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「世界史を大きく動かした植物」を紹介【Kindle Unlimited】

砂糖の世界史(岩波ジュニア新書)的な話を他の植物でもやってほしい人にオススメ。

2022年5月21日時点でKindle UnlimitedのタイトルだったのでDLして読む。

著者は植物学者の稲垣栄洋さん。まあ、別に植物学者という資格があるわけではないと思うが。バックボーンは農学博士で、本書出版時点では農学部の教授さん。
一般向けに多く本を出しており、読みやすい文体。Kindle Unlimitedで読む本は簡単に読める本の方がイイ気がする。

ともかく、いつも通り「はじめに」と「おわりに」を先に読む。地球の支配者は作物なのでは? という言葉があり、ココらへんは私好み。サピエンス全史でも似たような指摘があったな。

この本は、世界史のストーリーを植物の視点から眺めたものだ。そもそも農耕がなければ人類の発展はあり得ないし、茶や砂糖によって人類の悲惨な歴史が繰り広げられたこともある。世界史の重大イベントの裏側に実はあの植物の影が、という話をわかりやすい語り口で展開してくれる。ストーリーとして面白いのでサクサク読んでいける。

ただ、タイトルには大きな括りで「植物」と書いているが、扱っているカテゴリーが偏っていることには注意しておこう。植物の中でも作物として使われているものがメイン。

食料系:コムギ、イネ、コショウ、トウガラシ、ジャガイモ、トマト、チャ、サトウキビ、ダイズ、タマネギ、トウモロコシ

材料系:ワタ

鑑賞系:チューリップ、サクラ

紙面に限界はあるのは承知の上だが、タケとかヒノキ・スギなどの木材系、あるいは毒とか薬とかに使われた植物も扱って欲しかった。著者が農学の方だから、守備範囲外なのかもしれないが。
もちろん流石にコムギ・イネ・トウモロコシを抜くという訳にはいかない。単子葉イネ科植物が人間にとって都合が良すぎ、ということか?

サクッと読める本なんで要約は別にいいでしょう。そもそもこの本が大いなる歴史物語の要約みたいなところがあるし。

サムネイル画像はamazon.co.jpの商品ページから。

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