ヤムーの大冒険 第1章 第19話 パギンスとタッチ〜14日目〜
明日の朝、君をみんなに紹介するよ。
パギンス、もう寝ようかね。
ヤムーはパギンスと久しぶりに安らかな眠りにつきました。
明くる朝ヤムーが目を覚ますと、パギンスはすでに目を覚ましており、ぼんやりこちらを見て微笑んでいました。
「おはようヤムー」
「おはようパギンス」
「ヤムー、良く寝ていたよっ」と無邪気に笑った。
「パギンスはちゃんと眠ったのかい?」
「ああ、ヤムーと話せて気持ちが落ち着いたのか、意外にも良く眠れたよ。あのまま独りぼっちだったら眠れてなかったかもしれないよ、、」と
少し恥ずかしそうにほくそ笑んだ。
ヤムーとパギンスはお地蔵さんの穴場にいる仲間たちのもとへ向かいました。
パギンスは人間との生活しか知らなかったので、
少し緊張の面持ちでチャッピー、ラリー、チャーチル、ボッツ、ケリーに自己紹介をしました。
「みなさん、はじめましてパグ犬のパギンスです。昨夜は独りぼっちで途方に暮れているところをヤムーに救ってもらいました。
僕もみなさんの仲間に入れてもらうかわりに、一緒に戦わせてもらいます。
買われ犬で甘ったれですが、これからよろしくお願いします!」っと少し照れたように歯に噛んだ。
みんなは突然のパグのパギンス電撃仲間入りにとてもびっくりしていたが、力強い仲間入りにみんなの士気は間違いなく上がっていました。
「こちらこそよろしく、パギンスの仲間入りは我々にとってとっても頼もしいよ!」とボッツは
嬉しそうに笑った。
みんな同じ考えだった。昨日のジャック・グロウ事件で心身ともにボロボロだったので、
パギンスは神からの贈り物じゃないかと思ったぐらいでした。
また仲間たちの傷はそれほど深いものではなく、一夜明けてみんな元気を取り戻していました。
ただ深い傷を負わされたイタチの看病は依然として続いていました。
チャッピーは寝ずに頑張っています。
看病の中でチャッピーはイタチから名前だけは聞き出すことができました。
傷つけられたイタチの名前はタッチでした。
チャッピーはタッチが元気になるまで付きっきりで看病を続けると決めていました。
ヤムーはみんなにこう伝えました。
「みんな聞いてくれっ!昨日のジャック・グロウ事件ではみんなの頑張りもあり最悪な事態には至らなかったと思う。
タッチのこともあるし、パギンスの参加もあるのでこのお地蔵キャンプをベースとして、当分の間ここに滞在する。
僕とラリーの剣を新調したり、パギンスの役割、タッチの今後、そしてみんなは既に与えられた役割りの訓練をしっかりと積んでもらいたい!
ここを出る日は僕が全体の状況を見て判断させてもらう。ではみんな頑張ろう!」
「はい!」
みんながワンチームとして団結していかなければ、ガブライズ族には絶対に勝てないと理解していました。
ヤムーの大冒険は厳しさも伴う過酷な冒険に突入していました。
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