CTOがHRヘッドを担ってる話
みなさま、こんにちは。ミラティブCTOのよこて @n0mimono です。
前回の続き
前回から5ヶ月も経ってしまったな?
もっと発信します。
はじめた理由
ソースオブエナジー
HRを管掌するようになったのは今年からですが、これをはじめた理由は端的に言って人と組織が好きだからです。さすがに抽象的すぎるのでこれまでにわたしがなにに関心をもってきたかを少し書きます。
CTOのしごと
わたしがミラティブのCTOになったのは2021年からです。CTOとして主に行ってきたことは
プロダクト → CPOがいたので任せた
テック → メンバーが優秀なので任せた
チーム → ここは課題だったのでフォーカスした
大まかな方向性や中期計画に影響が出る類の技術的な意思決定はわたしが行っていたりもしますが、プラットフォームごとの意思決定、例えばiOSの意思決定はiOSのチームに任せていました。ミラティブの技術領域はざっと書くだけで
iOS
Android
Unity
フロントエンド
バックエンド
インフラ
ストリーミング
各々のコードベースも大きく、ドメイン知識(ゲーム配信×SNS)も要するのでこの全てを個人が把握するのは相当に無理があります。CTOあるあるだと思いますがわたしはこれらの全領域を完全には把握していません。
CTOのミッションは技術的な意思決定とその実行、すなわち技術的解决ができている状態をつくることです。CTO自身が解決することはその手段の一つでしかなく、より重要なことは自身で解決できるチームをつくるだと考えます、よってこちらに注力していました。
結果的に、社内に技術コミュニティが形成されるくらいには組織として成長しました。
インターンも入ってきています。
わたしがCTOになる前、エンジニアリングマネージャーになったのも多くのイシューは最後には人にいきつくなあと思ったからです。それが正解というわけではなく、わたしはそう考えるようになったということです。
結果的に、採用に詳しくなり
評価制度に詳しくなり
じゃあもうあなたHRやれば?という流れで2023年1月に至ります。
半年の振り返り
ミラティブの人事
2023年9月時点、ミラティブのHRチームは次のような構成になっています。
採用と人事企画からなります。労務は含みません。具体的には
採用
読んで字の如く
人事企画
組織分析、評価運用、文化施策、コミュニケーション施策等
HRから見てチーム外へのコミュニケーションパスが3つあります。
事業
経営
コーポレート
n0mimonoとHRBP部部長が2人いるように見えますが同一人物です、わたし1人です。CTOも兼任してまあまあ大変なので誰か手伝ってくれませんか。
事業計画の周辺だと、人員計画および採用計画、およびこれらにかかる採用関連予算と人事企画関連予算あたりの計画と執行が責任範囲になります。
やったこと
今年の1月から8月までにやっていたことのハイライトを紹介します。
行動指針をアップデートしました。
昨年度に評価制度をアップデートしましたが、これの引き続きの運用
ビジネス新卒採用の開始
中途採用も継続的に行っています。
個人のしごと
わたしのジョブを次の3つに分けます。
CHRO
人事部長
人事マネージャー
最初にCHRO。ミッションは経営チームの成果=企業価値の向上のために人事部門を管掌することです。他の経営メンバーとの兼ね合いで仕事が決まります。ミラティブの体制上の特徴は
創業者CEOがいる
CFOがいる
執行役員(本部長)に十分な権限がある
財務的な条件はCFO、文化的な条件はCEO、事業的な条件は本部長から出てくるわけですが、これらを現実的な人事戦略あるいは人員計画や人事施策に着地させることが仕事になります。
次に人事部長。仕事は人事部門の全てを担当すること。また、そのために部をつくる必要があります。さすがに100人程度の規模のスタートアップでCHROと人事部長が2人いるのはやりすぎ感あるので、どちらか1人いれば良いと思います(CHROがいたら兼任すると思います)。
具体的なワークの紹介、今年度の人員計画まわりをつくっていました。だいたいこんな感じ。
前提
経営会議でどの事業、どの部署でなにが必要かだいたいわかっている
次の3年くらいの方向性や目標、制約について、検討し合意を得ている
繰り返す(3回くらい)
CxOや部長に採用したい人員、時期を聞いてみる
HRのケイパビリティを考えてみる
採用費を増やしたり減らしたりしてみる
CFOに財務上の制約を聞いてみる
これ自体は作るだけなので良いのですが
採用はずれる、ずれるのは仕方ないとしてどうするか
どの数字に意味をもたせるか
事業計画上、数字は置き方が3つあり
目標:意思をもって達成するもの
規律:(意思がなくても)必ず守られるべきもの
予測:手なりだとこの数字になるだろうというもの
例えば、採用費比率はどうしようか、とか。
最後にマネージャーとしての仕事。一般論としては、チームの目標を達成させることと、チームが目標を達成できるようにすることがマネージャーのミッションになります。
ミラティブの事業は変化が激しいので楽しさがあります。一方、事業のボラティリティが高いということなので、これと人事部門をどうバランスするのかを考えるのがマネージャーになります。
↓昨年度に影も形もなかったオフラインイベントの例↓
得意なこと、苦手なこと
わたしの得意なこととして、2年くらい経営メンバーやっていたので他の経営メンバーが何を考えているかはだいたいわかります。
見ての通り、意志の強い創業者CEOです。ところで、一般的な人事制度のフレームワークと全く一致しないので困ることがあります。例えば
独自のフレームワークを作りこむという考え方はありますが、それをやるくらいなら顧客に向き合う時間を増やしたほうが良いでしょう。そのため、一般的なフレームワークに調和させた形で意思を乗せるのがプラクティスだと思います。
また、CxOは必ずしも人事の経験があるわけではないので(というよりないのが普通なので)人事がなにをどこまできるのかをあまり把握していません。それがmustなのかnice-to-haveなのか、CxOと人事のそれぞれの側が判断つかずにデッドロックしやすいです。
これらをつなぐようなことを意識してやっていました。
経営メンバーがなにを考えて、なにをしたいのかと、どのあたりが落とし所になるかと、なにをしなくていいか。このあたりを仕組み化できればかなり融通の効く組織ができるだろうと思うので、ここはわたしの次の宿題になります(きっと次回書く)。
苦手なこととして、そもそもキャリア的に人事ではないので、たぶん全部苦手です。ミラティブの人事が成り立っているのは人事のメンバーのおかげだと思っています。
おわりに
なにを目的に書こうとしていたのか忘れてしまったので、社内のHRメンバーを想像しながら書くモードに途中から切り替えました。
ミラティブはわかりあう願いをつなぎたい人事を絶賛募集中です!
CHRO
人事部長
人事企画
採用人事
人事に興味のある若者
おまけ
元EMとしてのCHROという観点だとどうなの?
エンジニアだから採用に強いとかはあまりないんじゃないかと思います
データ分析とかプロジェクト管理とかはたぶん役立ちます
選考フローをつくったり評価制度をつくった経験があると役立ちます
事業責任者だったりCxOの経験があると役立ちます
法律と契約は詳しければ詳しいほど役立ちます
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