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純文学って何?【小説の楽しみ方】

純文学は好きでしょうか?

純文学って難しそう、読んだことない。
そう思っていても純文学が楽しくなる、読みたくなるYou Tubeを紹介します。

そして最近本を読んでいない。少し読書に飽きてきた。
そう感じている人がまた本を手に取りたくなるヒントがつまっている動画です。

自身も純文学を書く小説家で芥川賞も受賞している羽田圭介さんによる純文学って何?に対する"答え"が手に入ります。

このnoteでは、書評を中心に読書に関する記事を発信しています。ぐちゃぐちゃになった頭の中を読書で整理してみると、それだけで人生がラクになります。人生をラクにする1冊を紹介するnoteです。

純文学は"自由"

羽田圭介『純文学の定義は自由。何もないのが純文学。』

そう純文学には決まりごとがない、定義がない、ルールがない。
一方純文学に比べて決まりごと、定義、ルールがあるのがエンタメ小説(いわゆる普通の小説)。

エンタメ小説と純文学

この動画をヒントにエンタメ小説と純文学を比べてみると。

エンタメ小説とは?
・直木賞にノミネートされるような作品
・起承転結など話に型がある
・その型を使って読み手の感想や感情をある一定の方向に導く

純文学とは?
・芥川賞にノミネートされるような作品
・話に型がない、オチ(結)がなかったり、起→起→起→結だったりする
・読んだ後に「何これ?」と読み手の感想や感情がバラバラになる

エンタメ小説とは<型>という手法を使って読み手の感想や感情をひとつの方向に導くお約束がある作品。一方、純文学はそのお約束がない作品。

純文学の楽しみ方

純文学を読むと自分の中で新しい感情が生まれます。それを観察してひとつひとつ納得する言葉に落とし込んでいく。そうすることでぐちゃぐちゃだった頭が整理されてスッキリします。

羽田圭佑『人間ってそんなに新しいものに触りたくないわけですよ。その新しいものに触れてそれを理解できないって、ちょっとストレスじゃないですか?』

人間の頭は知らないこと、未知なこと対して反発を起こす。
すでに知っていること、わかりやすいことばかりを好むようになる。

でも実際の世界には自分が知っていること、わかりやすことよりも、自分が知らないこと、わかりにくいことの方がずっとずっと多い。

複雑なのは自分自身ではなく、むしろ自分以外のことだったり、それらと自分との関係性の方。そっちの方がもっともっと複雑だ。

羽田圭介『いろんな出来事とか感情ってすでにある既存のものに全部が大別できるわけじゃないですよね。』

その複雑な自分以外のものに触れた時に生まれる感情を、すでにある既存のもの、あたりまえ、常識に当てはめて消費するだけというのはもったいない。

羽田圭介『大雑把な分類を取っ払って真剣に観察するっていうのが純文学って気はしますね。』

知らないうちに自分自身を縛っている、自らを家畜化している当たり前をいったん取っ払って、新しいものに触れた時に自分の中で生まれる新しい感情を整理して言葉にする。

それができた時は頭がとてもクリアになる。
そのきっかけ、トリガーとなるが純文学。
純文学オススメです。

オススメ純文学3選

分量が少なく読みやすい3冊をピックアップしてみました。

1冊目「スクラップ・アンド・ビルド」(著:羽田圭介)

1冊目は今回紹介した動画に出てくる羽田圭介さんの芥川賞受賞作。

28歳の主人公健斗は86歳のおじいちゃんの介護をしている。健斗はじいちゃんを動けなくし、考えなくすることで、身体も脳もいっぺんに衰えさせるという計画的衰弱死を与える計画を実行していく。

高齢化社会、ヤングケアラー、根本的に考え方が違い世代間のギャップ。そのいったリアルがある中でのコミュニケーションとは?

そういった問いとそれに対する自分だけの答えが手に入る1冊です。

2冊目「推し、燃ゆ」(著:宇佐見りん)

2020年の第164回芥川賞受賞作。この時著者はなんと21歳!

学校にも、バイト先にも、自分の家にも居場所がない高校生のあかりが主人公。生きることは苦痛で、自分の"推し"のアイドルのことを考えているその時間だけが唯一”生きる"ことを実感できる。

「生きづらさ」。最近よく耳にするけど、いまいちとらえどころがないこの不思議な言葉。まだ十分に言語化されていないこの「生きづらさ」とは何か?その問いとそれに対する自分だけの答えが手に入る1冊です。

3冊目「おいしいごはんが食べられますように」(著:高瀬隼子)

2022年下半期の芥川賞受賞作。職場でのドロドロとした三角関係を中心とした人間関係における”税金”の話。

なんで人間関係の中でストレス、むかつきを感じるのか?
その問いとそれに対する自分だけの答えが手に入る1冊です。

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AIを使えばクリエイターになれる。 AIを使って、クリエイティブができる、小説が書ける時代の文芸誌をつくっていきたい。noteで小説を書いたり、読んだりしながら、つくり手によるつくり手のための文芸誌「ヴォト(VUOTO)」の創刊を目指しています。