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統合失調症のリハビリ〜音楽を始めたりジムに通い始めたり、興味が湧いたことにはチャレンジしてみた


【統合失調症のリハビリ】

 一般的にはデイケアや作業所に通うのだろうが、私の場合はそういった福祉施設とつながることはできなかった。そのため、ある程度、回復するまで自宅療養をしていた。朝起きたら日光を浴びたり、ラジオ体操をしたり、塗り絵をしてみたり、本を読む努力をしてみたり…簡単なことから「できる範囲でできるときに」という思いで始めた。
 犬を飼っているため、散歩をするようになった。犬と一緒にいることで不安もなくなったように思う。体調を整えることを第一に考え、犬をもふり犬に喋り犬と散歩をし犬に癒してもらうという生活をしていた。犬に助けられたところは本当に大きい。
 少しずつ、本当に少しずつ回復していき、友達と出掛けたりだとか1人でもある程度、自由に行動できるようになるまでは約2年かかった。統合失調症の症状には何かに注意を向けることができなくなったり、物事を整理できなくなったり、情報を区別できなくなったりという認知機能障害もあるが、私は何ができて、何ができなくなっているのかわからなかった。そこで、統合失調症にかかってから1年程度経過した頃から現在までの間にいろんなことにチャレンジしてみた。


【統合失調症になってからチャレンジしたこと】

1. 散歩
2. 生活リズムを整える
3. ラジオ体操
4. 読書
5. 大人の塗り絵
6. 感情整理(嫌なこと嬉しかったことなどひたすら書き出す)
7. 言語化する習慣をつける(LINEで1人グループを作った)
8. 音楽(和楽器の箏)
9. ジム
10. 旅行
11. 着付(着物)
12. LINEスタンプの作成
13. プログラミング
14. 各種SNS
15. youtube
16. 4コマ漫画
17. ビジネスコンテスト応募

とまぁ、こんな感じで当たり前のことから変わり種までいろいろとチャレンジしてみました。お金の心配もあったけれど、多少は貯金があったため、なるべく気にならない範囲でできることを選んだ。統合失調症になったときは「もう何もできない、人生終わりだ」なんて思っていたけれど、興味のあることはやってみれば意外とできたりする。やってみれば出来るか出来ないかがわかるし、出来なくてもやりきるためにどうすれば良いかを考えるほど興味があるかもわかる。「嫌なことを我慢はするな、そこから抜け出す苦労はしろ」と誰かの言葉にあった通りで、統合失調症に囚われずに何かやってみるというのはとても大切だと思う。ちなみにいろいろやってみたものの何か成果があったとかそういうことはない。ただ、これはできる、これはやってみたけれど楽しくない、上手ではないけれど好き、などいろいろわかってくる。
 生活リズムを整える、軽い運動など健康に気をつけるところから始めた。運動すると徐々に幻聴を気にせずにいられるようになっていったし、疲れてよく眠れるようになり、とても良い効果があった。
 読書や塗り絵は結構、辛いものがあった。もともと読書は好きだったのだが、文字がなかなか入ってこない。内容が入ってこない。それでも図書館に通い、本を読む練習をしたら徐々に慣れていった。塗り絵は小さい頃は好きだったのだが、大人の塗り絵は思った以上に難しく、すぐに断念した。
 それから私は言語化して人に伝えるのが苦手でいつもモヤモヤしたものを抱えていた。そこで言語化する練習を始めた。ノートやLINEで1人グループを作って思い立ったらすぐ書き出せるようにし嫌だったこと、嬉しかったこと、いろんなことを書き出して自分の感情を整理するようにした。病気への不安、わかってもらえない辛さなども。吐き出す先はブログでもTwitterでもなんでも良いと思う。あとは、目標を持つために人生でやりたいことリスト100を作ってみたりもした。リストを作ることで何をして良いかわからないという状態からは脱することができた。
 音楽は元々やっていたこともあり、手を動かすのは脳に良いだろうと考えて習い始めた。箏(こと)を選んだのは単純に和楽器バンドというアーティストにハマっていた時期があったから。病気になる前から馴染みのあることに再度チャレンジするのは入り口も入りやすくて良いと思う。これは今も継続してできており、発表会などで人前で演奏することも経験した。発表会では浴衣や着物を着ることから着付を習うことにも繋がった。
 その他の創作活動は意外と捗った。大の犬好きなこともあり、犬に関連したLINEスタンプを作ってみたり、ペットyoutubeを始めてみたり、Instagramで犬スタグラムを始めてみたり、犬の4コマ漫画を描いてみたり(画力は幼稚園児並)...できなくても好きだからやってみるという行動を取れるようになった。完全に自己満足の世界だが、楽しくやっている。自分で撮影して自分で編集したyoutubeを見ては愛犬の愛くるしさに悶絶している。
 人との関わりの面でいくと、家族と就労移行支援、プログラミングを始めて出会ったコミュニティくらいしか関わりがない。それほど人との関わりを求めないタイプなので特に困ってはいない。それと、統合失調症になってからも人並みに恋愛もしてみた。障害者になったら恋愛は無理だと諦めていたときもあったが、普通の人の恋愛と意外と変わらない。ちなみにこの記事を書いている現在は恋人(というより夫)を絶賛募集中。笑
 とはいえ、まずは社会復帰だ。私は今年に入ってからようやく福祉と繋がることができた。現在は就労移行支援事業所に通い、そこでプログラミングを学んでいる。もともと、人付き合いが得意ではなく、ものづくりが好きな私にはぴったりな勉強だ。無料で利用させていただける点は物凄く助かっている。初めの頃は暗号が並んでいるように思えていたが、今では簡単なwebアプリを制作できるようになった。また、プログラミングを通しての繋がりもできて活動的になってきたと思う。プログラミング学習を始めてできることが増え、自信にもなっている。

 何かを始めるとき、つい成果を求めてしまうこともあると思うけれど、成果に囚われず、やりたいか、興味があるか、少しでもワクワクするかを大切にしてほしい。


【最後にこのnoteを書いたきっかけ】

 自分が統合失調症だとわかったとき、他の統合失調症の人がどうやって過ごしているのか、どうやって社会復帰していくのか、といった情報が不足していました。未知の病気になり、将来が不安で仕方なかったのです。今も不安は消えたわけではありません。私の体験談、過程が少しでも誰かの支えになればという思いで今回、noteを書いてみました。療養中、何をしていたか参考になれば幸いです。

今回はこの辺りで終わりにします。ここまでお読みくださった皆さん、ありがとうございました。このnoteが少しでも励みになれば幸いです。
次回は就労移行支援とプログラミングについて書いていく予定です。

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