれど、調べてみると各所で話題になっていたようで、たしかに面白そう。  だから、早速、Amazonで購入し、読んでみた。  議論はケインズが1930年に発表した「孫の世代の経済的可能性」という小論文から始まる。これはいわ