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#コラム
【読書コラム】「友だちのノリ」と「闇バイト」が共存している青春のリアリティは100%現代。でも、それはわたしの知らない現代だから、この本が読めてめっちゃ幸せ - 『みどりいせき』大田ステファニー歓人(著)
昨夜、月一のzoom読書会があった。大学時代の友だちとやっているもので、かれこれ、一年以上は続いている。 毎回、新人賞受賞作や芥川賞候補になった作品を課題本に設定し、各々、読んできて感想を言い合っている。これが想像以上に盛り上がる。 一人で読んだときには曖昧だった印象が、みんなで語り合っているうち、徐々に輪郭がくっきりしてきて、そうか、「わたしはこういうところに面白さを感じていたのか!」と最終的には膝を打つのだ。 なんだか謎解きをしたような快感がある。でも、口頭
【読書コラム】わたしたちが苦しいのはゴールのない競争をさせられているから - 『じゅうぶん豊かで、貧しい社会 理念なき資本主義の末路』ロバート・スキデルスキー,エドワード・スキデルスキー(著), 村井章子(訳)
先日、マシュマロでスキデルスキーの『じゅうぶん豊かで、貧しい社会 理念なき資本主義の末路』が面白いらしく、読んでみたいと思っているけれど、読む時間がないので、代わりに読んでほしいというメッセージを頂いた。 この本について、わたしは全然知らなかったのだけれど、調べてみると各所で話題になっていたようで、たしかに面白そう。 だから、早速、Amazonで購入し、読んでみた。 議論はケインズが1930年に発表した「孫の世代の経済的可能性」という小論文から始まる。これはいわ