”プロの理論”を社会のお手本にしてはいけない理由
開発現場には、様々なプロが集まっています。
ときには、PM として厳しい判断を下さないといけない事もあります。
以下のような、現場への厳しい記事も書いたこともあります。(^^;
しかし、そんな厳しいプロの現場で働いている人たちに警告しておきたいのは
「プロの現場で働いている事は、偉いことでも何でもない。」
ということです。
”プロの理論”を社会のお手本にしてはいけない
よく、以下のような勘違いをする人がいます。
このように発言してしまう人は、プロの現場を知らないか、もしくは、たまたまプロの現場に片足を突っ込んで ”プロ気分” になってしまった人でしょう。
確かに、開発現場では知識と技術が必要であり、開発者たちには常に自己研鑽と高い倫理観が求められます。
そして、ときとして「君には現場を外れてもらう」という厳しい決断を下さなければいけないときもあります。
プロの現場は、セーフティネットがあってこそ維持される
しかし、それは「路頭に迷え」という意味ではありません。
今の現場はミスマッチだから、本人にとっても、他のメンバーにとっても良い結果が期待できない、というだけです。
しかし、その人に「この現場を追い出されたら路頭に迷う他ありません」などと言われたら、おいそれとその人を外すことができなくなります。
ただし、そうなると「現場の質」そして、「作品・製品の品質」も保てなくなってしまいます。
要するに、この社会にセーフティネットというものがあるからこそ、厳しい決断を下せるのであって、そのような環境がこの社会にない場合は、プロの世界だって維持できなくなるというわけです。
”プロの理論” というのは、あくまでプロの現場という狭い世界の内側でのみ通用するものであり、社会にとっては寧ろ無用でさえあるのです。
ユーザーを大切にしない”プロ意識”などない
ゲーム会社に勤めていたときの社長の言葉です。
特に娯楽業界は、世の中に娯楽を楽しむ余裕があり、かつユーザーとよい関係を築いていないと成立しない業界でした。
現場から離れた仲間も、その時点から私たちのユーザーになります。
ユーザーがいなければ、プロなど無用の長物です。
「プロは偉い」などという間違った意識を持った時点で、その人はプロではなくなるのです。
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