![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/36275959/rectangle_large_type_2_43286c6ea6558de26b9d98ddad854c53.jpg?width=800)
続/屋根の上の世界.憧れだった赤い奴
「僕の昭和スケッチ」34枚目
<画/もりおゆう 原画/水彩 サイズF5>
(昨日の「屋根の上の不思議な世界」の続きです)
その変わった物干場のあるKちゃんの家は、お母さんが美容院をやっていて女手一つでKちゃんを育てていました。お母さんはお洒落な人で、美人。新し物好きでもありました。そのせいか、Kちゃんはちょっと僕らと違っていました。例えば…(いきなりへんなところへ行くが)お弁当には何時も赤いソーセージがはいっていたのです。赤いソーセージは当時では、まだ出たばかりの新製品でちょっと高価なものでした。
(平成、令和の御代では、あらびきウインナとかハーブ入りウインナなどが人気で、赤い魚肉ソーセージ等は売り場の隅っこで小さくなっています。だが、昭和の30年代の日本だとそれは子ども達の憧れの食品だったのです。
むろん、我が家では食卓に並ぶ事はありませんでした(^-^)
あの綺麗に焼き色のついた赤い奴…その輝いて見えた事と言ったら!
まさに言葉通り垂涎の的でした。
だが、そのKちゃんは、ある日突然遠くの街に引っ越してしまったのです。
う〜ん、たまには食べてみるかな、赤い奴…。
Kちゃんを思い出して…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?