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結婚する覚悟

こんにちは。今日の写真はバルセロナのピカソ美術館で目に止まった作品。ピカソは色んな時代に合わせて作風が全く違うので飽きません。変わりゆく時代を、ピカソのようにフレキシブルに生きたいと思う今日この頃です。

さて、今日は恋愛・結婚について。実はとても好きなテーマで、自分軸を持つ為には必要不可欠な経験だと思うので今回はある知人のお話を共有させてもらいます。

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知人C(男性)とは仕事つながりで知り合いました。知り合った当初、彼は結婚していてお子様も3人いました。奥様は高校生時代に初めて付き合った人で互い初めて同士の付き合いだったそうです。その後、大学卒業後に結婚をして3人のお子様を授かりました。

そんなCから、ある日、結婚式の招待状が届きました。受け取った時は正直「え?」と思いました。結婚していたはずの彼から結婚式の招待状が届いたので当たり前です。

Cと会う時は主に仕事の話や共通の知人の話をする事が多く、正直プライベートな話は互いに聞くことも話すことも有りませんでした。ただ、思い返してみたら、ある時期から彼は仕事の時間が不規則になったり生活が変わっていました。

そんなCのお相手の名前を見て、私はさらに驚くことになりました。それは私も知っている女性で、数ヶ月前に2人に招待されてイベントに一緒に参加したばかりだったからです。その時2人の間に仲良しの雰囲気は出てはいましたが、昔からの友人だからだと思い込んでいました

彼らの出会いは15年以上前で、長年友人関係を続けていました。そんな長い友人関係を続けていたある日、彼女が年齢のことも考えて結婚を前提に付き合う人を探し始めてると聞いた際に、Cは初めて自分の気持ちに気づいたそうです。

いわゆる、失うかもしれないと思って初めて相手への気持ちに気づくという状態ですね。歌詞に出てきそうな話ですが、実際にあるのだと思いました。

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Cもお相手も非常に顔の広い人で、私の周りにも彼らの結婚式の招待状を受け取った人が何人かいました。その後すぐに多くの知人は「不倫だったのか?」と下世話な部分の話をし始めました。

「それなら結婚式は参加できない」とか「前の奥さんも知ってるから出席しにくい」という人もいたし、ある人は「何て酷い人。よく招待状を送ってこれるよね」と怒っている人もいました。

既婚者でありながら長い間友人関係にあった女性に恋心を抱いて、それに素直に従うなんて馬鹿げていると思うかもしれません。そんなの純粋な恋じゃないし、いつか同じ事を繰り返すはずと言う人もいるでしょう。

女性の方も既婚者でいると知りながらも彼の気持ちを受け止めた訳で、問題や責任があると言う人もいました。しかも、彼女はCの友人として前の奥さんやお子様と何度も会ったことがあるのを共通の知人は知っています。

そう言う状況を踏まえて考えても、私は逆に2人は相当の愛を感じざるを得なかったんじゃないかと思いました。きっと出会った時から特別な感情があったけれど、状況を理性的に理解して気持ちを長い間ずっと抑えていたのかもしれません。

そして、私は知人Cとお相手を仕事を介して知っている人間として、彼らの覚悟と新しい門出を祝福したいと思い、結婚式に参加することにしました。

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そもそも2人はとても博識高く、社会的な地位も高い人たち。だからこそ、最初はかなりの葛藤もあったはずです。誰も傷つけない事は決してできないし、社会的地位や信用も失う可能性もある大きなリスクがある恋愛をしようとしてたのですから。

そして、Cが自分の気持ちに嘘をつく事無く、想いを彼女に打ち明けた勇気が凄いなと思いました。もちろん、この場合の気持ちを伝える=離婚するから結婚しようと同じだったと思います。

カナダでは、特別なケースを除いて、離婚するのに最低1年の別居が必要になります。それに加えて、子供がいる場合は親権は多くの場合Joint custodyで、子供が成人するまでは2人で共有していくものです。従い、離婚調停の際に細かい養育プランや費用を決めなければいけなく、正式に離婚をするのに最低1年半はかかります。

それでも、Cは覚悟を持って家庭を捨てて彼女と一緒にいたいと思い、水面下で数年に渡り戦ってきたのだと想像しました。しかも、彼のお子様3人は未だ小さいので養育費支払いも10年以上続きます。

彼が既に子供が3人いることもあり、2人は子供を持たないで一生2人だけで生きていくという事も決めての結婚だったそうです。「それでも良いから彼が良い」と決めたお相手の女性も相当の覚悟だったと思います。

ここまでリスクや失うものを背負ってまでも、一生一緒に生きていきたいと思える相手に巡り会えたことって客観的に見ても凄い事だと思います。正直、「結婚」という本来の意味に一番近いと感じるくらいです。

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私も過去に妻子がいる人を好きになったことがあるので、彼女の気持ちは多少理解できます。ただ、具体的に乗り越えるべき壁を想像した時に、やっぱり好きという気持ちだけでは進むことはできませんでした。そういう経験も含めて、彼女の覚悟は本物だと理解できました。

結婚は恋愛の延長線上という考えの人もいると思いますが、実際長続きするのは友情の延長線上みたいな関係なんじゃないかと自分自身の経験も含めて思います。

ドキドキしたり、格好つけたり、嫌われたくないって思うような恋愛の気持ちは長期的にはなかなか続きません。それよりも、結婚生活には落ち着くな~っとか、楽だなって思う気持ちが大事だと思います。

似た者同士は共感しあえて良いと思いますが、一緒に人生を乗り越えていくチームとして見たときは、違った部分を面白いと思えて、その違いが強みであると認めることも大切だと思います。

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周りに祝福される結婚は確かに正しい形かもしれないけれど、一度目の結婚で最高の伴侶を選べている人が実際どれだけいるでしょう。子供には親が必要と言われますが、愛の無い仮面夫婦を継続するよりは、愛や結婚というものが実際にはどういうものかを教える為にも離婚する方が良い場合もあると思います。

子供がいない私がいうのは説得力がないと思いますが、子供の立場として考えたら綺麗なものばかり見せてくる親よりも、人生で大事な事や必要な事を少し醜くても辛辣でも教えてくれる親の方が信頼できます。少なくとも私はそういう両親で良かったと思っています。

私は彼らのそれだけの覚悟を応援したいと思いました。結婚式に集まった人達は皆んな彼らの幸せを願い、2人の強い愛を感じて幸せな気分を分けてもらえました。色んな意見はあるかと思いますが、結婚式に参加して良かったと今でも思っています。

人それぞれ幸せの形は違うと思います。誰かにとっての幸せは誰かを傷つけることもあります。一度きりの人生を後悔しないために生きる為に、何かを犠牲にすることが必要なのか正直分かりません。

ただ1つ確実なのは、これだけの事を乗り越えた2人は決して別れる事なく天に召される日まで十字架を背負って共に生きていくであろう事。そして、それこそが結婚する覚悟なのだという事です。という訳で、今日の一言はこちら↓

"When two hearts become one, it cannot be undone. A promise has been made and cannot be broken or swayed. For this love will last an eternity and will not fade."  by Charlene M. Martin

*今日の1曲:"Say So" by Doja Cat                  Tik Tokでも人気のようですが、最近この曲がずっと頭に回っています





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