ミラティブ社、行動指針をアップデートしました!100人超の組織で「わかりあう」ための取り組みと過程
ミラティブ社にて、行動指針をアップデートしました。
結論から書くと、この内容に変わりました!
アップデート・マイナーチェンジの背景には、100人を超えた組織特有の課題と、共通認識づくり=わかりあい の重要性がありました。
最初の行動指針策定時や前回アップデート時もnoteが残っています(この時の精神自体は今も変わらずミラティブ社内に息づいています)が、今回の2回目の改定についても、世の参考になればとも思い、背景や過程を書いていこうと思います!
なぜ変えたか
まず、前の行動指針は「わかきた」と略称され、直近まで毎週朝会やウィンセッションで行動指針に沿った発表も行われていました。組織内の浸透度はとても高かったと自負しています。
一方で、あえて抽象度の高い指針を設定していることで、「解釈のズレなどが起こることが増えている。実際に現場で使いづらくなってきてはいないか」、という指摘が経営会議でCOOからあったのが議論の始点でした。
例1:わかりあおうとし続ける
具体行動を「傾聴と自己開示」だと定義していたが、「わかってもらう・わかってもらえる」側が前に立ちやすく、「傾聴」が言葉の硬さ含めなかなか浸透しない。「なぜこちらの主張が理解されないのか」というようなスタンスが許容されてしまうことがある例2:課題に向き合い続ける、期待を超え続ける、
などは抽象度が高く、「課題に向き合うとはどういうことなのか」「どこまでいけば期待超えだと言えるのか」などの解釈幅が人によって異なる。つどの期待値設定調整が起こっている
また、2020年の前回改定時は1->10フェーズでしたが、現在はライブゲームという過去に世の中になかった大きな挑戦を行っているため、0->1にふさわしいダイナミックなアイデアや挑戦の必要性も増していました。
最初の行動指針にはあって、「今のフェーズで企業価値直結ではないかもね」と前回アップデートで削除した「常識を超え続ける」に当たるような、チャレンジ・試行数の最大化そのものを促す文化や仕組みのニーズが出ていました。
これらの背景を踏まえ、行動指針の改定議論を行うことにしました。
なお、正直なところ、最初はCEOの赤川としては(前回行動指針に当然思い入れがあったこともあり)、「別に変える必要なくない?」という反応をしました。が、合宿で組織課題を棚卸して議論をしていく中で、改定の必要性に納得してスタンスをガラリと変えた、という変遷を経ました。
*私見として、行動指針は会社の芯であると同時にマネジメントツールでもあり、文化として浸透することで社内のコミュニケーション効率アップ(不要なわかりあい時間の最小化という点でのコミュニケーションコスト減)をもたらすものだと捉えています。
そのため、定期的に組織や事業のフェーズに応じて見直されるのも当然だと考えています。
改定の可能性については前回アップデートの際にも明確に全社で共有がなされていました。
実際の改定プロセス
実際の改定プロセスはこんな流れでした。(動き出し~発表まで半年弱、丁寧に進めていきました)
改定の要不要を議論
→改定方向性~素案を経営会議で議論
→マネージャ合宿でワーディングやサブテキスト等のわかりあい
→マネージャ合宿での浸透施策の議論
→全社共有・浸透施策の実運用開始
できあがったものがこちらです。
行動理念=わかりあおうとし続ける
「わかりあおうとし続ける」は、「わかりあう願いをつなごう」がミッションの会社・「語りわかりあう会社」が経営コンセプトの会社として、より上位に重要な基礎の行動原理・行動理念として定義しました。
その上で、抽象度の高さを補うために、(メンバーは覚える必要がないものだが、1on1時や評価時などの振り返りに活用しやすいように)具体の「こういう行動が推奨だよ/非推奨だよ」というdos/don'tsを付した「ガイドライン」を今回作成しました。
ガイドラインの2-9番目には、日常で使いやすい姿勢・行動事例がステップ的に定義されています。
そして、最初と最後のステップのみ、「他者を想像する」「わかりあえなさもわかりあう」という2点を、会社の強い願いとして、わかりあう願いをつなぐために真に大事と思う姿勢として織り込みました。(実際世の中が各所でまだまだわかりあえていない多くの理由は、他者への想像力の欠如と不寛容にあると思うんですよね…)
行動指針:
事実に学ぶ
大胆に考える
成果にこだわる
そして楽しむ
「行動指針」側は、あえて前回行動指針の中から、今のミラティブにとってより必要な具体性ある行動に絞り込むことによって、日常的に活用・意識しやすいことを第一優先に制定していきました。
「課題に向き合い続ける」をあえて絞り込み「事実に学ぶ」に。「期待を超え続ける」を「成果にこだわる」に。そして、挑戦の推奨としての「大胆に考える」に。(「大胆に考える」は最初「大胆に動く」でしたが、現場で必ずしも実行まではどうしても至れない点などの指摘もあり、まずは思考の枠を取り払った議論の推奨指針とした、というような背景もあります)。
これら大枠を定めた上で、マネージャー陣で合宿的にサブテキストの一言一句を議論していきました。一言一句のワーディングそのものを「決める」目的以上に、議論の過程でマネージャー同士での認識があっていくことが価値で、いま会社で真に必要なことについての対話・わかりあいがなされていきました。
さらに、2度目のプチ合宿で浸透施策についても議論していきました。
自分たちが必要と思って作ったものを自分たちで浸透させるために考えて動く、という自然な構造になったのでこのプロセスもよかったです。
結果、 #行動指針グランプリ など、ミラティブらしい行動指針浸透施策がマネージャーや現場発でさっそく提起され、盛り上がっています。エンジニアならではの浸透施策など、各々の強みも活きています。
このような形で、2度目のアップデートは完了しました。さっそく新行動指針のスタンプや対話が飛び交う組織になり、会社の共通認識がそろって、これまでより一段上の組織力を持ったなと実感しています。
大事なのはブレない一貫性と実行
企業文化(に限らずあらゆる文化・ブランド的なるもの)には一貫性が重要です。ユーザーや社外に価値提供する際に大事にする価値観と、社内で大事にする価値観は、基本的に一貫性があるべきだと思っています。
例1:ユーザーにも「グランプリ」企画で物語を作ってもらうのだから、社内も行動指針グランプリで楽しみながらの浸透を図る
例2:「採用候補者様への手紙」という社外コミュニケーションと、ユーザーさんにアップデートの背景や思い含め共有していくレター、社内ではプレミアムエモイデーでの意図含めた戦略共有、など、コミュニケーションする時の基本姿勢をブレずに揃える
当社でも、ミッションを起点に、一貫した価値観・姿勢でユーザーにも社内メンバーにも取引先や資本市場にも向き合う会社を目指しています。
これからも企業文化とともに成長し、競争力を作っていきたいと思います。
さてミラティブはライブゲームという市場創造を着実に進めており、絶賛採用中です。創業来、いまが確実にいちばん楽しいな…という感じです(特に、作っているもの自体の新しさや可能性にワクワクする・作ったものが過去に世の中になかった体験としてユーザーに届いていっているという意味で!)。
ライブゲーム、むちゃくちゃ面白いフェーズなので興味ある方はぜひ話聞きに来てください!
それではまた。もし参考になったらシェアやスキしてもらえると(最近筆不精そのものでしたが)とてもはげみになります!
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