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続/屋根の上の世界.憧れだった赤い奴

  「僕の昭和スケッチ」34枚目

34赤いソーセージ

<画/もりおゆう 原画/水彩 サイズF5>

(昨日の「屋根の上の不思議な世界」の続きです)

その変わった物干場のあるKちゃんの家は、お母さんが美容院をやっていて女手一つでKちゃんを育てていました。お母さんはお洒落な人で、美人。新し物好きでもありました。そのせいか、Kちゃんはちょっと僕らと違っていました。例えば…(いきなりへんなところへ行くが)お弁当には何時も赤いソーセージがはいっていたのです。赤いソーセージは当時では、まだ出たばかりの新製品でちょっと高価なものでした。
(平成、令和の御代では、あらびきウインナとかハーブ入りウインナなどが人気で、赤い魚肉ソーセージ等は売り場の隅っこで小さくなっています。だが、昭和の30年代の日本だとそれは子ども達の憧れの食品だったのです。
むろん、我が家では食卓に並ぶ事はありませんでした(^-^)

あの綺麗に焼き色のついた赤い奴…その輝いて見えた事と言ったら!

まさに言葉通り垂涎の的でした。

だが、そのKちゃんは、ある日突然遠くの街に引っ越してしまったのです。

う〜ん、たまには食べてみるかな、赤い奴…。
Kちゃんを思い出して…


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