大阪、芸人、何かある。一穂ミチさんの <パラソルでパラシュート>
出会いは熱気溢れるコンサートの最中。
履きなれていないパンプスでかかとがひどい状態になっているわたしは、ぶかぶかの黒いTシャツを着た彼を見た。
その後にも続く行先が強烈で、これからどうなるのかとドキドキしながらページをめくるとお笑いの世界にようこそと扉が開かれる・・・
受付嬢として年齢が崖っぷちと言われている美雨と、芸人の亨、そして亨とコンビを組んでいる弓彦との会話が軽妙でフフフと笑える。
大阪弁を聞きなれていないこともあるが、「ご無体やのう」「えろうすみません」とポンポン飛び出してくるセリフにトゲがなく、文字だけでなく実際に聞いてみたくなるほどだ。
そして、普段おもしろいことを言っている亨が舞台で演じる“夏子という姿”をどのように生み出したかをじっくり知ることができる。
私たちが持っているルーツや潜在的な感情が徐々にあらわす。
これこそが著者、一穂ミチさんの手腕なのかもしれないと思った。
家で読んでいるのに本当は大阪に行って、ある物語を見てきたような感覚で得した気分。
そうそう、本作にUSJが出てきて美雨が「大阪でいちばん美しい景色」を教えてくれる場面もあるので見逃さないで!
こちらもよろしくです😸🎀
5/20まで投稿企画をやっています!
<#兄弟姉妹の好きな本>
書き続ける楽しみを感じています、その想いが伝われば嬉しいです~