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「フィードバック」とは

『みんなのフィードバック大全』(著者:三村真宗)を読んで、とても参考になりました。これから社会人にとって重要なスキルとなる「フィードバック」について、その定義と実践方法をまとめました。

フィードバックとは

昨今、組織の中で、個人と組織が成長し、組織が躍進するため、また、働きがいを高めるには「心理的安全性」が重要と言われます。その心理的安全性に関連し、不透明なこの現代社会において、構成員がお互いに高め合う手法、「相互作用型学習スキルが「フィードバック」スキルです。

フィードバックの要素

フィードバックは次の要素で構成されます。①マインド、②フィードバックの種類、③受け止め力、④組織的な取り組み

①マインド

まず最も大切なことはマインドです。フィードバックをする時に「相手の成長を願う気持ち」があるかどうか。これが大前提です。「後ろ向き、責める気持ち」があるといくらスキルがあっても、効果0で相手に伝わらないし、むしろ不快なだけです。

②フィードバックの種類

ポジティブフィードバック
→相手の強みや長所、努力や成果を認めるフィードバック
ギャップフィードバック
→相手の気になる点や、課題や改善点を伝えるフィードバック。一般的にはネガティブフィードバック。

③受け止め力(コーチャビリティ)

フィードバックを受け止める力。伝え手が有能でも「受け手の問題」がある場合がある。フィードバックは「伝え手と受け手の共同作業」であり、受け手のコーチャビリティが欠かせない。自分もフィードバックを受け止めるためには、コーチャビリティを高める必要があります。

④組織的な取り組み

個人だけでなく、組織文化にまで落とし込まないと日本ではなかなか浸透しにくいと言われている。経営者が率先してフィードバックを取り入れる宣言をすることや、継続性のための仕組みや取り組みが重要です。

ポジティブフィードバックをマスターする

ポジティブフィードバックの目的と効用

好ましい行動の強化
・承認欲求の充足
相互の関係強化
・心理的安全性を高める
・フィードバック濃度、文化を高める

ポジティブフィードバックのコツ

相手の成長を願う
相手に関心を持つ
気恥ずかしさを捨てる
・リアルタイムに、こまめに
・他人と比較しない。過去と比較するはOK
・対面はもちろん、メールや文章でも○
・他者の前でも○
・具体的に。できれば自分の中で、「なぜ」を使って深掘りして褒めるポイントを深掘りしておく
結果だけでなくプロセスも評価する。
・第三者を活用してーウィンザー効果を使いこなす

ギャップフィードバックをマスターする

ギャップフィードバックには「軽め」と「重め」の2種類がある。
軽め=
気づきを与える。カジュアルにさらっと。
重め=見過ごすことのできない改善点。しっかりと準備して伝える。

ギャップフィードバックのコツ

相手の成長を願って伝える。
1対1で、口頭で伝える(他者の前で、メールで→ダメ×)
・「フィードバックしてもいいですか?」と聞いてみる。または、「少し気付いたことがあるんですが、聞いてみますか?」「ちょっと助言できそうなことがあるんですが、聞いてみますか?」など
・軽めのギャップフィードバックは、怒るでも叱るでもなく、気づかせてあげる

「ソラ・アメ・カサ」のフレームワークを使う。

・重めのギャップフィードバックに使える課題解決のフレームワーク
ソラは事実や事象です。客観的事実。
アメは、事実から推察される課題です。
カサ課題に対する改善点や打ち手です。
非常にシンプルながら効き目がある問題解決のフレームワークです。
ゆるぎない「事実=ソラ」を集め、その事実を相手と共有します。そして事実から導き出される「課題=アメ」を合意し、その上でそうした課題を解決するための「打ち手=カサ」を提案するのです。コンサルティングにも使える手法で、ポイントは、カサを焦らないで、課題を相手としっかりと合意するプロセスが重要です。

ギャップフィードバックのコツに戻ります↓
・事前準備として「なぜ」を繰り返し課題を深掘りして分析する
・相手に質問しながら思考を手伝う
・傾聴でじっくりと言い分を聞く
・共感を示す
・的を得ていない反論は聞き流すことも
・沈黙しても辛抱強く待つ
・改善案を自分で考えてもらう
・受け手が改善案を求めるのを待ってから助言する
。求めがなければ、改善案が必要か確認してから助言する。
・今後のアクションを合意する
・一度に複数のことを指摘しない
コントロール可能なこと、コントロール不可能なことを分けて考える。相手の受け止め力(コーチャビリティ)が低い場合は残念ながら状況は改善しません。しかし、それはあくまでも本人の問題であり、こちらが悩むことではないのです。「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。」

受け止め力(コーチャビリティ)

他者からの助言をちゃんと聞き入れる能力。時には苦言すらも自己の成長に転化できる能力。つまりは成長が早く、周囲との関係性も良くなる。
・コーチャブルな状態は、「成長意欲」が「忌避=耳の痛い話から逃げたくなる気持ち」を上回っている状態。
・誰でもギャップフィードバックを受けると多少なりともストレスを感じて当たり前である。要はそれを成長に転化できるか。
・時には受け入れないことも。「事実や信条に反している受け入れ難いこと」は、受け入れない権利もある。単に忌避の気持ちからくる耳に痛い話だから受け入れたくないのか、この2つを混同しないようにする。
・受け止め力を高める方法としては、忌避の気持ちよりも、成長意欲をコントロールする方が早い。
・忌避の気持ちは傲慢と恐怖から来る。処方箋は「謙虚」になること。無知の知。
・課題や弱点を指摘されても「それは自分の成長余地だ」と言い聞かせる。
・伝え手は「自分の成長を願っている」と自分に言い聞かせる。
・フィードバックは「批判ではなく、助言である」と言い聞かせる。

・認知の歪みをチェックする。
・傾聴。
・メンタル状態を考慮する。

組織としての取り組み

なぜフィードバックは組織にとって大切なのか。
それはヒトの成長が競争力の最大化になるから。フィードバックの浸透を通して、働きがい(やりがい)を高める。働きがいと業績成長は関連する。
組織として「フィードバック」の心理的安全性を高めるためには以下の4点をチェックする必要がある。
1、組織範囲(組織全体がベスト)
2、管理職の意識
3、全社員の知識
4、仕組み、制度

【具体的な取り組み流れ】
①フィードバック文化の決意と宣言
→経営者がフィードバックを組織文化にすることを決意し、社員に宣言する。
②フィードバック研修
③PDCAサイクルでフィードバックの実施状況の可視化
④様々な具体的施策でフィードバックを促進する。

→コンタラクティブフィードバック(年1回)/パルスチェック(年数回)/部門間連携調査/1on1ミーティング/コミュニケーションランチ/タコランチ(個人と他部門の社員で)/タコめぐり/syncミーティング(管理職間の対話の機会)

以上長くなりましたが、『みんなのフィードバック大全』について、まとめたnoteが無かったので、(自分の読み返し用にも)まとめてみました。

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