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【就活】018 面接での表現手法:論理性 vs 共感性

【就活】なべじゅんコーチの「みんな 自分らしく」 No.18

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** 自分らしく、自分の魅力を伝える就活へ**
** 第1章 理論背景編         **
**  8.面接での表現手法:      **
**        論理性 vs 共感性     **
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就活学生さんを コーチングで支援している
”なべじゅん” コーチです。

前回までで、「自分らしさ」(魅力)を発掘する方法をご説明できましたので、
今日は、その見つかったアピールポイントを 面接官に 効果的に伝えて行くこと、面接でどのように表現していくといいのか、特に「自分らしさ」「価値観」を伝える際の表現手法 について、話していきます。
 

*この記事では、2つの伝達方法=コミュニケーション手法として 説明しています。
・論理的な伝達を主とする「論理性コミュニケーション」
・自分の内面にある感情・思考を主に伝達する「共感性コミュニケーション」
の2つをいかに活用していくか、と
の視点です。
 

<今日のまとめ>
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■自己の「内面」を伝達する際の ポイント
★自分の中にあるもの=「感情」や「思考」を ありありと伝えるには、
① 場面の描写をしつつ、
② 自分の内面にある 想い(感情)、考えていること(思考) 
を意識的に言葉化して、相手に伝えていけばいいのです。

★これら①②を伝えると、
1.論理的な説明では「文字情報」(客観的な事実情報)として、相手(面接官)に伝わっていたものが、
2.「情景」「感情」は、面接官に ★【映像】として伝わっていくので、よりあなたの世界観「自分らしさ」「魅力」が、伝わりやすくなるのです。
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8.面接での表現手法:論理性 vs 共感性

面接の際に、みなさんは、どのような論調で、話されていますか?
面接をしている印象からすると、多くの学生さんは「論理的」であることに意識を置いて話されていると感じます。
では、「論理性」を追求することで、果たして いいのか? それを見ていきましょう。
 

1.「論理的」説明 のメリット、デメリット

自分の「優秀さ」を伝えるがために、論理的な説明だけに 偏っていませんか?

「論理的」に話すことは、相手に その考え方が適切であることを、合理的に伝えることになりますので、「物事を決める際」や、「議論して、より適切な方(正しい方)を決める際」に向いている手法となります。
面接においては、「私の能力(優秀さ)を示し、それに 納得してもらう」という目的になりますね。
 

■論理的説明法のメリット
面接においても、
Q.  あなたは、【なぜ?】最後までやり遂げよう と思ったのですか?
と問われて、
それに、合理的に考え、判断した結果を返答しようとすると、その説明(話し方)は、「論理的」な説明になりますよね。
例えば、
A. 最初の自分には難しかった事でも、最後まで努力し続け やり遂げると、「自分が成長できる」からです。
と返答することも、
・自分の能力を少し超える負荷をかける(ストレッチする)と、最後に  
  は、それが自分の能力を伸ばす結果が得られる。

という、<合理的な説明>ですよね。
面接官は、この回答を聞いて、【論理展開に矛盾がないな】と感じて、(論理的思考力の)「優秀さ」としてプラス評価するわけです。
 

■論理的説明法のデメリット
しかし、この論理的な説明方法にも、限界があります
 
デメリット①: 論理的説明法は、誰でも練習・勉強すれば、同じように出来てしまうし、<個性としての差はつかない>
 
以前にも書いていますが、
1.論理的な説明は、一生懸命、その文章(スピーチ原稿)を何度も書き直して推敲すれば、誰もが、同じレベルまで完成させることができてしまうのです。大学のレポートも、コツを押さえて頑張れば みんな A評価取れるでしょ。これと同じです。
 
2.ということは、<他のライバルとの差は、付けにくい> のです。
論理的に考え・答えを導き出せば、正しいロジックは一つに限られていくので、誰もが同じような回答になってしまうのです。(正しいロジックが複数あったとしても、その中で、一番高く評価されるものが存在すれば、それを全員が目指す結果、最後には 選ばれるロジックは 一つになってしまう)
 
※ですので、面接官側からの視点(目的)で見れば、
・この人は、「ロジカルに考えることができる人か?」という(能力)評価として見る分には、「論理的に説明」してくれることが必要だが、
「論理的に考えることができる人だな」と評価されたグループの中で、誰を採用したらいいか、という点では、差が付けにくい、絞り込みにくい、ということです。
 

 
デメリット②: その人の人間性、人柄、<「その人らしさ」を感じとることはできない>
 
上記に書いたように、論理的な説明では 差が付きにくいだけでなく、
その人が固有に持っている「その人らしさ」を聴き手(面接官)が感じることは、難しい(できない)のです。
★すなわち、共感できないのです。
共感できないから、採点する視点のままで 他者との比較(優劣)の意識で評価をしようとします。
(大学入試の点数の争い、になってしまう)
 
