見出し画像

ヤムーの大冒険 第1章 第22話 イタチのリッキー〜14日目〜

画像5


「すいませんリッキーさん、実はもうひとり仲間があそこにいます。ネズミのラリーです。ラリーも中へ入れて頂けますか?」

「もちろん大丈夫だ、連れて来なさい。」

「アニキっ、こんな訳の分からん野郎をマジで中へ入れるんすか?」

「ディッチ、安心しろ。おれも沢山の人に出会ってきた。そこら辺の分別くらいはつくよ」とリッキーは無邪気に笑った。

画像2

ヤムーとラリーはイタチの穴ぐらに招かれた。

入り口から細長い穴の道を進むと広い部屋に出た。
すると、品の良い女が笑顔で迎えてくれた。
「ようこそリッキーハウスへ、ゆっくりしていって下さいね。
広い部屋にはベッドやテーブルや椅子などがあった。まるでヤムーの住んでいた主人の家のようでした。
中には10人以上のイタチが暮らしているようです。
子供のイタチが何者ぞ?という表情でジロジロとヤムーとラリーを見つめていました。

画像1


ヤムー達は広い部屋の奥の小さな部屋に通され、木の長椅子に座って、リッキーを待ちました。
すると、「良かったらこれ召し上がって下さいね」と若い女の子がキイチゴを出してくれた。
ヤムーとラリーはお礼を言ってきれいなイチゴに目をやっていました。

「お待たせしました、ではヤムー君のお話を聞くとしよう。」
「はいっ、リッキーさんの息子さんはタッチですか?」
「そうだよ、タッチが行方不明になって2日が経ったよ。ヤムー君はタッチに会ったのかい?」
「はい、2日前にタッチはカラスのジャック・グロウに傷つけられているのを見つけました。」
リッキーの顔が怒りに変わった、みるみる目は赤く充血してきた。
「で、、タッチの傷の具合はどうなんだい?」
「今、私の仲間のひとりが付きっきりで看病しています。お腹のあたりに深い傷を負ってしまいましたが、命に別状はないと思います。」
「はぁ、良かった。ヤムー君はタッチの命の恩人なんだね。本当にありがとう。」
「今からタッチを迎えに行ってもいいかい?」
「はい!もちろんです。こんな素敵なお家なら安心です。リッキーさん、そのかわりひとつお願いがあります。」
「なんでも言ってくれ、出来ることはなんでもさせてめらうよ!」
「タッチを傷つけたジャックグロウも所属しているガブライズ族を倒す我々の仲間になって、一緒にガブライズ族と闘ってくれませんか?」
「当たり前だよ!俺たちだけでもタッチを傷つけた相手なら行くつもりだったからね。」
「いざ行こう!」リッキーの目は血走っていた。

画像3


広い部屋に入ると、リッキーは男を4人呼んだ。
「マット、ディッチ、クリス、ナッツ、今から少しばかり旅に出る。クリスとナッツは一度タッチをここまで連れて帰る任務を与える。そして、
マット、ディッチは私とガブライズ族との闘いに参戦する。」
女達もただならぬ表情でリッキーの指示に耳を傾けた、
「ナターシャ、タッチは無事だ。クリスとナッツが連れて帰ったら、後は頼んだぞ!」

ナターシャの目は涙で溢れていた。

「リッキー様、そうと決まりゃ〜とっとと旅に出かけようぜ!血が騒ぐぜっ。」
ディッチはそう言うと自分の剣を腰につけた。

「ヤムー君とラリー君、君たちの剣ではなかなか闘えないよ、、ナターシャ良い剣を2本彼らに差し上げてくれっ」
「はい!」
品の良い女の名前はナターシャだった。多分リッキーさんの奥さんだ。って事はタッチのお母さんだな。ッとヤムーは心の中でつぶやきました。
ヤムーとラリーはナターシャからそれはそれは素敵な剣と腰巻きを頂きました。
「リッキーさんありがとうございます!大事に使わせて頂きます!」

画像4

#児童本

#本

#絵

#イラスト

#絵本

#物語

#キャラクター

#楽しい

#動物

#出版社

#エッセイ


#cakesコンテスト2020

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?