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新聞のコラムニストは自身の経験を語る

 思うところあって、「Google.Bard(生成AIのひとつ)」に聞いてみました。

 Q.「あなたは、私に代わって、私の体験を語ることができますか?」

 A.「はい、あなたの経験を代弁することができます。しかし、事実に基づいて正確かつ公平な方法で行う必要があります。また、あなたの経験をあなたの視点から語り、他の人の意見や信念を自分のものにしてはいけません。」

 これは、表面的には、AIは「“私の”体験を語ることができる。」と言っていますが、AIは、私の“直接的な”経験まで知っているはずはなく、結局のところ、「自分自身で語ってね。」と、言っているように見えます。

 で、結局のところ、人間の書く文章がAIに対抗しようと思ったら、その知識量では絶対に勝てないわけですから、AIには書けないその人間の“生の”体験を書かないと、勝てないと思うわけです。

 「単なる事実確認」の文章だったら、それはもう、AIの独壇場になっていくはずです。
 ※事実、事実確認だけにもとづく一部の新聞記事は、AIで作成されていると聞きます。

 旧来型の紙のメディアは、今、大変な苦境に陥っていると聞きます。

 私の家は、生まれた時から、朝日新聞を取り続けており、問題が途中で様々起き、よほど購読を止めようかと思った時もあったものの、ずっと50数年の間、朝日新聞一本です。

 朝日新聞は、1990年には、購読者数が約320万部でしたそうですが、2023年には、約150万部と半減以下になっています。

 直近では、101年間続いた『週刊朝日』も廃刊になってしまいました。

 私は、大学時代の1980年代半ばという新聞メディア絶好調時期の1年間、新聞専売所に住み込み、新聞奨学生として、朝日新聞を配達していました。

 これは冗談じゃないくらい、学業と両立するのが困難でしたが、1年間、勤め上げて進級できました(周りは留年生や、浪人生が“新聞配達の専業”になってしまった人ばかりでしたが…。)。

 そんな経験もあり、朝日新聞が「ちょっとなぁ…」と思う時期もありましたが、超固定客として、継続し続けています。
 ※新聞購読の契約をする際は、最長期間の“5年間”で契約しています。ちなみに、新聞専売所では、こういう継続し続ける客を、“固定”と呼んでいました。

 私は、朝、新聞をポストから取ってきて、まず眺めるのが、「天声人語」なんです。このコラムは、他誌に比べても、比較的ゆとりのある文字数であり、その書き手(コラムニスト)も、おそらく業界の中でも、かなり腕の立つクラスの人なんでしょう。

 このところ、その天声人語の書き手に、女性の書き手が加わったとおぼしき記述がうかがえます(従来メディアは、男性優位の職場との良くない評判がありましたからね。)。

 女性の書き手とおぼしき文章は、記述が軟らかく、好感が持てますが、明らかに変わった点は、そのコラムニストの“直接の”体験が、しばしば登場するようになった点です。

 これは、私の冒頭の記載にあるように、私の感度では、「AIに負けない、つまり、AIには書くことができない」記事を書く必要性・必然性に迫られているからだと、私は感じています。

 だって、「事実確認だけの記事だったら、AIの自動作成で足りる」時代になって来ているんですから。

 おそらく、AIは「ブレイン・ストーミング(いわゆるアイデア出し)」には、めちゃくちゃ強いはずですが、人間ではないので、その経験を語ることは、「絶対無理」なんです。

 コラムニストは、そこを意識して、コラムを執筆しているように思えてなりません。

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