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終わりのない休暇。仕事で孤独を忘れる、そんな生き方僕にはできない。漂うのみ。 映画「パーマネント・バケーション」★3,5

Permanent Vacation
大学の卒業製作でつくった長編デビュー作。
NYを漂流する16歳の若者アロイシュス・パーカーを描く。

1980年 米 75分
監督 ジム・ジャームッシュ

久しぶりの鑑賞。若い時はただ共感だけだったが、年を取ってから観るとまた違うな。漠然とした不安が、確定した絶望へ。明るい未来は見えてこない。この類の人間の行く末は…。

みんな孤独さ だから僕は流れ歩く
イカれてると言われても 
漂流してれば孤独でないと思うことができる
本当に孤独と感じるよりマシだ

ある者たちは 野心とか働かねばという気持ちで
孤独を紛らわせてる 僕はできない

jjが27歳くらいか? 長編デビュー作ということで、ただ虚無的な若者が漂流してるだけで、面白みはないけれど、そのシンプルさが故か、jjのセンスが露骨に表れているかのようで、よりクールでイカす感じ。かも。

やっぱこの映像と音のセンスが好きだなー。色合い、構図、小物、ジャジーな音、爆撃音、繰り返されるover the rainbow…。そんなんと相まって、変な人たちとの会話なんかも、なんだか夢幻的世界に感じてくる。

漂流者。自分もその類だけど、けっこういるんじゃないかな。この退廃的、虚無的な映像は、その心を表しているかのようだな。こういう人間は、どうやって生きれば幸せになれるのだろうか。死がちらつく。

僕の旅は 終わりのない休暇だ


ちなみに、映画内のロートレアモン「マルドロールの歌」のリーディング。

女は胸から紙を落とした 
見知らぬ男が拾って 夜 自分の部屋で― それを読んだ
そこにはこうあった… 
棒につけた絹のネットで 彼女は空を自由に駆けるハチドリを追った…
願いが叶ったら そのお礼に― 花輪を編んであげるわ…
私は娘の死を招いた事件の場にいなかった
その場にいたら 血を流してでも娘を守ったろう…
マルドロールが通りかかり 木かげで眠ってる少女を見た
彼は一瞬 少女をバラかと思った 
彼の心を最初に横切った考えは― 少女の事か 彼自身の行動の事か
彼はいささかの迷いも見せずに服を脱いだ…
彼は鋼鉄の九頭蛇ヒドラの爪を開き 鋼鉄のメスを手にした
緑の草が 流された多量の血にもかかわらず― 緑を残しているのを見ると
ナイフを手に 体も曲げず 娘の体をえぐりにかかった… 
穴を広げて 彼は内臓を引き出した 死体は再び木かげに…
醜い 残忍な本性は 彼をいたわりの翼で包み込んだ…

近々、ロートレアモン「マルドロールの歌」の詩集を読む予定。
一応、読んだが…↓


☆\(^^)/★

Jah よ! へるぷみ~ (T人T) ナムナム アーメン タスケテ・・ ☆彡(-人- ) 星に願いを・・・ らぶみーてんだー ♡♡♡ <3