見出し画像

十角館の殺人 〜綾辻行人 著の感想

数あるミステリー小説の中でもこの作品は
外せない。多くのミステリーファンから
愛される十角館の殺人について感想を述べたいと思います。


この作品は、
『そして誰もいなくなった』
 
アガサ・クリスティー著
をかなり意識した作品と言えます。

単純に島🏝に行った6名が全員死亡してしまうところがですね。

・・・最初はそう思っていました。
実は違うんです。一部ネタバレ入ります🙇

島🏝に行ったのは7人。
犯人は生き残っていて、
島🏝にいたのは最初から6人と思わせる。
その6人目の被害者を自殺に見せかけ、
そして誰もいなくなった😨状態に。

すべて犯人の筋書きどおりの犯行となります。

読み進める中で犯人は絞られるのですが、
最後まで動機が全く分かりません🤔


ストーリー展開としては

  1. プロローグ

  2. 島のストーリー①

  3. 本土のストーリー①

  4. 島のストーリー②

  5. 本土のストーリー②

繰り返し🔃

 6.エピローグ

という感じで進んでいくので
島🏝と本土がどう繋がるのか?
楽しみながら読めます。

またプロローグとエピローグのつながりが
何とも言えませんでした😏

主な登場人物


古典ミステリ作家にちなんだニックネームを
使用しています。
島🏝に向かった7人
エラリイ、カー、ポウ、ルルウ、アガサ、
オルツィ、ヴァン

本土の4人
江南 孝明、中村 紅次郎、島田 潔、
守須 恭一

十角館の謎


その名のとおり十角形をした建物です。
それだけではなく、家具や食器など
あらゆる物が十角形でできている。

中村 青司という建築家により建築。
過去に青屋敷という建物が同じ角島という無人島に存在。
そこで殺人事件が起こり、4名死亡と
行方不明1名という未解決事件になる。
死亡者
中村 青司、中村 和枝(妻)、北村夫妻(住み込みの使用人)
行方不明者
吉川 誠一(庭師)

この事件で青屋敷が炎上して、それ以来無人島になった角島…

まずこの事件の謎が解明されていないところが
このミステリーを複雑にしています。
これから起こる連続殺人事件との関連性は
あるのか?

なぜ無人島に7人は向かったのか?


7人は大学のミステリ研究会のメンバー。
犯人の策略で1週間の無人島旅行の計画に
のってしまった6人。

伏線は去年このミステリ研究会でおきた
中村 千織の死です。
どうやらこの女性の死と6人に関係が
あるようで?

さらにこの無人島にある十角館を建築した
中村 青司と千織は親子なのです。

ますます意味深になりますよね。

事件と脅迫文の関係は?

本土編
この話のきっかけは一通の脅迫文でした。
「お前たちが殺した千織はわたしの娘だった」
差出人 中村 青司

江南 孝明の自宅に届いた一通の手紙✉
彼は大学のミステリ研究会に属していたが、
現在は辞めている。
中村 千織は江南がミステリ研究会にいた頃の新年会で、急性アルコール中毒から持病の心臓発作をおこし亡くなっていた。

中村 青司は先の角島でおきた事件により亡くなっているはず。
ということは、死者からの手紙✉なのか?

中村 千織 
彼女の死に関わっていた6人が
今回の十角館に向かった7人の中にいる。

中村 青司は生きているのか?

過去に起きた未解決事件で、
亡くなったとされる中村 青司。
焼死体であったために
本人確認は確定的ではない。

さらに、行方不明になっている
庭師の吉川 誠一と背格好と血液型が同じ。

さあどうでしょう。
想像しますよね😉 入れ替わり殺人??

中村 青司は生きているかもしれない!!

島編ではここから、中村 青司の弟である
中村 紅次郎と接触、そこでその友人島田 潔と出会う。
さらに守須 恭一というミステリ研究会の
メンバーで島への旅行を断った人物が
加わって、中村 青司についての推理が
繰り広げられるのである。

十角館での連続殺人事件

島編
十角館に7人が到着した翌日、
殺人予告ともとれるプレートが
十角形のテーブルに置かれていた。
被害者5枚 探偵1枚 殺人犯人1枚

これが何を意味するのか想像つきますね。
7人がこのプレートのどれかに当てはまる
ということです。
犯人がこの中にいて、これから殺人が
おきるというメッセージです。

これから順番に殺人がおきます。

みんなが疑心暗鬼になりますよね。

ただ仲間意識なのか、犯人が巧みなのか、
最後まで外部犯(中村 青司)説を
みんな考えていました。

殺される理由はただ一つ。
中村 千織を殺した6人だということ。

順調にというか、次々とプレートどおりに
犠牲者がでます。

最後に残ったのが、プレートの予告どおり
探偵と殺人犯人 の2人。

さあ、エラリイ、カー、ポウ、ルルウ、アガサ、オルツィ、ヴァンのうち誰がこの2人👥
なのか?

その後秘密の地下室を見つけた2人。
そこで2人が目にしたものは…
白骨化した遺体であった。

そしてクライマックス🔚

十角館に火🔥が放たれ全てが焼かれます。
残ったのは6人の大学生の遺体、そして白骨化した遺体1体。

犯人の振り返り


ここまでに本土にいた4人は、中村 青司に
ついての推理で意見を交わしあう展開に
なっています。
逆にわざとこの展開に持っていく、
犯人のアリバイ工作ともとれるもの
でした。

最終的に十角館の連続殺人事件として
取り上げられ、犯人は焼身自殺と
考えられた。

そう真犯人の完全犯罪が成立❣

この作品の特徴的な書き方として、
最後に犯人の独り言💬で
謎が解き明かされるところです。

殺害目的は、
中村 千織を死においやった6人への復讐。

中村 千織は真犯人の元恋人💕

島と本土を行き来してアリバイ工作🔨

中村 青司が生きているかもと思わせぶり。

プロローグとエピローグ


ここまであえて触れてきませんでしたが、
この作品のプロローグにて
真犯人は今回の殺人事件のシナリオを
書いた紙をガラス壜につめて海🌊へ放り投げて
います。

そしてエピローグ

真犯人が海🌊で回想していると、そのガラス壜が自分の足元に。まさかの伏線回収でした。

私の感想


綾辻行人氏の館シリーズ第一弾でもある本作品。
大筋は掴めていても、確信に迫れないもどかしさが最後まで読者を離しません🧐
中村 青司が生きているかも❔とずっと思わせぶり。いや、そうあって欲しいと願っている
ミステリーファンの私の本心がありました。
動機が謎であるために、6人も殺す必要があるのかと思ってしまいましたが…
少し無理のある犯人の殺害計画が、うまく
いってしまうところが余計に推理を困難に
させました。
島での7人の会話をあらためて犯人サイドから
もう一度読み返すとさらに面白さが増します。

ここまで読んでくださってありがとうございますm(_ _)m
大まかなネタバレで書き綴りつつも、
犯人の名前はシークレット㊙にしました。

是非読んでいただきたい作品です👏
私の感想に共感していただけたらスキ❤
お願いします☘


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?