「意外なほどの快感」というの知りたい！＜深夜特急＞

しまった、世の中の話題に一歩遅れてしまった！

あともう少し早ければ斎藤工さんのラジオをオンラインで聴けたのにと悔やんでいるのは、沢木耕太郎さんの「深夜特急」です。
1986年に刊行されましたが、どこかで誰かが読んでいるという不朽の名作をやっと先日読み始めたのです。

タイトルはあちらこちらで耳にし、若き青年が世界旅行をする話というのは知っていましたが、本屋さんで表紙のデザインが目に入った瞬間、SFのように感じてしまい、興味が薄れてそのままになっていました。

新潮文庫

ところが、ある日突然私のもとにやってきたのです。

たまたま新聞に本の紹介が掲載されていたその当日に、大好きな本屋に立ち寄ったところ、たまたま入り口の一番目立つ場所に「深夜特急」が置いてあり、そこだけ光っているように見えて。。。
吸い込まれるように本を手に取ると表紙のデザインは以前と変わらずですが、ページを後ろからパラーッとめくったらと以下の一文に目が止まりました。

異国で無一文になり、立往生してしまう。だが、自分がそのような破局に向かってまっしぐらに進んでいるらしいということには、むしろ意外なほどの快感があった。

本書より

記載している行の前には、“博奕”と言う文字があり、賭け事かなと想像がつきましたが、前述の一文から「このひとは今、何物にも代えがたい時を過ごしているのではないか。一体どんな旅なのか知りたい！」とビビット感が。

主人公の私が無計画で無防備であるが故に何事にも恐れずに飛び込んでいく姿に、自分がこの場に居合わせたらどんな行動をするかなと重ね合わせるとジェットコースターに乗ったように高揚してきました。

さて、2巻はどんな冒険と出会えるでしょうか？