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CRAFTRIPが覗いた、地方が抱える「後継者不足」のリアル

こんにちは、myProductライターの河合です。

さまざまな地方へ赴き、取材活動を続けているCRAFTRIP編集部ですが、訪れた地域でよく目の当たりにするのが「後継者不足」に悩む行政と事業者です。

地方に限った話ではないのかもしれませんが、一次産業で栄えた地域ではそういった現状がより目に付きます。これまでCRAFTRIPでは「松阪市」と「かすみがうら市」という2つの地域を取り上げてきましたが、いずれも同様の課題を抱えています。

一般的に「後継者不足」が深刻化している要因として、子供が家業を継ぐことが一般的ではなくなってしまったことで、代々続いてきたものが途切れてしまっているということが挙げられます。いわゆる社員がいるような“会社”であれば、必ずしも親族や身内が継がなくても、社員の中から後継者を探すということもできるかもしれません。ただ、農業に代表されるような一次産業の多くは小規模の家族経営であるため、後継者の候補は自然と親族、それも子供に限られてきます。

それでは「これまで通り子供に継がそうとはしないのか?」と考えてしまいますが、そこが崩れてしまったのは時代の流れでしょう。今は仕事の選択肢が数多く、生まれた地域から飛び出すことも難しいことではありません。子供の意思に反して、無理矢理に家業を継がせるというのも時代の流れに逆行しています。

それ以上に、一次産業に従事している人たちは、子供に家業を継がせることに消極的という印象を取材を通じて感じてもいます。親の立場からしてみれば、自分と同じような苦労はかけたくないという親心があるため、子供には自由に好きな仕事に就いてもらうことを望んでいるケースが多いように思えます。

CRAFTRIPで取り上げた下記の記事で登場する方々からは、そのような葛藤と思いが伝わってきました。

こうした現状を打破するべく、各地方自治体では事業承継を支援する取り組みが各所で行われています。ただ、その全てが順調に進んでいるかと言われれば、まだまだ道半ばかもしれません。

メディアに関わる立場から見てみると、一次産業の魅力発信はもちろんのこと、ポジティブな側面だけではなく、ネガティブな点も正しく情報発信して認知させるということが大事になってくるのでは? と感じることも。綺麗ごとを並べるだけの情報発信を行って新規就農者が現われたとしても、抱いた理想と直面する問題とのギャップに苦しみ、離農してしまうという話はよく耳にします。

個人的にも、CRAFTRIPのようなメディアを通じて、こうした課題を解決する機運が生まれてくれればと、密着取材活動を通じて強く願っています。

そんな想いを抱きながら、CRAFTRIPでは地場産業のファンづくりを行うと共に、地域が抱えるリアルな姿と課題を皆さまのもとへ引き続きお届けいたします!