(例1)夕方のニュース原稿
夕方のニュースでは、その日にあった事故などを報道していますが、その説明(口調)は、以下のようなものではないですか、、、
アナウンサーの口調;
「本日、〇〇交差点にて、スピード違反した車が 歩道に突っ込み、歩いていた女性2人がケガをしました。2人は救急車で病院に運ばれましたが、命に別状はありません。さて、次のニュースです・・・」
 
こんなニュースは毎日流れていますが、事実情報として、言葉(単語)が伝達されているだけなんです。
みなさん このニュースを聞いても、その場面の情景も浮かんでこないし、事故を起こした運転手や、ケガした2人の女性の内面(思考や感情)は一切伝わってこないですよね。それを想像することもないと思います
 
この例と同じことが、「論理的な説明」では起こっていると思ってください。これが、論理的な説明手法の限界なんです。
 
 

2.人間の内面である「感情」「思考」を伝えるには、どうする?

なにも伝わってこない論理的な説明ではなく、
★その場の「情景」や、その人が考えていること「思考」・思っていること「感情」、を伝える方法は、みなさん、日頃の生活の中では、当たり前にできているんです。
 

■日常、喫茶店での会話
みなさん、普段の生活の中で、親しい人と話している時は、当然ながら、「論理的な説明」(※100% 論理的だけの説明手法)は、していませんよね。そんなことしていたら、堅苦しくて、聞いている友人もイヤですしね。
 
では、どんな方法の会話をしているかと言えば、
① 場面情景の描写 や
② 自分の内面(感情や思考) を
素直に表現し、相手に伝えていますよね。

これが、大事なことなんです。
 
(例2)旅行に行ってきた親友の話
あなたは、喫茶店で親友と雑談しています。
親友のKちゃんは、週末に旅行に行ってきたので、その旅行の話を楽しそうにしています。
Kちゃん: 週末に、海までドライブに行ってきたんだ。
あなた : へぇー、そうなんだ。どうだったの?
Kちゃん: 車を止めて、高台から海が一望できる場所があってね。そこから見たらさー、左の端から右端まで、ずーっと水平線が見えるんだけどさ、地球って本当に丸いんだなーって感じるくらいで、すごかったよ。
海も、すっごくキラキラしていてね、まるで〇〇のようだったんだ。
あなた : すっごいね~。
Kちゃん: そのあと、砂浜に出てね、裸足で歩いてみたんだけど、すごく気持ちいいの。足の裏に 砂粒があたる感覚と、太陽の暖かさが じんわりと伝わってきてさ、すごくリラックスできて 気持ちよかった~。
あなた : そうなんだ~。それは、よかったね~。


*その場に行ったことのない、あなたでも、Kちゃんの話を聴いていると、Kちゃんが見ていた風景が、自分の中にもイメージで映像が広がってきませんか。
厳密には、Kちゃんが見た風景ではないとしても、あなたが過去に経験したことのある海の風景の記憶を組み合わせて、Kちゃんが見ていたのは、こんな風景だったんだろうな、と 勝手に想像しながら、話しを聴いてしまうものなんです。
このように 人は、想像する/妄想することができるので、【相手の中にある世界(体験)を、一緒に再体験する】ような関わり方ができるのです。
★これが、共感性を活用した、「共感性コミュニケーション」なんです。

話し手の中にあるもの(思考・感情)を、自分の中で再現するように聴くのが、共感性コミュニケーション。誰もが持っている力ですよ。なのに、面接になると封印して使わない人が多いんです・・・

<伝達における ポイント>
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★自分の中にあるもの=「感情」や「思考」を ありありと伝えるには、
① 場面の描写をしつつ、
② 自分の内面にある 想い(感情)、考えていること(思考) 
を意識的に言葉化して、相手に伝えていけばいいのです。
 
★これら①②を伝えると、
1.論理的な説明では「文字情報」(客観的な事実情報)として、相手(面接官)に伝わっていたものが、
2.「情景」「感情」は、面接官に ★【映像】として伝わっていくので、よりあなたの世界観「自分らしさ」「魅力」が、伝わりやすくなるのです。
ーーーーーー 
 
 

3.「映像」で自己の内面を伝えると、何が起こるのか?

相手(主人公)の体験を、映像で見て受け止めて、感動している。映画も演劇も、小説も同じですよね。

お友達と雑談している時は、みなさん「映像」で、相手の話しを受け止めていますが、これって、映画館で映画を見ているのと同じですよね。
映画を見ることは、主人公の体験を、私達は追体験しているのです。
・主人公の行動(アクション)だけでなく、
・主人公がその瞬間に、どんな事を考えていたのか(思考)、どんな気持ち(感情)でいたのかを、
・セリフだけでなく表情なども含めて、
私達は感じとっています
よね。
さらに、主人公の内面に共感するから、感動しているのです
 
