「良い戦略、悪い戦略」を読む15 ー顧客の慣性が企業変革を阻害するー
「第14章慣性とエントロピー」の途中から最後まで。
慣性には3.顧客の慣性がある。
明らかに他社に得になる新サービスがあってもそこに移らない慣性である。これによって企業での新技術(新サービス)導入が遅れることがある。
エントロピーの増大というのは注意深く経営していないといつのまにか乱れることによく表れる。優れた統一された戦略もいつしか惰性となり決まりが守られなくなる。人間はよほどうまく動機付けられていないと、次第に緩み緩慢になり乱れていく。
そうならない企業は経営が優れており、そうならない企業が少ないから著者のような経営コンサルタントの仕事は減らない。種をまくだけでは成長できない、地味だが雑草を抜くことも大事なんだ。
この顧客の「顧客の慣性」という考え方と「エントロピー」の議論は興味深い。要点だけでなく、実際に著者がコンサルを依頼された事例をこの章で読むと非常に理解は進むと思う。個人的には顧客の慣性は本当に怖いと思う。今そこそこだから、あのライバルの新サービスは脅威じゃないよね。というのもここから来ていると感じる。
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