 
■面接では、あなたが 主人公 なんです。
これって、面接で皆さんが話しているのも、同じことじゃないですか。
過去の体験(エピソード)を話しているのですが、その時に、
ーーーーーーー
★あなた(主人公)の思考・感情を、セリフだけでなく、表情や内面(思考・感情)の言葉化で、伝えていくことで、
面接官も、一緒に、あなたの物語(映画)を、映画館で隣の席に座って、一緒に味わってくれていることになるのです。

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これが、「共感性」を使ったコミュニケーション ということです。
 
 
面接官として多くの方を拝見していると、
・「優秀さ」を伝えることに意識が向きすぎている方ほどに、「論理的」な説明ばかりになり、この「共感性」を使った伝達表現を使わない傾向があります。
それは、もったいない です。
「論理性」だけでなく、必要な場面で、ここぞと「自分らしさ」を伝えるタイミングでは、「共感性」を意識した 回答(表現)をしていきましょう。
 

■さあ、あなたはどうですか?
これまでの面接経験や、準備しているものを 見直してみてください。
みなさんが準備している 面接での回答ストーリーは、
・「論理性」一辺倒になっていませんか? 
・「共感性」を伝える要素が入っているなら、それは、具体的に場面描写、内面描写(思考・感情)をする 作り込みにまで 出来ていますか?
 

4.「論理性」伝達と、「共感性」伝達のバランス

「論理性コミュニケーション」と「共感性コミュニケーション」とは、頭と心のバランスでもあるのです。

ここまでの説明で、おわかりのように、
・「論理性100%」での説明は、なべじゅんは、おすすめしていません。
唯一100%でもいいと思うのは、トップランク(世界最先端)の研究者や頭脳労働者(コンサルなど)としての採用を勝ち取っていくのであれば、技術寄りのスキルとセンスを見抜くことに集中した面接もありえます。(協調性が要らないというよりは、論理的説明の中から、協調性なども評価してはいる)
 
でも、多くの職種・企業では、チームで成果を出していくこと、人間関係性について相手によい働きかけができることも求めていますので、ここで提案している「共感性」コミュニケーション力も発揮していく面接が向いていると思います。(※消費者向けの製品に関わるBtoC企業などは「共感性」大事ですね、)
 
よく、この両者のバランスについて、
Q.面接で、「論理性」と「共感性」を、どのくらいの割合で行えばいいですか? と尋ねられます。
A.これは一概に言えないです。面接の段階でも変わってきます。
技術面接であれば 専門性能力の追及なので「論理性」を高めに伝える、となりますし。最終面接(役員面接)になれば、その前段階までに、その職種で成果が出せるか(専門性)は評価済みですから、人柄を確認するという目的が多いことからも、「共感性」の割合を高める方が適しているかもしれません。
 
勝手な感覚ですが、
・全体平均で言えば、論理性:共感性=8:2か、7:3くらいかと思っています。やはり、論理性を基礎力として押さえておかないと、共感性を高めすぎると、突然、喫茶店での友人との雑談を聞かされるような感じにも映ってしまうので、「あー、この人 論理的な能力は低いな」と誤解されてしまうのです。
 

面接20分の中で、全てに平均的に「共感性」を出すわけではなく、ここぞと自分の魅力「自分らしさ」を強く伝える回答の部分を、この「共感的」表現を集中させる、と思うといいでしょう。
【場面描写、その場面でのセリフ、その瞬間に考えていたこと・思っていたこと】を言うのですから、具体的な場面の話に向くということですから、自然に、部分的な使い方になっていきます。
・面接は、面接官とのコミュニケーションです。気持ちよくお互いのキャッチボールができることが一番ですから、面接官が今、「論理性」を求めている(確認したい)のか? それとも、人柄を見たい「共感性」にあるのかを見極めながら、返答していく。
ということになります。

このあたりの事例は、第4章 面接編 でお伝えしたいと思います。

今日は、ここまで。
 

<今日のまとめ>
**********
■自己の「内面」を伝達する際の ポイント
★自分の中にあるもの=「感情」や「思考」を ありありと伝えるには、
① 場面の描写をしつつ、
② 自分の内面にある 想い(感情)、考えていること(思考) 
を意識的に言葉化して、相手に伝えていけばいいのです。
 
★これら①②を伝えると、
1.論理的な説明では「文字情報」(客観的な事実情報)として、相手(面接官)に伝わっていたものが、
2.「情景」「感情」は、面接官に ★【映像】として伝わっていくので、よりあなたの世界観「自分らしさ」「魅力」が、伝わりやすくなるのです。
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今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ここまでで、第1章 理論背景編 は、一旦 終了となります。
(今後、関連するトピックなどあれば、追記していきます) 

 
さあ 次回からは、第2章 自己分析編 に入っていきたいと思います。
もっと具体的に、「じゃあ、どうするといいの?」ということに迫っていきます。
お楽しみに♪
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■ Finding Mine 代表  なべじゅんコーチ
 感情に着目した自己分析から「自分らしさ」を引き出す 寄り添いコーチ





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